2. 2024年~2026年のGDP成長率
主要な経済圏並びに国家の昨年(実績見込み)、今年(予測)及び来年(予測)のGDP成長率の推移を見ると以下の通りである。
(3年間、世界は3%台前半、ASEANは4%台後半の成長率続く!)
2-1主要経済圏
全世界の3年間の成長率は3.2%(2024年)→3.3%(2025年)→3.3%(2026年)と3%台前半の成長が続くと見込まれている。コロナ禍のような大きなマイナス要因がなく、一方でかつての中国のように世界経済を大きくけん引する国も見当たらないことが成長率を停滞させると見られる。
主要な経済圏を見ると、EU圏は0.8%(2024年)→1.0%(2025年)→1.4%(2026年)と極めて低い成長率で推移すると見込まれている。長引くウクライナ紛争が影を落としており、EUの中核であるドイツ経済が高止まりするエネルギー価格の響を受け停滞していることが原因と考えられる(下記2-2参照)。
ASEAN5カ国の成長率は4.5%(2024年)→4.6%(2025年)→4.5%(2026年)であり、世界平均を上回る成長率を維持する見通しである。中東・中央アジアは産油・ガス国が多いが、世界経済の回復の遅れ及び長引くウクライナ紛争の影響を受け昨年(2.4%)は低成長を余儀なくされたが、今年(2025年)及び来年(2026年)は世界平均を上回り、それぞれ3.6%、3.9%の成長率となる見込みである。
(3年間低いままのドイツと日本!)
2-2主要国
米国の昨年の成長率は2.8%であったが、今年(2.7%)、来年(2.1%)と連続して成長が鈍化する見通しである。昨年▲0.2%のマイナス成長であった日本は今年1.1%のプラス成長になるものの、来年は0.8%と3年間は低い成長率が続くと予測されている。ドイツも同様であり、昨年の▲0.2%から今年は0.3%、来年1.1%と低成長が続く。
中国の3年間のGDP成長率は4.8%→4.6%→4.5%であり、世界平均を上回るものの高成長への復帰半ばである。ロシアの見通しは3.8%→1.4%→1.2%であり、長引くウクライナ紛争により成長率が連続して落ち込むものと見込まれている。ロシアと並ぶ産油国であるサウジアラビアの3年間の成長率は1.4%(2024年)→3.3%(2025年)→4.1%(2026年)である。油価がある程度安定的に推移し成長率が改善すると見込まれている。
各国が低迷する中でインドの成長率は3年間を通じて6.5%を維持し、世界平均を大きく上回る見込みである。中国に代わり同国が世界経済の牽引車と目されている。
以上
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます