★Massy’s Opinion
*ビッグ・モーターの事件は、終わる事を知らず、次から次へと問題が出てくる。大臣まで出てくるのだから、事態の収拾はどうやって着けるのだろう...
中古車業界の地位は如何なって行くのだろう?
僕は、生まれつきの自動車屋、自動車販売の中枢の仕事をやらせて戴いて特に中古車は5年間、部長をやらせて貰った。メーカーは新車を作る事が最重点、この考え方を、「中古車の流通までを考えた車造り」迄ボトムアップには、相当な新しい事に取り組んだ。ダットサン112型から910型まで、ブルーバードと共にである。
ディーラーはサービス、中古車、で固定費の80%を賄える体質にして置かなくては駄目である。新車に頼って居たのでは、モデルの当たり外れも在るし、安定した経営は出来ないのである。1958年頃、「Automobile Dealer」と言う米国の本に出て居た。
*拠点別経営体制
自動車の販売店は、日本では1960年代の急速な自動車の需要に支えられて供給体制も急速に広がった。その為に、本店、又は支店、営業所の様な組織に成って行った。こう言う形の中では拠点長の役割は大きい。僕が、中古車部長に成った時には、一番に拠点長の教育に取り組んだ。従来は管理のベースは、「台数」だけであったが、それを「金額」管理に変えたのである。確か、13位の販売所があったが、半分の所長を集めて泊りがけで自分の販売所の予算を組ませた。経理部出身の男が居たが、流石、解りが速く助かった記憶がある。ビッグ・モーター全社長にはこう言うことは出来ないだろう。だから指示はlineを使った酷い言葉の乱発になるだろう。
*商品化
中古車の商売では、店頭には、顧客の目を引くような車を並べる事が必要だ。ディーラーの場合は下取り車が、これのベースになる。そして、どの位の「手」を掛けたら良いか?も大事な判断になる。ビッグ・モーターの様に300もの拠点長のレベルを揃えるのは大変である。
*オークションへの出品体制確立
長期在庫は必ず生まれてくる。どんな商売でも生まれてくる。今では、オークションが発達して居るのでオークションの相場も頭に入れて、そして、在庫回転を常に念頭に置かなくてはならない。
*その他に主な事では次のような事が必要である。
・査定価格の透明化
・解体車の部品有効利用
・中古車の発展途上国への輸出
・保険業務の知識
*保険会社との関わり
これは実際にあった話である。一つは「伊勢湾台風」凄く大きい台風で東海方面では大きな被害が出た。日産自動車の吉原工場で約300台位の出来上がったブルーバードが砂埃の被害に遭い、外装面がサンドペーパーを掛けた様になったのである。新車として売れるか如何か?判定をして呉れと言われて吉原工場に行った。メーカーの品質基準は相当に神経質だった。当時は、新規登録には車体番号とエンジン番号の拓本(石刷り、正副、1台につき2枚必要、この後、カーボンを使っても良い様に、法改正をして貰った)が必要で、126台二人で撮った事がある。1970年頃、ワーゲンポルシェと言う車があった。2ドア――のスポーツカーである。輸送船で事故が起り、約160台位が半分水につかり、ある保険会社が引き取った。そして、それを中古車屋に流したのである。目先の利く中古車業者で全数保険会社から買い取り、それを全国の中古車業者に卸したのである。兎に角、人気の車種で有りその一括買いをした業者はチエーン店を大きくしたが、ビッグ・モーターの様ではなかった。
海外にも進出し、店の数も自分のコントロールができる範囲の拡大だった。
これから如何いう形で始末をつけるか?より良い中古車業界になる様に、多くの人に知ってほしいと願っている。
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