石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

全世界の成長率は今年3.0%、来年2.9%:IMF世界経済見通し(5完)

2023-10-31 | その他

(日本はドイツに追い抜かれ世界4位に!)

  1. 2023年の名目GDP(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-12.pdf 参照)

 2023年の世界の名目GDP総額は104兆4,764億ドルと予測される。これを国別に見ると、名目GDPが世界で最も多いのは米国の26兆9,496億ドルであり世界全体の4分の1(25.8%)を占める。米国に次いで多いのは中国で、同国の名目GDPは17兆7,009億ドル(16.9%)である。両国を合わせると全世界の名目GDPの43%を占めている。因みに中国のGDPはEU全体(総額18兆ドル)とほぼ同額である。

 

 世界第3位のGDP大国はドイツ(4兆4,298億ドル)であり、日本の名目GDP(4兆2,309億ドル)をわずかながら上回っている。次項で述べる通り日本の名目GDPは2000年以前から長い間、米国に次ぐ世界2位であったが、2010年に中国に追い越され、今回2023年にはドイツにも追い越されて世界4位になっている。因みにインドが急速にGDP大国に成長しつつあり、現在世界第5位の3兆7,322億ドルであるが、2026年に日本を追い越し、さらに2027年にはドイツもしのぎ世界3位になるとIMFは予測している。

 

 名目GDPの世界5位から10位までは英国、フランス、イタリア、ブラジル、カナダでありGDP額は2兆ドルを超えている。これら10カ国のGDP合計額は全世界の3分の2に達しており、世界の富は一部の国家に偏在していることがわかる。

 

 11位以下にはロシア、メキシコ、韓国、オーストラリア、スペインと続きインドネシアは16位、トルコ17位、オランダ18位、サウジアラビア19位(1兆694億ドル)であり、20位以下の各国は1兆ドル未満にとどまっている。

 

(急速に伸びる米国と中国、停滞する日本!)

5. 主要国の2000年~2028年の名目GDPの推移 

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-06.pdf参照)

 IMFデータベースによれば2000年から2028年までの主要5カ国(米国、中国、ドイツ、日本、インド)の名目GDPの推移は以下の通りである。

 

 2000年の名目GDPが世界で最も多かったのは米国であり、唯一10兆ドルを超えていた。米国に次ぐGDP大国は日本で米国の2分の1弱の5兆ドルであった。ドイツは日本の半分以下の2兆ドル弱であった。中国及びインドのGDPはそれぞれ1.2兆ドル、5千億ドルであり、日本との格差は非常に大きかった。

 

 その後、米国は現在までGDP世界一を続けている。米国を凌ぐスピードでGDPを拡大してきたのが中国であり、2005年には2倍、2010年には5倍、2017年には10倍に膨張、2023年のGDPは2000年の15倍に達している。この間の米国の伸び率は2.8倍であったことから、米中両国のGDP格差は大きく縮まった。

 

 これに対して日本のGDPの伸びは小さく2012年の6.3兆ドルをピークに、それ以降はむしろGDPが縮小、2023年のGDPは4.2兆ドルにとどまり2000年のGDPを下回っている。この結果、2010年には中国に、2023年にはドイツにも追い抜かれる状況であり、さらに2026年にはインドが日本を凌ぐと予測されている。

 

以上

 

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     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 


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