15年ぶりに甦る『不思議惑星キン・ザ・ザ』予告編
なんと、あの「キンザザ」がまさかのデジタルリマスター版になって再登場!
のうえに、映画館で公開!だっ!!
・・・というニュースを聞いたのは昨年だったのですが、公式サイトを見たら上映館はいずれも都市圏で1,2館、しかもレイトショーで一回、とかいう感じの上映だったので、ダメだろうなぁ、諦めていたらなんと、静岡でも公開してくれるじゃないですかっ!!
一日一回だけですが^_^;
でも、これなら見に行けるぞっ!!
ってわけで、今日行ってきました。
キンザザは1987にソ連で公開されたSF(?)映画です。
同じ頃に、アメリカのハリウッドではスターウォーズのEp.4が公開されて日本でも大ヒットしていたわけですが、その同じ頃鉄のカーテンの向こう側では、こーんな映画があったんですね!
このキンザザもソ連圏では大ヒット!!したのですが、日本公開は1989年、ロードショウとしてではなく、映画祭での上映だったとか。
しかし、見た人々は「語らずにはいられない」というタイプの映画でして、それでカルト化し、「その世界では超有名」な映画の1本となっているわけでございます。
私は、一度劇場で見たような気もするが、覚えてるのはDVDでって事なので、今回はかなり新鮮な気分で大きな(TV画面に比べれば・・・)スクリーンで「クーっ」が見られるよっ!ってわけで喜び勇んで行って参りました。
まずはなんか画面が明るいよっ!!クリアーだよっ!!で、びっくりしました!!
なんか、写真のプリントが絹目プリントで見ていたのが急に光沢プリントになった!!って感じかな?(今でも絹目プリントってあるのかなぁ?)
やっぱり、ちまちまDVDでとぎれとぎれで見るより、一気に見た方がのめり込めていいねぇ。
あの不条理な世界を受け入れるためには、やはり一気見の方がよろしいかと・・・
スターウォーズは、今では古典的でスタンダートとなってるけど、その底辺には中世騎士物語や黒澤映画の影響も受けたりしてて、さらにSW自身が次に続く映画の試金石みたいな感じな位置づけにもなってるような気がするが、それに比較すると「キンザザ」は唯一無二!!って感じです。
なんの影響も受けていない(いや受けているけど私が知らないだけかも)し、それを真似する事も似たような作品を作る事も難しい・・・(オマージュ的な作品はありますが)っていうタイプの映画。
正直、私はSWよりキンザザを推すけどな(爆)
この映画、「これは何?」「これはどういう事?」みたいは理屈っていうかプロットというか、そーいうのが説明不可能なんですね!
とにかく「見ろ!見て感じろ!それだけが真実だ・・・」っていう感じの映画。
おそらく、かなり当時のソ連の社会主義の世界の比喩が含まれているように思うんですが、それを100%理解するのはかなり難しいと思います。
ただ、そういう比喩は置いといても、いきなり不条理な一般市民的常識がまったく通じないまったく価値観の違う世界に放り込まれても、ギリギリのところで自分の身よりも義理や人情を基本忘れない主人公(?)のおじさんに感動する、っていうのが素直な感想なんでしょうが、さらに私はついつい穿ってしまって、「そう思わせる事で、政府の検閲の目を誤魔化すためにそういう不変的な「善」的行動を見せているというだけであって、実際は社会批判風刺の方を不条理に隠して見せているというのを悟らせないためではないか?」と、裏の裏を読んでしまうのでありました^_^;
ロシア人、というか当時のソ連人を語るのには「二枚舌」という概念が欠かせないと、誰かが本に書いてましたが、この映画もまさしくソレだったんじゃないかな?とかと思ったりしてね。
直接、社会や政治批判出来ないので、間接的に裏の裏を読むと見えてくるっていう手法でねぇ。
当時ソ連で大人気になったのも、その裏の裏をソ連人なら読めたからなんじゃないかな?とかと思ったりして。
で、この映画、日本語字幕作成が太田直子女史なんですが、なんと昨年お亡くなりになったそうでして!
知らなかった~、まだお若いのに・・・
彼女の本、翻訳や字幕関連の本数作読みましたが「なるほどねぇ・・・」と、その苦労っぷりは判りました。
ただ、「ロード・オブ・ザ・リング」字幕、誤訳レベルの大間違い字幕の件については、その字幕作ったT女史擁護のためのガセネタを流してくれた恨みはありますがね~(苦笑)
でも、後日、その誤りを認めて業界新聞で訂正はしてくれていました。
いつか、新しい自身の著作で、一般読者にも向けてしっかり訂正してくれる事を望んでおりましたが残念ながらそれは叶わなかったんですねぇ・・・
ご冥福をお祈りします・・・
で、キンザザ、パンフは無かったので缶バッチ買ってきました~。
そしたら、ポストカードもらったよ!!!
くーっ!!!!