たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

紀伊半島の旅(その10) 一枚岩から滝の拝へ

2016年04月11日 | 
14日はちょっと面白い峰の山に登る予定でした

しかし13日、千畳敷へ行ったあと天気は急変し雨が降り出してしまったのです

仕方なく山は諦めて串本へ向かいますと車窓に雨滴が・・・無い

もしかしたら・・・一縷の望みを託して・・・・・これは行くっきゃないでしょう

R42からR371に入り名勝一枚岩に向けレッツゴーです










しかしそうは甘く有りませんでした

明けて14日

目覚めると雨は昨日より勢いを増し山には雲が低く垂れ込めているでは有りませんか

非常に滑りやすい山で有ると聞いておりましたので、これではどうしようも有りません


早起きの雄さんが幻の滝を見つけたと駆け寄ってきます

道の駅でトーストのモーニングセットを戴きながら店員さんに尋ねますと

岩の上に池が有り雨で増水すると落ちるのだと教えて下さいました

まさに雨が降る日しか見られない幻の滝

雨降って運が良いのか悪いのか・・・

明日、出直そうか諦めようか・・・答えが見つかりません

コーヒーを飲みながらパンフレットに目を向けますと

近くに興味をそそる滝が写真入りで載っていました

滝の拝です


和歌山の旅は驚きの連続

20万分の一の地図にも載っていない山奥の名瀑と言って良いでしょう

お決まりの土産屋も無く川に沿って数件の民家が並んでいるだけ

訪れる人の姿もない仙境の地です








(本流の右に魚が遡上出来る仕組みも見られます)

怒涛の如く流れ落ちる水は橋を境に静まり

浸食された深い淵を緑色に変えて流れ下って行きます









川に下りた雄さんは石の上は良く滑ると言っていました

しかし何と表現したら良いのでしょう

水と岩とが織りなす妙とでも言えば良いのでしょうか




こんな所で滑っては只では済まないと思った私は橋の上から無数の穴が穿たれた岩礁を捉えました

水流により流された石が回転し窪み部分を削って出来るポットホールがアチコチに見られます

群馬県の四万温泉を流れる川でもこの現象は見られるのですが近くに居ながら

其れを見たのは初めてでした










里の景色も長閑です

桃が咲き白木蓮が咲き春らしい空気が満ち満ち

流れる古座川は如何にもゆったりと蛇行を繰り返していました


山桜が車窓に飛び込んできました

もうこんな季節になったんですね

山は残念でしたが今日は思いもかけない出だしに満足、串本へと車を走らせます


R42に出、本州最南端の標識を見つけた私達は迷わずハンドルを右に切りました

続く


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紀伊半島の旅(その9) 白浜海岸・千畳敷と三段壁

2016年04月09日 | 
続き


R42をひた走り次の目的地千畳敷に着いたのは2時を少し回った頃でした

駐車場無料の看板につられて車を駐車場に置き「さて」と歩き出しますと

駐車料金受け取りの建物が出口に設置されているではありませんか

こちらには「1000円以上の土産購入で無料」と書かれております

周辺の駐車場を見ますと、どこも同じ形式です

いらない土産を買うのもバカバカシイ

「いや、観光バスも来る景勝地ならば絶対、無料駐車場が有るはずだ」

そんな時の行動は早い雄さん

やはり千畳敷入口に有りましたね








「ワッ、凄い」それが第一声でした

砂岩からなる広大な岩盤が緩いスロープを描いて太平洋に向けて突き出しています

この柔らかい岩は第3世紀層の砂岩から成り立っていると言う地質学的に貴重なものであるにも関わらず

みんなで渡れば怖くない心理か「記念の落書き?」が目立つのが美観を損ねておりました








実は千畳敷と言うので私は平らなイメージを想像しておりましたが

ここで言う千畳敷とは畳を幾重にも重ねた様に見える事でその名が付けられた様です

長い間、波の浸食により形成された姿なのですね






波が作り出した造形美と言いましょうか

岩肌の模様や甌穴もまた楽しからずやです

ここ一ヶ所にはアオサやヒジキも見られました

荒涼とした景観の中のオアシスかな?








私達は牛若丸になった気分で岩から岩へと飛び移り進みます

場所を変える毎に表情を変える岩盤はまるで異次元を彷徨っている様でした




ここにも有りました、東尋坊を彷彿とさせる断崖絶壁の入り江

思わず足が竦みました

それでもジリジリと先端近くまで行きましたが、ここが限度かな!

