池袋駅から徒歩10分くらいの都心にある祥雲寺は、「ぼうず'n Coffee」という名のカフェを運営している。週一くらいのペースで不定期にオープンしているので、行くタイミングがむつかしいのだが、このカフェの存在を教えてくれた友人がフェイスブックのお寺のページで情報をチェックしてくれたので、予定を合わせて一緒に行くことができた。
正門脇には、池袋のシンボル(?)、ふくろうさんの姿があった。最寄駅は池袋ではなく東京メトロ有楽町線・副都心線の要町で、5番出口から徒歩2分程度。非常識なレベルの方向音痴の私でも迷わなかった。
祥雲寺の正門。ごくオーソドックスな普通のお寺らしき風情
境内に足を踏み入れたら、こんな風景が待っている
この看板あたりから、普通のお寺とは違う気配が漂い始める
建物入口前にはカエルさんが控えている
こういう蚊取り線香も置いてあった。この寺はカエル推しか。っていうか、もう蚊がいるのか…
上り口はこんなかんじ。残念ながらカーンと鳴らす機会はなかった
メニューはこちら。アルコールはないのね(いつも真っ先にチェックする)・・・この後仕事だったから構わないが。お店で酒以外のものを飲むのは久しぶりだ
スイーツも人気らしい。ここは入口で注文して先にお金を払い、番号札をもらって席に着いて待つシステム。
帰るときは食器類をここに返却。半セルフサービス形式
異世界に誘う雰囲気の廊下を通って、いざ座敷へ
たどり着いた先は案の定異世界だった
正面の庭は広くはないが、初夏の明るい緑の植物が生い茂っていて、風雅な雰囲気だ。紅葉の時期も綺麗に違いない
縁側に座布団を敷いて座ることもできる。
お客さんの数は思ったより多かった。皆SNSでカフェ情報をチェックしているのだろう。私のように友達と来て嬉しげに写真を撮っている人もいたが、どちらかというと一人で来てお茶やお菓子を味わいながらくつろいでいる人や、勉強や書き物をしている人が多く、穏やかな空気が流れていた。こんなに美しい緑の庭を眺めて座ってたら、嫌でも癒されちゃう~という雰囲気の場所なのだ。(なんで嫌なん)
京都府出身の私は、最初「こんなお寺京都にはなんぼでもあるし、癒し系の町家カフェもいっぱいあるもんね。でも東京にはこういうの、なかなかないよね、ふふっ」という上から目線の感想を抱いたが、考えてみたら京都と東京では都会度がケタ違いだし、エラそうにする筋合いでもなかった。
オーダーをとってくれたお坊さんが、「お寺なので抹茶を注文される方が多いんですが、うちは住職がバリスタなので、コーヒーが美味しいです」と強調していたので、抹茶はやめてアメリカーノにしてみた。美味しかったが、エスプレッソに慣れている私には、アメリカーノはやはり薄かった・・・ごくごく飲めていいが。
友人は抹茶とほうじ茶プリンのセット。美味しかったそうだ。他のお客さんたちに運ばれてくるスイーツも、どれもこれもいかにも美味しそうなオーラを出していた。
長居したので、コーヒーをおかわりした。2杯目はカフェラッテ。見た目も一般のお洒落なカフェに引けを取らないし、味もしっかりと濃くて、イタリア長期滞在組の私も合格点を出すレベル(どこまでも上から目線)。カフェの名称に「Coffee」という単語が入っているだけある。さすがだぞ、住職バリスタ。
ちなみに、2階にはテラス席もあったが、正面のビルが見えてしまうせいか、そこに座っている人は誰もいなかった。
祥雲寺のそばには鳩寺(正式名称は功雲院)もあると友人が教えてくれた。閉まっていて入れなかったが。
18歳で病気になった女性が、夢に出てくる鳩に教えられた薬を飲んだら治ったことに感謝して、42歳の時に観音堂を建てて鳩を供養したのが由来らしい。この女性は、普段は観音堂で過ごし、疲れた時は実家に戻って養生したりして、82歳まで生きたらしい。なんとなく親近感を覚える・・・猫と酒も好きだったのかも。
祥雲寺から鳩寺に向かう時にみかけたムーミン谷っぽい壁画
というわけで、お寺カフェに大変癒されてしまったわけだが、「ぼうず'n Coffee」という名称の「'n」の部分の意味について質問しなかったことだけが心残りだ。こういうのって、気になり出すと気になってしょうがない・・・誰か知っていたら教えてください。
「ぼうず'n Coffee」情報
https://icotto.jp/presses/11112
(終わり)