長嶋祐成 「THE FISH 魚と出会う図鑑」読了
著者は、「魚譜画家」という肩書をもっているそうだ。魚の図鑑の絵を描く人という意味になる。
魚体を写真で写すのではなく、水彩画なのだろうか、絵で表現している。この本もそういった魚の絵が掲載されていて図鑑という名前がついているが質のいいエッセイのようだ。
詳細な生態画というのではないけれども、透明感のある絵と文章が非常にマッチしている。
特にチヌの薄いブルーグレーの表現は秀逸のような気がする。釣ってすぐの時は確かにこんなきれいな色をしている。
37歳という歳には思えない枯れた文章だ。静かだが確かな魚への愛情が感じられる。
大阪で育った著者は父親とふたりで魚釣りを始める。「食べるために殺せば、あるいは海へと還してしまえば、この姿に二度と出会えない。生かしたまま持ち帰って飼育したとしても出会った瞬間の感動がよみがえることはないのだ。」それをなんとか翌日以降も残したいと絵を描きはじめたことがきっかけで「魚譜画家」になったという。この図鑑は魚釣りがベースになっているのだ。
社会人になって数年後、石垣島に渡り本格的な活動をはじめる。だから掲載されている魚は僕も見慣れている大阪湾で見られる魚と、石垣島周辺のちょっとだけトロピカルな感じのある魚が主なものだ。
図鑑にしてはかなり偏った掲載になっているのは著者のそれらの魚に対する思い入れからである。
そんなことにツッコみを入れる必要もないほど完成度が高いような気がする。
釣り人の欲目なのかどうかはわからないが、魚というのはきれいだ。
去年、少しだけ、その奇麗さを表現しようと思ってマクロで魚体を撮って残そうとしてみたけれどもそれも長続きはしなかった。
そこがこんな素晴らしい仕事をするひとと社会に何の役にもたたない人間の違いなのだろう。
たった100ページほどの図鑑だが、少しだけ気持ちがスッとした。
著者は、「魚譜画家」という肩書をもっているそうだ。魚の図鑑の絵を描く人という意味になる。
魚体を写真で写すのではなく、水彩画なのだろうか、絵で表現している。この本もそういった魚の絵が掲載されていて図鑑という名前がついているが質のいいエッセイのようだ。
詳細な生態画というのではないけれども、透明感のある絵と文章が非常にマッチしている。
特にチヌの薄いブルーグレーの表現は秀逸のような気がする。釣ってすぐの時は確かにこんなきれいな色をしている。
37歳という歳には思えない枯れた文章だ。静かだが確かな魚への愛情が感じられる。
大阪で育った著者は父親とふたりで魚釣りを始める。「食べるために殺せば、あるいは海へと還してしまえば、この姿に二度と出会えない。生かしたまま持ち帰って飼育したとしても出会った瞬間の感動がよみがえることはないのだ。」それをなんとか翌日以降も残したいと絵を描きはじめたことがきっかけで「魚譜画家」になったという。この図鑑は魚釣りがベースになっているのだ。
社会人になって数年後、石垣島に渡り本格的な活動をはじめる。だから掲載されている魚は僕も見慣れている大阪湾で見られる魚と、石垣島周辺のちょっとだけトロピカルな感じのある魚が主なものだ。
図鑑にしてはかなり偏った掲載になっているのは著者のそれらの魚に対する思い入れからである。
そんなことにツッコみを入れる必要もないほど完成度が高いような気がする。
釣り人の欲目なのかどうかはわからないが、魚というのはきれいだ。
去年、少しだけ、その奇麗さを表現しようと思ってマクロで魚体を撮って残そうとしてみたけれどもそれも長続きはしなかった。
そこがこんな素晴らしい仕事をするひとと社会に何の役にもたたない人間の違いなのだろう。
たった100ページほどの図鑑だが、少しだけ気持ちがスッとした。
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