外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(19)~イスタンブール4日目後半~

2020-06-28 08:37:54 | トルコ

 

 

イスタンブール滞在4日目、ファーティフ地区を訪れた後、ホテルで休憩することにしてメトロに乗った。アクサライまで戻り、トラムに乗り換えようとした際に少し道に迷って、歩き回っているうちにアラブ料理店が集まっている一角を発見。イラク料理店、パレスチナ料理店、イエメン料理店などが軒を連ねている。

 

 

店名が「イラクレストラン」。直球勝負か。隣にも別のイラク料理店が並んでいた。

 

店のウインドウに見られるマークは、逆さまのシャワルマ(アラブのドネルケバブ)ではなく、イラクのサーマッラーにある「マルウィーヤ・ミナレット」だろう。登るの大変そう。

(ウィキペディアから拝借した写真)

 

 

こちらの「シャワルマの王様・クドゥス(=エルサレム)」という店はパレスチナ系かな?

 

 

以前の記事で紹介したシェフ・ブラクのレストランの別の支店もあった。アラブ人の客を意識して、店名がアラビア語でも表記されている。トルコ語の本来の店名「ハタイ・メデニイェットレル・ソフラス」(=ハタイ・文明の食卓)と違い、アラビア語では「マディーナ・レストラン」となっている。アラブ人にわかりやすくしたのだろう。

 

 

付近に安宿も何軒かあったので、次回の旅行ではアクサライを拠点に滞在し、イラク料理を楽しみたいものである。イラク料理はあまり食べたことがないので、気になるのだ。

 

 

犬たちはお昼寝タイム

 

あ、起きてた。

 

 

猫は瞑想タイム?

 

 

トラム駅になんとかたどり着き、スルタナメットに戻った。っていうか、普通あんなところで道に迷わないよな・・・

 

 

 

 

ホテルまであと少しという時に、土産物屋の前で立ち話をしていたおじ様3人組が、日本語で私に「こんにちは。日本人ですか?」と声をかけてきた。土産物のセールスか?と思いつつ、そうだと答えると、そのうちの1人が「やっぱり日本人でしたか。日本人に見えるけど、そうじゃない感じもするので、確かめるために声をかけたんですよ」と笑いながら言った。そんな理由で声を掛けられたのか・・・

 

彼は土産物屋の店主で、一緒にいたのはお兄さんと友人。店主とお兄さんはクルド人で、友人はラズ人(少数民族の一つ)だが、ラズ語は話せないとのことだった。

 

店主は仕事で日本にいたことがあるという話で、日本語を流暢に話した。クルド人が多数居住していることで有名な「ワラビスタン」(埼玉県の蕨市に由来する名称だが、実際には川口市の方がクルド人は多い)に住む友人がいて、行ったこともあるという。奇遇だ。

 

しかし、私が「その辺りにはクルド人の知り合いがいる」と言うと、彼は顔をしかめて、「向こうのクルド人たちは、『クルド人はトルコ人に嫌がらせをされている』と言っているだろうが、それは嘘だ」と強い口調で言った。また、「トルコにはクルディスタンなどというものは存在しない」と、トルコ政府の公式発表と全く同じことも言っていた。建前を言っているわけではなく、彼が心から信じていることをそのまま口にしているのだということは、表情を見ればよくわかった。「トルコにはクルド人差別はない」と言い切るクルド人に会ったのは、これが初めてではない。

 

埼玉県南部の蕨市や川口市等に住む在日クルド人の大半は、トルコ東南部ガジアンテプの農村部やその周辺地域の出身だ。彼らは、子供の頃からいかにトルコ人から差別を受け、トルコ政府からいかに迫害されていたかを克明かつ具体的に説明する。私が「トルコのクルディスタンの首都」的な存在のディヤルバクル、そしてやはりクルド色の濃厚なワンに旅した時も、現地の住民は自分たちの受けている差別について、旅人の私に懸命に訴えかけてきたものだ。そもそも、街の外観からして西部と全然違い、インフラ投資がおろそかにされているのが一目瞭然だった。トルコから日本にやって来たクルド人の意見と、イスタンブールの観光地で自分の店を経営しているクルド人の意見が違うのは自然なことだ。彼らを十把一絡げに論じることは出来ない。

