1010 Radio

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関係正常化に向けて一歩を踏み出したアルメニアとトルコ

2009-04-27 | ラジオ
アルメニアとトルコが二国関係史の暗いページを、過去のものにしよ
うとしている。
アルメニアとトルコは両国の関係を、正常化させていくことで合意した。
この合意がオスマントルコによる、アルメニア軍虐殺の犠牲者を悼む
記念日の、一日前になされたことは特に強調的だ。
アルメニアとトルコそして二つの国の国民は、第一次世界大戦中に行
われた、オスマントルコによるアルメニア人虐殺によって、引き裂かれ
ていたのだ。

24日、世界90ヶ国のキリスト教会でアルメニア軍虐殺犠牲者を悼む祈
とうが行われている。
1915年の4月24日、第一次世界大戦で、かつてドイツと同盟関係にあ
ったトルコで、アルメニア人を虐殺強制移住させるための、大規模な作
戦が開始された。
20世紀初頭オスマン帝国には、200万人を超えるアルメニア人が住ん
でいた。
しかしキリスト教徒であるアルメニア人との共存は、反トルコ主義のイ
デオロギーとは相容れないものだった。

しかもロシアとの戦争で苦戦を強いられていたことから、オスマン帝国
指導部はロシアに協力しているとしてアルメニア人を非難し、その結果
アルメニア人の虐殺が始まった。
これにより約150万のアルメニア人が殺害され、残ったアルメニア人も世
界各地に分散することとなった。

アルメニア人の虐殺は人類に、大切な教訓を与えてくれたと語るのは、ロ
シアの歴史学者アレクサンドロフ氏だ。
「第一次世界大戦後、西側諸国の外交官達は、このアルメニア人虐殺の
事実を無かったものとしていた。
アルメニア人たちは悲しい歴史を認めさせようと手を尽くしたが、その主張
は否定された。
その結果ヒトラーが政権に就いた後、ヨーロッパでも様々な民族に対するジ
ェノサイドが繰り返されるようになったのだ。
これは外交においてダブルスタンダードは許されないと言う、もう一つの教
訓を示すものとなったのだ」
ロシアの歴史学者は、このように述べている。

一方アルメニア人虐殺や、ナチスドイツによるユダヤ人虐殺を承認する西側
の多くの国々が、21世紀に起こったジェノサイドに付いては、それを非難する
勇敢さを持ち合わせていない。
例えば昨年8月に、グルジアがグルジア領の一角を占めるオセチアを侵攻し
たことに対してもだ。
そしてグルジアを平和に向かわせるために、断固たる行動を取ったのはロシ
アだけだった。
そしてそのその行動が、南オセチアの人々を絶滅から守ったのだ。カフカスの
安定は今後も強化され、それによって地域発展の方向性も定まっていくだろう。

アルメニアとトルコが関係正常化に向けた(?)で合意しことは、それを証明する
ものだ。
トルコはアルメニアに対し、アルメニア人虐殺の事実を、世界に認めさせるため
の行動を止め、アゼルバイジャンと対立関係にあるナゴルノカラバフを支援する
のを中止するよう求めている。

この二つの問題はアルメニアとトルコの、関係改善の障壁となっていたもので、
両国はこれからもこの問題に直面していくことになるだろう。
しかし両国は国交樹立に向けた道を歩んでいくことを決意している。
新たな歴史のページを作っていこうとする、両国の前向きな意思を実現させるた
めに必要なのが、隣人、パートナー、同盟国の積極的な助けだ。

そしてロシアはこのプロセスを進めていくに当たって、自らの役割を果たしていく
意向だ。

(?)は聴き取れず

ジェノサイド論

前田 朗
青木書店


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4月24日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル