IAEAの専門家グループは北朝鮮の要求により国外へ退去した。
これに関連してロシアの声の評論委員は、次の様にコメントして
いる。
北朝鮮は退去勧告以外にもIAEAの専門家グループに対し、同機
関とのあらゆる協力を即刻停止すると通告していた。
北朝鮮は今月5日に通信衛星を搭載したロケットを打ち上げたが、
国連安保理がこれを批難する議長声明を採択したことを受け、同
国の核問題に関する6ヵ国協議から脱退する意向を示していたが、
さらに今回のような決定が下されることになった。
また北朝鮮は6ヵ国協議からの脱退に加え、自国の核プログラム
を再開させ、自国の力で軽水炉を建設する意向を表明した。
まさに国際的な(?)の援助によって1990年代末に、北朝鮮東部に
この様な軽水炉が建設された。
また6ヵ国協議の過程ではヨンビョンにある、実験センターの原子
炉解体を含む北朝鮮の核プログラム凍結に関する合意が達成さ
れていた。
つまり現実的かつ具体的な解決法にまで至っていた。
ご存知のように2003年8月から始まった6ヵ国協議にはロシア、北
朝鮮、韓国、中国、アメリカ、日本が参加してきた。
残念ながら昨年末に北朝鮮の核プログラムリストの参加方法に対
して、アメリカと北朝鮮が合意することが出来なかったことから、事
実上6ヵ国協議は袋小路に陥ってしまった。
さらに日本と韓国は北朝鮮の核プログラムを停止するのと引換えに、
北朝鮮に対し発電所用の燃料を供給するという自国の義務を拒否
した。
そして今度は北朝鮮が核プログラムを再開させようとしている。
しかしこれは北朝鮮政府にとっては、非常に困難な課題だろうと考え
ている専門家も多いようだ。
例えば韓国では北朝鮮は軽水炉建設のための、十分な財政的資源
を持っていないと考えているようだ。
韓国統一省のテカ氏は軽水炉建設は、弾道ミサイルの開発や発射よ
りも10倍の費用は掛かるもので、北朝鮮は現在、自国の力のみでこれ
を行える状態には無いとの見解を示している。
この問題に付いてロシア科学アカデミー世界経済国際情勢研究所の、
国際安全保障センター所長は、それにも関わらず韓国は北朝鮮の核プ
ログラム再開に強い懸念を抱いていると語り、さらに次の様に続けてい
る。
「北朝鮮は100万強の兵士からなる大規模な軍隊を持っており、韓国の
ソウルから数十キロの所に駐留している。
またソウルは大砲の射程距離にも入っている。北朝鮮は短距離ミサイル
など全てを備えており、韓国を人質にとっているようなものなのだ。
戦いを避けたいのであれば大変困難な、そして長い時間を要することに
なるだろう」
国際安全保障センター所長は、この様にコメントしている。
北朝鮮がIAEAの専門家グループを国外退去させ、自国の核プログラムを
再開させようとしている問題に付いては、ロシア外務省も声明を表してお
り、ロシアがIAEAと接触していることを明らかにしている。
ロスアトムのキリエンコ長官は、北朝鮮が軽水炉建設の意向を示すので
あれば、ロシアは如何なる協力もせず北朝鮮とは如何なる話し合いの場
も持たないつもりであると述べた。
またロスアトムはIAEA加盟国及び核不拡散条約調印国とのみ、協力を行
っていく構えを示している。
※(?)は聴き取れず
4月17日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル