外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

うちの猫の出産(12) 生後5~6週間

2013-12-28 15:52:34 | ヨルダン(猫中心)


以前アップした記事「うちの猫の出産(10)歩行編」では、生後3~4週間あたりから子猫たちが歩き始めた様子を書きました。

ここでは5週間~6週間の様子を振り返ってみます。


歩き始めてから、子猫たちの行動範囲はじわじわと広がっていった。
ソファーの下から出てきて居間の床をうろちょろするようになり、ソファーによじ登れるようになり、やがて居間から出て廊下や台所まで遠征するようになった。
子猫の大航海時代到来である。

彼らの身体は日毎にむくむく大きくなっていた。
多少の大きさの差はあれ、みんなみっちりお肉が付いて、固太りしているのだ。
キラキラ輝くつぶらな瞳といい、ふっかふかで触り心地最高の毛皮といい、だんご状態で積み重なって眠っているときの姿といい、なんかこの子達、アイドルみたい・・・。
「ファーティハ&チルドレン」で売りだしたら(どこで?)、大人気を博すこと間違いなしね。








台所に進出した子猫たちは、まもなくお母さんのご飯を横取りするようになった。
私が出したエサをファーティハが食べ始めると、わらわらと寄ってきてお皿のまわりを取り囲み、ぎゅうぎゅう押し合いながら一斉に食べ始めるのだ。
ドライフードはまだ食べにくいのか、敬遠する子が多かったが、缶詰めのフードや茹でた鶏肉などにはほぼ全員群がってくる。
ファーティハは何を考えているのか、特に抵抗するでもなく、横取りされるままになっていた。
母乳を出すためには精をつけなきゃいけないのに~・・・
しょうがないので、エサの量を2倍に増やして、1皿は子猫用、もう1皿は母猫用に分けることにした。
そしてファーティハが食べている間、私が両手でガードして、横取りしようとする子猫を追い払う。

そのうち、私が台所に立つと、両足を何匹かよじ登ってきて、一刻も早くエサにありつこうとするようになった。
これはけっこうくすぐったいし、ゴムのゆるくなった部屋着のズボンが脱げそうになって困る。
足元に子猫が鈴なりの状態で、ズボンが脱げないように片手でガードしながら、もう片手で食事を用意するのはけっこう骨だった・・・。





このように、子猫たちはごく自然に、力づくで離乳食へ移行していった。

といっても、母乳を飲むのを急にやめてしまうわけではない。
子猫たちが自分のエサを奪うようになっても、ファーティハはそれまでどおり律儀に授乳を行った。
しかし、もう自由に動き回れる彼らはますます気ままに振る舞い、授乳開始の点呼を無視して遊びまわったり、お尻を舐められるのを嫌ってお母さんにケリを入れたりするようになった。
また、ファーティが廊下でぐったりと横になって休んでいるとき、寄っていってちょっかいをかける子も現れた。
こ、この親不孝者め・・・こんなに一生懸命世話してくれるお母さんになんてことすんねん!
と私は憤慨して叱りつけるのだったが、誰も意に介しちゃいないのだった。

子猫たちの歩行スピードは日に日に加速し、やがて私の動体視力が追いつかないほどになった(大げさ?)。
朝起きて寝室のドアを開けたら、廊下をえらいスピードで行き交っている。
走っているというよりも滑っているのだ、シューシューと。
まるで地面から少し浮き上がっているかのように見える。
身体が軽いから、床の摩擦力の影響をあまり受けないのだろうか。
君らは妖怪かい、それともリニアモーターカーかい、などとぶつぶつ言いながら、私はコーヒーの用意をしに台所に行くのだった。

私が歩くと子猫たちはついてくる。
しかし、歩みを止めてぱっと振り向くと、彼らはその場でウッとかたまり、じっとする。
そして私が再び歩き出すと、またついてくるのだった。
「だるまさんが転んだ」をやっているかのようである。

寝ている時と食事の時以外は、やつらはだいたい喧嘩をして過ごしていた。
それもかなり荒々しい喧嘩で、噛み付いたり殴ったり、取っ組み合ったり、いつも大騒ぎ。
子猫というものはみんな、こんなに気が荒いものだろうか。
それとも、ファーティハの子供だけ例外なのだろうか。
動物はこうやってじゃれあいながら成長していくという話だが、それにしても寝ている兄弟に襲いかかる必要がどこにあるというのか。
こんなアイドルのような見かけなのに、中身はただの乱暴者。
子猫って、ナゾだ・・・。

生後6週間目の終わり頃には、子猫たちはもう片手ではつかめないほどの大きさに成長していた。
それでもファーティハは前と変わりなく、せっせと世話をしていたが、子供たちが言うことを聞かずに暴れまわるので、少し持て余し気味。
ストレスが溜まったときは、絨毯でバリバリ爪を研いだり、子猫たちの首根っこに噛み付いたりようになった。
この噛み付き方がけっこうコワいのだ。
子猫の喉元をはっしと咥え、じたばた抵抗するのをぐっと押さえ込んで、数十秒間そのままじっとしているのである。
殺す気か?!
と何度も思ったが、そんなことはもちろんなく、しばらくしたら解放するのだった。

ちょっと小妖怪じみた乱暴な5匹のアイドルたちと、育児ノイローゼ気味のお母さんとの同居。
この暮らし、これからどうなっていくのだろう・・・






コメント
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