外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(34)~イタリア南部バジリカータ州への旅・アリアーノ到着編~

2020-11-10 09:15:54 | イタリア

 

 

今回は、バジリカータ州のマテーラからアリアーノに到着した時の話。(前回の話

 

バスのチケットを買ったお店の人の話では、14時発のサンタルカンジェロ行きの路線バスに乗れば、そのバスがアリアーノまで行くという話だったが、14時近くまで待ってもそれらしきバスはやって来なかった。その間、様々な会社のバスがやってきては、ターミナルに群れていた学校帰りの子供たちを乗せて、次々出発していった。

 

う~む。本当にサンタルカンジェロ行きのバスは来るのだろうか。 

 

不安になった私は、握りしめていたチケットに印刷されている「cotrab」(バジリカータ運輸会社連合 Consorzio Trasporti Aziende Basilicataの略)のマークが入っている停車中のバスのところに行き、サンタルカンジェロ行きのバスはいつ来るのか運転手さんに質問してみた。

 

彼の話によると、このバスはサンタルカンジェロには行かないが、これに乗ってスカンツァーノ(おそらくScanzano Jonicoのこと)で別のバスに乗り換えれば、アリアーノに行けるという。「アリアーノに行きたいなら、乗り換えのバスが来るところで降ろしてあげるから、乗りなさい」と言ってくれたので、よくわからないまま乗り込み、窓際に座る。バスは間もなく出発した。

 

 

このコロブラーロ行きのバスに乗った。親切な運転手さんで助かった。

 

 

バスは大きくて真新しく、エアコンが効いていて快適だった。

 

乗るはずだったバスが来ず、行先のよくわからないバスに乗り込んで、運転手さんの言葉を頼りに前に進んでいく。こういう旅をイタリアでやったことはなかったが、アラブ諸国ではありがちなことだったし、時間も早かったので、あまり焦ることなく、のんびりした気分で窓の外を眺めていた。旅の経験を重ねていくと、多少のことでは慌てなくなるものだ。単におばちゃん化現象かもしれないが・・・

 

 

バジリカータ州を含むイタリア南部諸州でバスを運行している会社「SITA SUD」のサイト。

https://www.sitasudtrasporti.it/orari/basilicata

私が乗ったのはこの会社のバスだと思われる。

 

 

車窓から見えていたのは、オリーブの木立などの見慣れた風景だった。

 

 

ある時点で(おそらく約1時間後)運転手さんが私に声をかけ、「ここで降りてあのバスに乗りなさい」と、乗るべきバスを指さして教えてくれた。チケット代の清算は、乗り換えたバスの方ですればいいとのことだった。

 

 

教えられたバスに乗る前、行先表示を確かめたら、ちゃんと「アリアーノ」(Aliano)と書いてあった。よかった、無事に着きそうだ。

 

 

ベンツのバス。こちらも大きくて綺麗で快適だった。

 

 

年配の運転手さんに事情を説明し、アリアーノまでの追加料金を1.5ユーロ払ってから窓際に座る。他の乗客は地元の人らしき人達が数人だけで、アリアーノに着くまでに1人、また1人と降りて行った。最後まで残ったのは私だけで、さすがに少し心細かった。

 

 

バスは小さな町をいくつか通り抜けて、だんだん辺鄙な土地に入っていく。終点のアリアーノに着いた時は、もう夕方の17時近かった。合計3時間近く乗っていたことになる。アリアーノは石造りの建物が並ぶ、小さくて可愛らしい町に見えた。運転手さんに行先を尋ねられたので、宿の名前を教えたら、その近くに停車してくれた。私がスーツケースを運んでいたので、気を遣ってくれたのだろう。バジリカータ州、親切な人が多いな・・・

 

 

予約していたB&B「la Casa dell'Americano」(アメリカ人の家)は、鍵が閉まっていたが、電話したらすぐに経営者らしき人が来てくれた。宿賃を前払いして鍵を受け取り、部屋の設備や朝食等について説明を受ける。彼は同じ建物のリストランテも経営していて忙しいらしく、説明を終えるとすぐに去っていった。宿泊客は私1人のようだった。

 

 

B&Bは2階にあり、左の入口から入る。1階はリストランテ

 

 

ドアには、「わざわざこんなとこまで来るなんて物好きやな」とでも言いたげな顔の天使(?)が付いている。おっしゃる通りですわ・・・

 

 

部屋は比較的広めで、クラシックなインテリアで清潔だった。エアコンもテレビもミニ冷蔵庫も付いて35ユーロは安い。

 

 

 

久しぶりに冷蔵庫付きの宿に泊まったのに、入れるものがなかった・・・

 

 

荷物を置いてから、まずバスの窓から見えた観光案内所に行ってみることにした。帰りのバスの時刻を調べないといけないからだ。17時に閉まるかもしれないから、急がなければいけない。

 

 

(続く)

 

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする