ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ビバ!「日本シャルキュトリ協会」!

2013-11-23 17:37:33 | おいしい食べもん
ボジョレーとシャルキュトリの運命的なマリアージュ の最後に触れた
「日本シャルキュトリ協会」 のことを詳しく紹介しましょう。



フランスのシャルキュトリは 450種 を超え、フランスのチーズ同様、フランス各地でさまざまなシャルキュトリが作られ、人々に愛されています。
※シャルキュトリについては → コチラ を参照してください

ワイン好きにとって、シャルキュトリはワインのよきパートナーという認識がありますが、フランスでは、サンドイッチにしたり、カナッペなどにしてオードブルでつまんだり、さまざまなシーンで楽しまれているのもチーズと同じですね。



そんなフランスのおいしいシャルキュトリ文化を日本でも広め、日本の食をより豊かにするため、さらには、フランス本国との食文化交流を深めることを目的に、2013年4月、「日本シャルキュトリ協会」 が発足しました。

名誉会長は駐日フランス大使のクリスチャン・マセ氏。
日本シャルキュトリ協会は、フランスもバックアップしている法人団体なんですね。

すでに今年7月には都内のフランス大使公邸にて発足式を行い、ニュースレターの発行、ホームページでの情報発信など、活発な活動を行っています。



今回わたしがお邪魔したのは、フランス シャルキュトリ・ケータリング・食肉加工連盟(FICT)会長のロヴェール・ヴォリュ氏 を迎えての懇親会です。
懇親会の前にはロヴェール会長によるセミナーもありました(私は残念ながら不参加)。


ロヴェール・ヴォリュ FICT会長 (右)
左は 日本シャルキュトリ協会 ジャン・シャルル・クルーアン会長

懇親会場には、日本シャルキュトリ協会の会員であるプロのシェフやシャルキュトリエらが腕によりをかけて作ったシャルキュトリの数々が並びました。



どれも美味しそうで、シャルキュトリ好きとしては目移りして困ります(笑)

ロヴェール・ヴォリュFICT会長は懇親会の前にすでにつまみ食いをされたようで、
「どれもよくできている。日本人は本当に見た目は美しく作る。ただ、中には今ひとつ味が足りないものもあった」とコメント。

バラエティ豊かで、なんでもあり、のように見えるシャルキュトリですが、フランスにはシャルキュトリ製造の指針である規定書 があります(1969年発行)。
この規定書は伝統製法を成文化したもので、時代に合わせて改定していますが、これに基づいて生産された製品のみを“シャルキュトリ”と認定しています。

ロヴェール会長が「今ひとつ味が足りない」と感じたものは、この規定書の伝統製法の基準と照らし合わせてのことのようです。

私も色々と食べてみたところ、ロヴェール会長のコメントに「なるほど」と思ったものもありました。日本人好みのマイルドなテイストなのはいいのですが、スパイスや塩の使い方が控えめなため、少々パンチやメリハリに欠けているように感じました。

日本シャルキュトリ協会では、フランス語で書かれたこの規定書を必要に応じて少しずつ翻訳していくそうです。日本人シェフにとっては、より本物のフランスの味に近づける手助けとなる書となりますね。


シャルキュトリのお供に嬉しいワインも勢揃い        ロゼワインもとてもいい相性でした



シャルキュトリの原材料は肉ですから、どれも食べごたえがあります。
少しずついただきましたが、種類を制覇できなかったのが残念!(笑)



会場には、シャルキュトリ以外にもさまざまなフランスチーズ、パン、スウィーツの数々も並び、食いしん坊にはたまらない会でした



日本シャルキュトリ協会では、今後もこうしたパーティーをはじめ、セミナー、フランス研修旅行の開催など、さまざまな活動を予定しています。

同協会では会員募集中です。
会員になると会員価格で参加できますので、シャルキュトリ好きの方は入会してみてはいかが?

