イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「月 人との豊かなかかわりの歴史」読了

2020年03月27日 | 2020読書
ベアント ブルンナー/著、山川 純子 /訳/ 「月 人との豊かなかかわりの歴史」読了

月についてどれだけ知っているか?
以外と知らない。地球を約28日かけて一周していて常に同じ側を地球に向けているということぐらいだろうか。釣りをしている人間なら潮の大小は月と太陽の位置関係で決まるということは知っているけれども、どんなサイクルでそれがやって来るのかということは潮時表を見ないことにはわからない。毎日、帰宅の時に出ている月を眺めても今日の月がこれだから明日の月はどこまで欠けてこの時刻にこの位置にあるはずだということがまったくわからないのだ。魚を釣るのが下手というのはこういうことにも起因しているのかもしれない。

あらためて勉強してみると、満月から新月にかけて右側から欠けていき、この頃には真夜中に東の空から昇るので帰宅時間には見えないことになる。逆に釣りに行く時間には下弦の月として西の空に見えているはずだ。
新月以降は左から太って行って昼過ぎに東から昇り日の入り頃に南中するので帰宅時間には少し西に傾いて上弦の月として見えることになる。僕が帰宅時間に見ている月は上弦から満月にかけてということになる。
ややこしいが、上弦の月は帰宅時間に見ると弦が下を向いている。釣りに行く時間に見る下弦の月は弦が上を向いている・・。これは月の出の時に上か下どっちが丸いかで決まるようだが、西に見るときには上下が逆になっている。う~ん、これで合っているのか間違っているのかそれさえもわからない。頭が悪いな~。世間の人はみんなこんなことが当たり前のようにわかっているのだろうか・・・。


この本は科学的な月の話というよりも、人が歴史のなかで月とどういう関わりをもってきたかということを様々な面からまとめている。
望遠鏡がなかった時代。人は月にも人が住んでいると考えていた。精度が低いながら望遠鏡が発明されたあとでも、月世界人が火を灯しているとか運河を作っているとかなどということをまことしやかに発表する学識ある人たちはたくさんいた。1900年代に入ってもそういう主張があったというのだから、それから70年も経たない間に人が月まで行ったというのは驚くべき科学技術の進歩だと思う。

初期の想像上の月世界人は平和主義者で友好的、月の世界はユートピアだと考えられていたが、そういう想像が観測技術の進歩で少しずつ嘘だということが分かり始めると月世界人は野蛮で攻撃的であるということになってくる。もちろんこれらは空想の物語のなかの話ではあるけれども不思議な見解の変化だ。

月には何もなく荒野が広がっているとわかったけれども、もっと観測精度が上がって来ると水や金属資源、核融合の材料になるヘリウム3もかなりあるとわかってきた。「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」というものがあって、月は所有者がいない天体であるということで合意し、約100ヶ国が批准しているそうで、アメリカも中国もその批准国になっているけれども中国もトランプもいつ抜け駆けをするのかわからない。
眺めるだけなら夢を駆りたてられたりするけれども遠い将来、やっぱりここもデストピアになっているのだろうなと冷めた目でみてしまうのだ・・。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「補陀洛ばしり物語」読了 | トップ | 加太沖釣行 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

2020読書」カテゴリの最新記事