サウジ総領事館を眺めた後は、またメトロに乗ってタクシムに戻り、イスティクラール通りやその脇道(ベイオウル地区)をうろうろして過ごした。夜はかつて3か月住んだアクサライのアパートを見に行った。
駅の電光掲示板。次のイェニカプ行きは2分後、その次のは7分後だ。
駅のトイレは有料。交通系カード「イスタンブル・カルトゥ」をピッとやって入る。
間もなくタクシムに到着。時計を見たら午後3時だった。ホテルを出てから、もう4時間も経っている。そんなに活動してないのに、時間が経つの速すぎないか。
タクシム広場。この路面電車はさほどスピードを出さないが、こういう乗り方をすると危険かも。
広場から伸びているメインストリート、イスティクラール通りはいつも賑やか
イスティクラール通りに入ってすぐの脇道に、かの有名な(アラブのSNSで)シェフ・ブラクのレストランがあった。入ってみたかったが、1人では大して食べられないのでやめておく。後に市内の別の地域でもこのレストランの支店を見かけた。何か所かあるのだ。
シェフ・ブラクさんはこの人。笑顔を絶やさず、手元を見ずに豪快な料理を作る動画をよく見かけたが、この料理は豪快とかいうレベルを超えている。
脇道には、店の前にテーブルを並べているレストランやカフェが多い。トルコ人は戸外で飲食するのが好きだな。
外の席で食べると、猫と触れ合うことが出来るという特典がある。
メイハネ(居酒屋)が集まっている「チチェッキ・パサジュ」(=花小路)1876年に建てられた歴史的な建物。
さすがにお腹が空いたので、「魚市場」(バルック・パザル)と呼ばれる魚介類の食堂やレストランが何軒か並んでいる一角で遅い昼食をとることにした。
「シェン・バルック」という魚食堂に入った。直訳すると「陽気な魚」。これから食べられることを知りながら、あえて陽気に振舞う魚・・・?
定番のムール貝のフライ(ミディエ・タワス)を頼んだ。ガーリックヨーグルトソース添え。アイランと合わせて22リラ(350円弱)。パンは自動的に出てくる。
フライもソースも味があまりなくてイマイチだったが、比較的安いからまあいいだろう。パンは美味しかった。2階の家族用の席に通されたのだが、他の客は皆シリア人だった。アラビア語を話せる店員がいるので、口コミで集まるのかもしれない。
店を出て、イスティクラール通りのどんつき(関西弁?)の方向を念頭に置きつつ、脇道をふらふら散策した。
果物やナッツを売るお店。トルコの果物やナッツ類は美味しい。
西洋建築に上階部分が張り出したオスマン建築の要素が取り入れられており、興味深い。
このオーガニック製品の店で石鹸をいくつか買った。ロバのミルク入りの石鹸など、珍しいものもあった。お肌にいいらしい。
トルコが誇るストリートフード「クムピル」の専門店。ベイクドポテトにチーズとバターを混ぜてマッシュしてから色んなトッピングをてんこ盛りにしてマヨネーズやケチャップなどをかけた食べ物。高カロリーのものを食べたい人はぜひどうぞ。値段もカロリーに合わせて(?)、それなりにする。私はまだ食べたことがない。
なんしか、こういう食べ物ですわ。ソーセージはハラールの牛肉製。
この界隈では、やたらに猫と遭遇した。スルタナメット広場と並ぶ猫スポットだと言えるだろう。沿岸地域ではあまり見かけなかったが、全体の数が減っているわけではないようなので安心。
ちょこん
入り口に野良猫用の水やフードを用意しているキャット・フレンドリーなトロヤ・ホテル
由緒ありげな書店に入る猫さん
2階に上って行った。看板猫かお客猫か・・・
こんな隙間にも。
「何か?」
大通りにも。
「苦しゅうない。もっと撫でてもよいぞ」
トゥネル駅の前にある「赤猫書店」(クルムズ・ケディ・キタベヴィ)
「世界一短い地下鉄」と言われるトゥネル(テュネル、参考)とトラムを乗り継いでホテルに戻る。
ホテルに戻ると、受付の若い男の子が「コンニチハ」と片言の日本語で挨拶してくれた。日本に興味があって、行ってみたいし、できれば住んで働きたいとのことだった。日本人の友達もいるらしい。日本に移住したいと話すトルコ人男性は多い。トルコでは良い職にありつけないから、外国に移住して人生を変えたいということなのだろう。彼は非常に感じが良く、育ちの良さそうな外見なので、日本に来たらすぐ彼女が出来そうだ。
部屋に戻って少しワインを飲んでから昼寝し、夜7時半頃にまたトラムに乗って出かける。以前住んでいたアクサライのアパートを訪ねてみようと思いついたのだ。
夜のアヤソフィアもなかなか良い。
私は2011年の春、トラムのアクサライ駅からイェニカプ(クムカプかも)方面に向けてしばらく下ったところでアパート住まいをして、そこからタクシムのトルコ語学校「トメル」に通っていた。アパートの周辺は歓楽街だったらしく、飲み屋(パブ)や怪しげなホテルが何軒か集まっていて、夜明け頃に酔っぱらいのおじさんたちが喧嘩する声が聞こえてくることもあった。夜に近所を歩いている時、知らない男性(たぶんトルコ人)に「How much are you?」と話しかけられたこともある。びっくりして答えずに逃げてしまったが、あの時どう答えればよかったのだろう? 今でも時々考える。
かつてのアパートはホテルになっていた。安いかもしれないが、場所柄、泊まると何か勘違いされそうな気もする。
当時、東日本大震災やシリアの革命関連のニュースをチェックするため毎日通ったインターネットカフェは健在だった。
写真を撮っていたら、ネットカフェで働くお兄ちゃんに写真を撮ってくれとせがまれたので、隣のパン屋で働くお友達と一緒に記念撮影。
かつて1,2回入ったことがある付近の酒屋でビールを購入。猜疑心の強そうな気配の無口なおじいさんがレジに座っている小さな店だ。奥にテーブル席がいくつかあり、数人のおじいさんやおじさんが無表情にビールを飲んでいた。私もいつか、おばあさんになったら仲間に入りたい。
この店は少し値段が高かったので、別の酒屋でワインを購入。値切ったら負けてくれた。
夕食はテイクアイトでホテルで食べることにして、ウズベク料理屋さんでピラフを購入。サラダ付きで10リラ(160円弱)。
店頭の大鍋からいい匂いが漂っていた。
この辺りにはウズベキスタン・アフガニスタン・トルクメニスタンなど、中央アジアからの移民が集まって住んでいるらしく、そっち系の料理店が何軒かあった。
ホテルに帰ってビールを飲みながら夕食。
ピラフの具はひよこ豆・人参・羊肉のぶつ切り。ニンニクが効いていて、ほのかにクミンの風味もして美味しい。油っぽいのでサラダと一緒に食べるとサッパリする。
「土曜日」(ジュマルテシ)という名前の赤ワイン。味は軽め。土曜日ですから(?)
なんだか長い一日だった。今日は早く寝よう・・・
(続き)