(英語版)
(アラビア語版)
Part II:「エスニック・クレンザー(民族浄化剤)」
57. 悪魔の発明(5)
一方、生殖機能の衰退という内部的な要因によって『種』が途絶えるケースもあろう。もしその原因を遺伝子レベルで解明できれば、その『種』の衰退を止めることができる。場合によっては『種』の生殖機能を強化する方法が発見できるかもしれない。ユダヤ民族という『種』にそれを応用できれば-------------。『ドクター・ジルゴ』はそう考えたのである。彼は身近な「絶滅危惧種」としてアラビアオリックスを取り上げることにした。
アラビアオリックスはかつてアラビア半島に広く生息していたが、その後絶滅の危機に瀕し、今では人工飼育により細々と生かされているだけである。そのような折、動物園で雌のアラビアオリックスが死亡したというニュースが流れた。『ドクター・ジルゴ』はすぐさま死亡原因を病理学的に調査したいと申請し、アラビアオリックスの死体を払い下げてもらった。
死んだ雌のアラビアオリックスはこれまでに何度か妊娠したものの流産を繰り返し、今では人間でいえば既に50歳を超える成獣であった。彼は個体の卵巣を取り出して解剖した。残された卵細胞に特に異常は見られなかった。しかし彼は持ち前の執拗さであらゆる角度から検体を調べた。
その結果、彼は生殖組織の中にアラビアオリックス固有のものとは明らかに異なる細胞組織を持つウィルスを発見した。
『ドクター・ジルゴ』は自らが発見した新型ウィルスの研究にとりつかれた。彼は新型ウィルスの遺伝子情報を事細かに突き止めようとした。さらに彼は遺伝子を操作してヒト型に変化させることを目指した。
ただ一つ彼が懸念したのは万一ウィルスがヒト型に変化した場合、地球上すべての民族あるいは人種に感染するパンデミックになれば人類そのものが衰退する恐れがある。
彼は一方で考えた。もし新型ウィルスが特定の民族だけに繁殖するのであれば問題は別だ。例えばユダヤ人はウィルスに感染しないが、パレスチナ人なら感染するのであればどうであろうか?感染して生殖能力の無くなったパレスチナ人は次第に減っていく。これはまさに今の政府がひそかに期待しているイスラエルの将来の姿ではないか。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
前節まで:http://ocininitiative.maeda1.jp/EastOfNakbaJapanese.html
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます