イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

行かなくってよかった。。。

2012年03月30日 | Weblog
朝起きてみると風がまったくなかった。天気予報では波が後に3メートルでおまけに強い南風が吹くということだったので、今日行ったら去年の二の舞だと思って我慢したのだ。

天気のよい休みの日に家でグダグダしているとどうしてだか罪悪感が芽生える。今日もひょっとして行けたのではないかと思うと無性に悔しくなる。
しかし、残っている会社の仕事をパソコンの前で片付けていた午前10時前、急に風が吹き始めた。やっぱり行かなくてよかった。今日は危険だ。

サッと仕事を片付けて、パトロールに出発。
軽油の免税措置の継続通知が来ないので、家に残っているポリタン1本分の軽油を追加購入して、秘密(でもなんでもないのだがが・・・)のタラノメスポットへ急行。先週は誰も来た形跡がなかったが、今日は残念ながら誰かが来た後だった。
付近を探索すると、別の場所にもっと大きな株の群落があったが、ここも襲撃を受けたあとだった。
この藪をめぐってくり広げられる諜報活動もかなり熾烈を極めているようだ。いったい何人のスパイが暗躍しているのだろう。小説の世界よりも手に汗を握る展開だ。
来年こそはゴッソリいってやらなくてはならない。

雑賀崎の灯台に出てみるとやはり南風は相当なものだ。ポケットの中の双眼鏡で帝国領内を覗いてみると、釣り船は1艘も見当たらない。やっぱり今日は行ってはいけない日だったのだ。無理をしなくてよかったというホッとした気持ちか、グダグダしてしまったという反省の心から開放された、というホッとした気持ちかどちらかは自分でもよくわからないが、とにかく海を見ながらホッとしたことは確かであった。

最後に港に立ち寄ってみると、強い南風にあおられて船の舳先のロープがパンパンに張ってしまっている。今日はもう少し風が強くなるだろうし、明日も雨が降り始めるまでは風が相当吹くのではないかと思い、台風対策と同じレベルでロープかけと船上の荷物の固定をして帰宅の途についた。
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「白い国籍のスパイ 〈上〉闇の部、〈下〉光の部」読了

2012年03月30日 | Weblog
ヨハネス・マリオ ジンメル 著/中西 和雄 訳 「白い国籍のスパイ 〈上〉闇の部、〈下〉光の部」読了

師は、小説を執筆しているときや海外を旅するときには鳥獣虫魚の話や沈んだ大陸の物語の本、スパイ小説、中華料理店の献立などを読んでいたそうだ。
その心は、「文体や思考に影響を受けることがない。」ということだったそうだ。何かの本に、そのなかでもお勧めのスパイ小説のひとつとして、この本のタイトルが紹介されていた。

絶版になっていたので、どこかで見つけたらぜひとも読んでみたいと思いながら数年が過ぎていたが、たまたま立ち寄った古本屋さんで下巻を見つけることができた。それも100円で。しかし上巻がない。アマゾンで検索してみたら、古本がいくつか出品されていた。古本を通販で買うというのはどうしたものかと考えていたが、次に上巻に出会うのはいつになるかわからないので、ダメもとで買ってみたら、ちゃんと配送されてきた。それも送料込みで530円とはお買い得だ。

余談だが、アマゾンにはAMPサーチというのがあって、本の裏表紙にある、4から始まる番号を打ち込むと、人気ランキングと出品されている本の価格がわかるようになっている。
これを利用してブックOフなんかで安く買った本をアマゾンで高く売る人たちもいるそうで、通称“せどり”と言うそうだ。
僕がよく行っていた古本屋さんや、ブック●フの割引セールなんかで、携帯片手に素早いスピードでコードを打ち込んで大量に本を買っている人を見ることがあるが、こんな商売をしている人がいるのだ。まさにスパイの世界だ。
この本も、僕が1冊買ってランキングが上がったせいかどうかわからないが、このブログを書くために画像を検索していたら、価格が5倍くらいに跳ね上がっていた。この値段では買うにも買えなかっただろう。

物語はというと、第二次世界大戦下のヨーロッパで、ひょんなことからドイツの諜報員にされてしまった銀行家がこれまた不本意ながらフランス、イギリスの諜報員に姿を変えながら冒険をすると言う内容で、なぜか危機を脱する手立てが、秘密兵器でもなく、格闘技でもなく、“料理”であるというのが凝ったところだ。相手に手料理を食わせて秘密を聞き出したり協力を得たりする。おまけにところどころにそのレシピまで掲載されている。巻末にはレシピの索引まであるという念の入れようだ。
大抵のスパイ小説というのは敵と見方が分かれていてその間で騙し合いや格闘があるのだが、この本にはそれがない。小さなエピソードが連なりながら、少しだけ絡みながら進んでいくだけだ。

主人公は、「人を殺さない、悪人だけしか騙さない。」という矜持のもとに、自分の自由を獲得するために不本意ながらもドイツ、イギリス、フランスに協力する。そこがまた、会社の歯車になってしまっている僕には痛快に映る。「会社のために働いているふりはしているけれど、どっこい、僕は僕の道を歩いているのだよ!!」なんて言ってみたいものだ。しかし、この物語の主人公と決定的に違うのは、僕は100%の収入を会社に依存しているということだ。釣った魚で収入の幾分かでも賄えていたなら、こんな啖呵も吐けるのだが・・・。

最後の結末は、どこかで読んだことのあるような終わり方(こっちのほうが1960年の発行だからオリジナルかもしれないが。)だったので拍子抜けしたが、確かに何も考えずに読み進める本であった。

解説が養老孟司というのも、これまた意外性のあるものであった。知性を駆使する人というのは、こんな本を読んで脳みそをクールダウンしているのかもしれない。
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