 

 

ホテルに戻って少し昼寝し、夕方また出かけた。まずシルケジの老舗のお菓子屋さん「ハジュベキル」で土産のロクムを購入。ロクムはトルコ名物の一つで、もちもちとした口当たりのお菓子だ。(アラブにもある)

 

 

私はピスタチオ入りのロクムが一番好きだが、色々種類があって、どれも美味しい。コーヒーに合う。

(2枚ともネットから拝借した写真)

 

 

1777年創業のハジュベキルのシルケジ店。2つの店舗が隣り合っていた。

 

 

ロクム以外にも様々なお菓子が売られていた。私はさほどお菓子に興味がないので土産用のロクムしか買わなかったが、お菓子が好きな人はどれを買おうか迷うだろう。

 

 

お店の人も感じが良かった。

 

 

こちらはハジュベキルの近くにあるスイーツのカフェ。賑わっていた。

 

 

 

通りすがりに見かけた迫力のある建物。いつか倒壊するのでは。

 

 

ついでにエジプシャンバザールに寄って、EU版ちゅ~るを買い足す。

 

 

「メフメット・エフェンディ」という有名なコーヒー屋さんにも寄って、トルココーヒーを少々購入。こちらは1871年創業で、地元の客でいつも混雑している。

 

 

そうこうしているうちに日が暮れてきたので、アジア側のカドゥキョイ行きのフェリーに乗った。フェリーに座って夕闇に沈むイスタンブールの街をぼうっと眺めていると、心が鎮まる。

 

 

黄昏時のガラタ橋。ネオンが明るく輝き始める。

 

 

 

カドゥキョイでは、酒屋を見つけてツボルグを買い、その近くの安食堂で夕食用の鯖サンドとラフマジュンをテイクアウトした。

 

ケバブもあった。焼きたてのパンが山積み。うっとり・・・

 

 

鰯フライも魅力的だった。次回は店内でこれを食べてみたい。おそらくアルコールはないが。

 

 

入り口のところでは、シリアやヨルダンでもおなじみの丸い揚げ菓子も売られていた。トルコでは「ロクマ」、ヨルダンでは「アウワーメ」と呼ばれていた。

 

 

帰りのフェリーではチャイを飲んだ。イスタンブールのフェリー、最高だ。

 

 

ホテルに戻ってラフマジュンとビールで夕食。鯖サンドの鯖は、途中で半分以上猫にあげてしまったので、ほぼパンだけ。

 

 

ラフマジュンにはサラダが付きもの

 

開いたらこんなかんじ。(ボケた)

 

 

 

(参考)

ウィキペディア「マルウィヤ・ミナレット」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%A4%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88

 

絶対に喜ばれるトルコ土産!ロクムの老舗ハジュ・ベキル

https://tripnote.jp/istanbul/sweets-for-souvenir-haci-bekir

 

イスタンブールの老舗トルココーヒー専門店"メフメット・エフェンディ"

https://tokuhain.arukikata.co.jp/istanbul/2017/01/post_543.html

 

トルコの揚げドーナツ~ロクマ

http://www.gurumetoruko.com/2019/05/07/%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%81%AE%E6%8F%9A%E3%81%92%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%84%EF%BD%9E%E3%83%AD%E3%82%AF%E3%83%9E/

 

ウィキペディア「ラフマジュン」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%9E%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%B3

 

トルコに行くなら一度は味わいたい!おすすめの食べ物や飲み物を紹介

https://turkish.jp/turkey/%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B3%E6%96%99%E7%90%86/

 

 

(続く)

コメント (3)
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