もう一つの名称三段壁は車で数分先です


イカやサザエを焼く香りが漂う路地を過ぎると桜が迎えてくれました

三段壁はその直ぐ先です




高さ約50mの断崖は千畳敷とは趣の違った勇壮な景観でした

約2K続くと言う岩壁に打ち寄せる波の縁取りが美しさを添えています




ここも深い入り江になっておりスリルを求める若者たちの姿が見られましたが

ここへ行くには入り江まで降り登り返さねばなりません

若くないんだから・・・そんな声が聞こえた気がして・・・

無数の穴はコウモリの生息地

遊歩道が有り探検も出来るらしいのですがコウモリはどうも苦手でして・・・


行きに生唾を飲んで我慢したサザエ

寄らずしてどうしましょう

一つ350円、美味しかったです~

続く


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紀伊半島の旅(その8) 安珍清姫の舞台・道成寺から日の岬へ

2016年04月07日 | 
続き


ここは道成寺

能や歌舞伎、文楽、長唄で知られる安珍と清姫の物語で知られる寺ですね

この安珍と清姫の物語

室町時代、猿楽の観世小次郎信光が鐘巻を切り詰め

再構成したと言われる女の執念を描いた作品で有る事は、あら筋は省いても皆さん、ご存知ですよね

勿論、物語の世界ですから実際に有った事では有りませんが

それを、踏まえつつも人間(私)とは可笑しなもので

あたかもここに安珍と清姫が実在していた世界を作り上げようとしてしまうものです




寺と言いますと七不思議が付きものの様です

この階段がその不思議の一つ

62段の石段は参謀者の為に上り下りが見た目、楽なように遠近法を用いたカラクリが仕組まれています






この寺は天台宗、第五番札所で大宝元年(701)に天皇の命により紀道成が建立されたものだそうです

国宝で有る千手観世音菩薩は33年に一度の御開帳の時でしか姿を現しませんが

写真の千手観音は本尊ではなくお前立の仏像で国宝の秘仏はこの奥に大切に安置されているのだとか

これは七不思議の二つ目




この三重の塔が不思議の三つ目




女の一念 岩をも通す

出ましたよ

女性は一見 か弱くも執念深さを奥に秘めている・・・裏切られた時の恨みは恐ろしいのだよ

名誉の為に・・・私は当てはまりません

四つ目の不思議でした




その鐘が有ったのが五つ目の不思議、この場所でした

焼け跡に植えられた桜は「入相桜→いりあいざくら」で初代の桜が台風で倒れたあと

根もとから自生した2代目なのだそうです




これも不思議と言うのでしょうか

でも・・・六つ目の不思議なんです


この像は念仏堂に安置されている阿弥陀如来です

やけに髪が長いぞ!

まるでアフロヘア―だねぇ

実は長い瞑想を続けたため伸び放題になったんですって

リアルな演出です事ね

最後七つ目の不思議に気付かなかったのは夜に判明するんですって・・・でもねぇ




時刻は昼時になりました

食堂を探して歩いていますと手編みで帽子を編んでいる(売り物)奥様

孫が帽子が欲しいと言っていたのを思いだし一つ購入

暇に任せて編んでいるからと500円のところ450円にして下さいました

そして入ったのは「あんちん」という食堂

写真の女将さん、80歳を超えているのに手際よく店を仕切っています

「食事も美味しかったし女将さんの所作が気持ち良かった」と帰り際、雄さんが言いますと

「嬉しい事を言ってくれるじゃ有りませんか」と満面の笑みで見送ってくれました

  



次に私達が訪れたのは日の岬です

この灯台は内田稲人(ホトトギス派の俳人)が戦後の物資不足、

妻や三女の死亡にもめげず守って来たという灯台です

ここには「妻、長女 三女の千鳥 飛んで来よ」という高浜虚子の歌碑が寂しく建っておりました




近くの小高い場所にクヌッセンの遺徳を偲んで建てられた胸像が有りました

命がけで日本人を救助しようとして命を落としたデンマークの機関長です

此処へ来るまで私の知らなかった歴史でした

  

脇に階段が有り登り口に「アメリカ村資料館」の立札が立っています

上に行ってみますと長い事閉ざされた遊園地と資料館が寂しく放置されていました

何時頃まで稼働していたのか・・・鉄は錆び何処か哀れな遊具でした


丘に点在する家々がアメリカ村

このユニークな名前のアメリカ村に関しては旅に出る前に興味を惹かれ下調べ済みです

ここ三原村三尾の村民が漁業の争いに負けて海での生業が難しくなり

生きる為に国外脱出を考えたのだそうです(アメリカ村と言っても実際はカナダへの移住)

