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(目次)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(6)
第二章 三つの飛行ルート (2/5)
三つのルートの中ではシリア・イラクルートが最短であり物理的なリスクは最も少ない。しかしシリアとの間ではゴラン高原の領有を巡る紛争が続いている。シリアは地域の軍事大国であり、同国上空を通過すれば全面戦争に拡大する恐れがある。この案は最初に斥けられた。
トルコ上空通過案とサウジアラビア・イラク上空通過案のいずれを選択するか? トルコとイスラエルは同じ親米国である。またイランはイスラエルにとって敵であると同時にトルコにとっても潜在的な脅威である。つまりイスラエルの敵が同時にトルコの敵なら「敵の敵は味方」と言うことになる。シリアルートに比べ政治的リスクは少ない、とイスラエル軍部は考えた。
しかし実はトルコ国内には数年前の2件の事件に起因する根強い反イスラエル感情が残っていたのである。その一つがイスラエルによるガザ沖合のトルコ船臨検事件であり、他の一つはあるテレビ番組におけるイスラエル外務副大臣のトルコ大使侮辱事件である。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
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