III. 過去2年間の四半期業績推移
ここでは2020年10-12月期以降2022年7-9月期までの8四半期の業績推移を比較する。
(過去8期累積で2,540億ドルの利益を稼ぎ出したアラムコ!)
1.純利益の推移
(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-62.pdf 参照)
2020年10-12月期はコロナ禍の影響でIOCs5社はExxonMobilが巨額の損失(▲225億ドル)を計上、Shell及びChevronもマイナスであり、bp(+14億ドル)及びTotalEnergies(+9億ドル)の利益水準も低かった。このような中でアラムコは140億ドルの利益を確保している。
続く2021年1-3月期はIOCs各社の業績も回復しShellが57億ドルの利益を計上したほか、全社がプラス決算であった。アラムコは安定した業績で利益は前期を大きく上回る217億ドルに達した。
直近8四半期の損益状況の推移を見ると、アラムコの利益は高位安定しているのが特徴で、前期(2022年4-6月期)までは毎期大幅増益であった。今期(7-9月期)は若干減益になったものの2021年1-3月期利益の2倍に達している。
これに対してIOCs5社のうち毎期安定した利益を計上したのはTotalEnergies1社だけである。ExxonMobil及びchevronも2021年1‐3月期以降は安定しほぼ毎期増益基調である。一方Shellは損益のブレが大きく、bpは8期中3期がマイナスであるなど安定していない。
因みにIOCs5社の損益合計額とアラムコ1社の損益を比較すると、8期間の累積損益ではアラムコは2,540億ドルの利益を稼ぎ出したのに対し、IOCs5社の累積利益はその7割弱の1,680億ドルにとどまっている。この間の四半期平均利益額はアラムコの318億ドルに対しIOCs5社は210億ドルである。
(続く)
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