現在も村民の30%が移民し此処に建てられているのは移民帰りの人達で

建物や生活様式は洋式で話す言葉も英語と日本語ゴチャマゼだと言いますから面白いですよね






半島を出る前に潮吹き岩が有ると言うので

来る時に見逃した看板に注意しながら・・・有りました

舗装路から右側が切れたった道を下りて行きますと岩礁の間から吹き出す潮

と言いましても今日は凪いだ海でしたので1mほどの高さがやっと

荒れた日、限定の潮吹き岩なんですね


R42に出、南高梅の里を通り次の目的地へと走ります

続く

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閑話休題(その2)  卯月の雨 また楽し

2016年04月06日 | 

4月5日、群馬は冷たい雨の一日でした


こんな日だからこそ冴える花

塞ぐ心を明るくしてくれます


今年も

咲いた咲いたチューリップの花が・・・


タラの芽さん、タラの芽さん

大きく大きく大きくなーれ

大きくなってテン〇〇になーれ


舞台の袖からプリマドンナ登場

踊るは「ハーブの舞・第2幕」

指揮→taka  演奏→minowaフィルハーモニー




(苺 )    イカリ様、雨が・・・

(イカリ)   春雨じゃ濡れて参ろう


「ヒョウモンチョウ」を取るか「ノジスミレ」を取るか

迷いに迷った此処の主

「その姿にヒヤヒヤしましたわ」とノジスミレ


ちびくろサンボく~~ん

「ハイ


柔らかに 花抱えたる 菜種梅雨 (パンダ)


雨の中の遊糸

100分の1色の灯りを弄ぶ蜘蛛の糸です 

(色と言う明りの単位なんてのが有ったっけ)

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紀伊半島の旅(その7)由良町 白崎海岸と興国寺

2016年04月05日 | 
3日目

「凄いぞ、世界が真っ白だ」

未だ陽の登らない幾らか明るみを帯びた白崎海岸

眠い目を開けて化粧もせず外に出ますと

[真っ白だ]は雪では無く白い岩が・・・

昨夜は真っ暗でしたので分かりませんでしたが、私はこの白い岩に抱かれて眠っていたんですね






朝が早いと鳥たちも活発な様です

その頃、私は夢うつつでしたが雄さんは頭が紫の珍しい鳥を見たと言っていました






「あんな所に階段が・・・」

「これはアシタバか?」

「カッパドキアの風景みたいだな」

「氷山にも見えるし・・・」

特異な景観をに昂揚しながら上を目指しますと




そこは展望台になっており波静かな太平洋の海原が、、、

入り組んだ入り江が、、、

薄っすらと淡路島や四国が、、、

なぎさ百選に選ばれた所以が頷ける絶景を目の前にした私達はその場を暫く離れられませんでした


氷山の先端に朝日が昇り時刻は8時半を回りました

立ち去り難い海岸を後に向かったのは興国寺

門柱に味噌、醤油の発祥の寺と刻まれています

寺の奥さんの話によりますと

鎌倉時代、修行のため中国に渡った法燈国司が経山寺(きんざんじ)での修行の傍ら味噌の製法を習得し

日本に持ち帰り保存食として作ったのが始まりであり

醤油は味噌が生まれる過程で見つけたのが始まりだそうです

昨夜の食堂で聴きましたところによれば

普化尺八を広めたのも、この寺なのだとか










未だ時間的に早かったせいか訪れる者も居ない参道にはキリッと空気が張りつめていました

境内を掃き清める端正な顔立ちの次期住職さんに挨拶をし門を潜りますと

落ち着いた法堂の佇まいが更に身を引き締めます






この興国寺、源実朝の菩提を弔うため建立されたとの事です

後鳥羽上皇、源実朝、北條政子、紀州藩士の位牌等々が祀られている事からして

かなり格式の高い寺である事が分かりますね


一寸、珍しい桜を見つけました

雌しべが以上に長いこの桜は

ちょうど居合わせた住職さんに尋ねますと「実がなる桜なんですよ」と教えて下さいましたが

どうやら名前までは知らない様でした

実がなると言えば「さくらんぼ」の木

でも、花形が違う様な・・・


もう一つ、この寺を世に広めているのが「天狗」

興味深かったのは古くから伝わる伝説でした

火事で再建に困っていた伽藍を上州、赤城山の大天狗が一夜にして建立したと言うのです

迦葉山の天狗の事を知っていましたし、こんな所で群馬と繋がりが有ったとは驚きでした


門の脇の小さな土産コーナーを覗いてみます

何故か栃木産




(金山寺味噌と南天九猿の置物)

この二つを土産としましたが下の写真の南天九猿は

南天の船に九匹の猿が乗っている、すなわち難を転じて苦を持ち去るという縁起物です

余り縁起は担がない方ですが可愛いのでお味噌と一緒に土産としました


法事が行われると言うお忙しい中、忙しぶらず対応して下さった事に感謝し

興国寺を後にしました

(追)・・・この寺には四季を通じて祭りが行われますが

        特に盆の火祭りは盛大で一見の価値が有りそうです

      また訪れる機会が有れば良いのですが

続く

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