コロニャ(新型コロナウイルス)が人心を不安に陥れている今日この頃。私も例外ではない。
しかし、悪口を言われてばかりではコロニャも心外だろうから、ここはひとつ、彼(彼女?)のいいところを探してみようと思う。どんな物事にもポジティブな面は存在するからだ。お手本は、ポリアンナの「よかった探し」。
*ウィキペディアの「愛少女ポリアンナ」の項目には、以下のように記されている:
「よかった探し」について
ポリアンナによると「よかった探し」は、どんなことが起きてもその中からよかったと思えることを探し出して明るく振る舞うためのゲームである。加えて見つけるのが難しければ難しいほど面白く、「よかった」を見つけた時の喜びも大きいとされる。
私が思いついたコロニャの「よかった」は・・・
(1)確定申告の期限が延期になったこと。
非常に個人的なことで恐縮だが、フリーランスの翻訳者で、しかもめんどくさがりの私は、毎年確定申告の時期には精神的に非常に追い詰められる。しかし今年は4月16日まで期限が延期になった上、それを過ぎても必要事項を余白に書けば、期限外申告とはみなされなくなった。おかげで、心穏やかにゆっくり申告できた。ありがとう、コロニャ~
(2)テレワークが進み、働き方が変わってきたこと。
私はもとからテレワークなのだが、朝晩満員電車に耐えて会社勤めをしていた方にとって、家で仕事が出来るのは画期的な進展なのではないだろうか。あ、そうでもないですかね・・・いずれにせよ、各国首脳の会議などもビデオ会議になって、旅費が節約されている状況は前向きに評価したい。
(3)民主的
コロニャの前では人は平等。庶民だろうが政府高官だろうが王族だろうが、コロニャは相手を選ばずに襲いかかる。この態度(?)は、「民主的」と言えなくもないのでは。そうはいっても、低所得層の人は、貧しいゆえの既往症があったり、感染の危険が高い仕事を続けなきゃいけなかったり、十分な治療が受けられなかったりするので、全く平等ではないわけだが・・・
(4)自然に優しい
これがコロニャの最大の美徳だと思う。一時的な現象とはいえ、世界各地で厳格な外出禁止措置が取られている影響で、大気や川・海などの汚染が激減し、人や車の通らない街中を動物たちが闊歩している様子が見られる。
イタリアを例に挙げると・・・
ローマの観光地、アクア・パオラの噴水でカモがすいすい泳いでいたり
フィレンツェの薬局にカモのご一家が入ろうとしたり(マスクでも買うつもりか?)
ミラノの公園で野ウサギが駆けまわったり
アブルッツォ州の街中で鹿が散歩していたり
もちろんイタリア以外でも同様の現象が発生しており、先週末に外出禁止令が出ていたトルコのイスタンブールでは、普段賑やかなガラタ橋付近のフェリー発着場のあたりで、なんとイルカが目撃されている。
中国やインドなどでも一時的に大気汚染が解消したという。私がフェイスブックでフォローしているヨルダン人の写真家は、「新型コロナウイルスの出現ではっきりしたことがある。自然にとっては、人間こそがウイルスだったということだ」というようなことを書いていた。おっしゃるとおりである。
(おまけ1)
散歩していて出会った猫さんの写真
(おまけ2)
イタリアで、外出禁止令に先立ち、人々がスーパーに走ってパスタをパニック買いしたときにすら、売れ残ったという伝説がある「ペンネ・リーシェ」のレシピ。写真も分量表示もないので、想像力を駆使して作ってほしい。
「ペンネ・リーシェ」は、表面に筋がないペンネ。筋入りのものは「ペンネ・リガーテ」で、日本でお馴染みなのはこっち。イタリアでペンネ・リーシェが不人気だということは、今回の騒ぎで初めて知った。これもコロニャのおかげか・・・筋がないとソースが絡みにくく、フォークで刺そうとするとツルっと逃げたりするので、私もペンネ・リーシェは買わない。不憫なパスタである。
(終わり)