TakaPの数学日記

数学を教えていて感じたことや日常の感想などを記録しました。

ターレスの定理の発展8 円周角の定理へ

2015年06月26日 02時56分15秒 | 数学


点Pがそれ以外の位置にあるとき、すなわち∠APBの辺APかBPが中心角∠AOBの辺OAやOBと交わる時は上の理屈は
あてはまらない(下図)


教科書では下図のように補助線POを引き、円との交点をCとして、



∠APB=∠APCー∠BPC

ここで
∠APC=∠AOC/2
∠BPC=∠BOC/2
であるから

∠APB=∠APCー∠BPC=∠AOC/2ー∠BOC/2=(∠AOCー∠BOC)/2=∠AOB/2

これより
∠APB=∠AOB/2 を導いている。

これが結構生徒には分かりにくい。
ではどうするか。
授業では、上の分かりにくい説明はカットし、とりあえず円周角は中心角の半分と教える。
同じ弧に対する円周角は一定であると認めさせる。これでだいたいの生徒はOKである。
なぜならこの頃は1月で受験待ったなしなので、難しいことを考えるより、問題演習で正解を
出した方が良いからだ。数学教育からは離れているが・・・。

それで個別指導で、つまづいている生徒には次のように教えた。(下図)


APと平行にBから平行線を引いて円との交点をCとする。OCとOBを結んでおく。
平行線の錯角は等しいから
∠APB=∠PBC である。

ここで∠PBCは∠POCの半分と分かる。∠PBCの辺と∠POCの辺が重なっていないからだ。

ところで、APとBCは平行だから円の対称性によって、弧ABと弧PCの長さは等しい。
(これは結構認めてくれる。証明しようと思えばできる)
よってその中心角は等しいから
∠POC=∠AOB

したがって
∠APB=∠PBC=∠POCの半分=∠AOBの半分

実際の演習問題の中では角度が明示されているから、上のような平行線を引いてやって、角度を示して
説明し定着を図れば良い。

一応終わり。

コメント
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