(英語版)
(アラビア語版)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(37)
第14章 「国境の南」作戦(1)砂漠のアザーン(2/2)
今や王族の大半は都会暮らしであるが、それでも砂漠に戻ればベドウィンの視力と聴力は他の追随を許さない。それは王子が飼っている鷹と同じ程の能力なのである。と言うよりベドウィンを「砂漠の鷹」と呼んだ方が相応しいのかもしれない。
王子の耳に遠くで唸るような音が聞こえた。普通の人間なら幻聴と片付けるほどのかすかな爆音であるが、彼はジェット戦闘機の音だと確信した。傍にいる部下たちも聞き逃さなかった。その時間帯はベイルートからドバイに向かう定期便が上空を通過する時間であったが、王子と彼の部下は戦闘機と民間ジェット機の音の違いを聞きわけることができる。
王子は腕時計で時間を確かめた。いよいよ「国境の南」作戦に入る時が来たようだ。王子と部下の上官たちは足早に司令官室に向かった。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
(アラビア語版)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(37)
第14章 「国境の南」作戦(1)砂漠のアザーン(2/2)
今や王族の大半は都会暮らしであるが、それでも砂漠に戻ればベドウィンの視力と聴力は他の追随を許さない。それは王子が飼っている鷹と同じ程の能力なのである。と言うよりベドウィンを「砂漠の鷹」と呼んだ方が相応しいのかもしれない。
王子の耳に遠くで唸るような音が聞こえた。普通の人間なら幻聴と片付けるほどのかすかな爆音であるが、彼はジェット戦闘機の音だと確信した。傍にいる部下たちも聞き逃さなかった。その時間帯はベイルートからドバイに向かう定期便が上空を通過する時間であったが、王子と彼の部下は戦闘機と民間ジェット機の音の違いを聞きわけることができる。
王子は腕時計で時間を確かめた。いよいよ「国境の南」作戦に入る時が来たようだ。王子と部下の上官たちは足早に司令官室に向かった。
(続く)
荒葉一也
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