詳細は下記オフィシャルサイトへどうぞ。
同サイトには、会員のおいしい店情報も掲載されています。

日本シャルキュトリ協会   http://www.charcuterie.jp/




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ボジョレーとシャルキュトリの運命的なマリアージュ

2013-11-23 15:11:45 | おいしい食べもん
11月21日の ボジョレー・ヌーヴォー の解禁日に、ヌーヴォーを注いでくれた女性スタッフとヌーヴォーに合う食べ物 の話で盛り上がり、結果、彼女も私も、シャルキュトリが合う! でした。

繊細な味わいヌーヴォーにはゼリー寄せ系のシャルキュトリが、しっかりした味わいのノンフィルタータイプのヌーヴォーにはガッツリ肉系のシャルキュトリがいいね! と意見が一致。
その場にそうしたシャルキュトリがなかったのが残念でしたが(笑)

さて、その “シャルキュトリ” ですが、肉類の加工品 のこと で、フランス語のchair(肉)+cuite(火を入れる)が語源です。

原料は豚肉が多く、主な材料は、塊肉、挽肉、内臓および血 の3種類。
加熱・非加熱、乾燥、燻製、発酵など、製造方法により、16種類に分類されます。



肉を乾燥させた生ハム、肉を加熱して作るローストハムやジャンボン・ペルシエ(パセリ風味のハムのゼリー寄せ)、ソーセージ、パテ、リエット(脂煮)、ブーダン・ノワール(豚の血と脂身の腸詰)、アンドゥイエット(臓物の腸詰)、テリーヌなどなど、バラエティ豊かです。



シャルキュトリの歴史はギリシャ時代まで遡ります。

塩漬け、乾燥、燻製など、どれも肉の保存のための手段です。現代のように冷蔵庫や冷凍庫がなかった時代に、肉の部分だけでなく、内臓や血まで、余すところなく最後まで食べつくすための知恵が生んだものがシャルキュトリ、というわけ。

シャルキュトリを販売する店も“シャルキュトリ”(charcuterie)と呼ばれ、シャルキュトリを作る食肉加工技術を持つ職人は、“シャルキュティエ”(charcuitier)と呼ばれます。
フランスでシャルキュティエが職業として認められたのは、15世紀に入ってからのこと。

シャルキュトリはフランス全域で作られていますが、有名どころのひとつが リヨン です。
美食の町として知られるリヨンでは、豚の飼育が盛んで、豚肉を余すところなく使って作る加工食品―シャルキュトリはリヨン名物。
リヨンはローマ時代にまで遡る歴史を持つシャルキュトリの町なんですね。

リヨンには星付きレストランもありますが、地元の人々がよく利用するのが、“ブション” という、いわば町の食堂です。
ブションでは、シャルキュトリや内臓料理が出され、そこで飲まれているのが、地元のコート・リヨネーズやボジョレのワインです。

だから、シャルキュトリにボジョレーワインが合うのは当然といえば当然



フルーティーで軽やかなボジョレー・ヌーヴォーには、ジャンボン・ペルシエや野菜を多く散りばめたゼリー寄せタイプが合うと思いますし、コクのあるクリュ・ボジョレーには、濃厚な味わいのパテやアンドゥイエット、ブーダンノワールなどなど。
想像しただけで、涎が出そうです(笑)



私もシャルキュトリは大好物。前菜メニューにシャルキュトリがあると、ワンパターンだと思いながらも、注文せずにはいられません(笑)

シャルキュトリは、レストランで楽しむほか、デパ地下をはじめ、洋惣菜を扱うお店で販売されていますので、手軽にテイクアウトし、家でも、ホームパーティーなどでも楽しむことができますね。

この週末、ボジョレー・ヌーヴォーを買うついでにシャルキュトリ類も手に入れて、家でフランス気分を味わってみてはいかが?



さて、私のようなシャルキュトリ好きに嬉しい情報があります。

今年、「日本シャルキュトリ協会」 が設立されました

ご縁があり、先日開催された懇親パーティーにお邪魔してきました。
今回アップしている写真は、その時に撮影したものです。


欲張っていろいろな種類をお皿に盛り合わせてみました(笑)

協会の詳細とパーティーの様子は、次回で紹介 します


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