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第6章:現代イスラームテロの系譜(3)
148イスラームテロの萌芽(3/4)
20世紀になるとイスラームはイデオロギー(智)の挑戦を受ける。アッラーの絶対的存在を前提とするイスラームにとって共産主義無神論はまさに悪魔の教えでしかない。イスラームの無神論に対する拒否反応は自由主義・資本主義の洗礼を受けたキリスト教とは比べ物にならないほど大きい。共産主義が国家権力を握ったとき、イスラーム勢力はテロによって対抗する。アフガニスタン紛争がまさにそれであった。
そして共産主義が勢力を失ったとき新たに発生したのが宗派の対立であり、それによるテロであった。同じ宗教の間の宗派対立は「正統性」をめぐる対立である。イスラームのスンニ派とシーア派の分裂と対立は預言者ムハンマドが死んで間もない時期に発生した。スンニ派はイスラームの教えの正統性を、シーア派は預言者の血統の正統性を掲げて争った。但し両派がそれ以降も闘争を継続したわけではない。大きく見るとシーア派はペルシャ民族のイランに受け継がれ、スンニ派はアラブ民族に受け継がれた。
(続く)
荒葉 一也
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