私がよく行くお風呂はいくつかあるのだが、最近はいわゆる銭湯と呼ばれるお風呂が気に入っていて毎週のように行っている。
銭湯なので料金は大人440円ほどと安いのだが、石鹸やシャンプー、タオルなどは自前で持て行かなければいけない。
最初は面倒かなとも思ったが、今や銭湯用のかごにすべて詰め込んで、いつでも行けるようにスタンバイしている。
銭湯と言っても広々とした露天風呂はあるし、サウナもあるし、電気風呂やトルマリン?風呂など、付加価値をつけたお風呂が揃っている。
私は家族と行くので、長女と一緒に入ることが多いのだが、長女が一緒だと「熱い、のぼせる、もう出たい」と言うので、忙しくバタバタと上がらなければいけない。
そこで、ゆっくり入っていたいな~と思う時は、ひとりで銭湯に行くことにしている。
ゆっくり時間を気にせずに一人でお湯に浸かっていると、周囲の会話が聞くともなしに聞こえてくる。
私がよく行く銭湯は年代が高い層が多く来ているのだが、主婦なのだろうか・・・料理の話をしている女性二人がいた。
どうやらうどんの作り方を一人の女性がもう一人に教えているらしかった。
「わたし、うどんはいつも鍋焼きにするの。肉だとか野菜だとかさ、いろんなもの入れてね。おいしいよ~」
「なるほどいろいろと入れるのか。確かにおいしそうだわ・・・」
私も頭にタオルをのせてお湯に浸かりながら、彼女たちに向けた背中でうどんの作り方を聞いていた。
次にやってきた二人の女性たちは70代くらいなのだが、こちらはスポーツの話題でプロゴルフの話だった。
私はゴルフはやらないので、うどんの作り方に比べると、まったく興味はなかったが、やはり聞くとは無しに話が聞こえてくる。
「韓国の〇〇〇という女性選手、最近人気あるけど、ちょっとスカート短すぎないかい?」
「ホント、ホント、あれじゃ、おじさんたちのファンが多いのも分かるよ」
「な~んだ、プレーの話じゃないのか」と思っていたら、今度はやはり二人組の60代くらいの女性たちが入ってきた。
お湯に入りながら、株式投資の話をしていた。「あの会社は評価は低いけど分配率はいいんだよ」などと話している。
なんだか難しそうなので、しばらく浸かってから、私はまた別のお風呂へと移動することにした。
長女と二人で入っている時には分からなかったけど、銭湯っていうのは今も庶民の社交場なのかもしれない。身体を洗うだけではなく、こうしていろいろな話をして楽しんでいる。
さて、移動したお風呂には先客の女性が入っていて、湯船の中から見られるようになっているテレビを観ていた。
テレビではプロ野球の試合がやっていて、ちょうど日ハムの試合中だった。(というか、北海道では日ハムの試合以外はほとんどやっていない)
私は野球ファンではないけど、ルールのよくわからないゴルフより、まだ野球の方が見ていて飽きないかもしれない。
先に入っていた高齢のおばさんはいかにも日ハムファンと言った様子で、テレビから目が離せないようだった。
ちなみにこの時は日ハムの連敗が止まらない時で、「昨年は優勝したから、今年はもういいんでないの」な~んていうあきらめと負け惜しみムードが漂っていた。
私もお湯に浸かりながら、なんとなくテレビの野球中継を見ていたら、突然バッターが大きな当たりを打って、ランナーがホームベースに帰ってきた。
テレビからは興奮した野球中継の声と歓声が流れてきた。
「打った?打ったの?今、何点さ」と突然、お風呂の中でおばさんに聞かれた。
「私、目が悪くてテレビがよく見えないんだよ」と言うので、私が見てあげた。
テレビ画面を見て「あっ、七点目はいりましたよ」と言うと、おばちゃんはお湯から身を乗り出して「七点目が入ったって!すごいじゃない、日ハム!!」と喜んでしまった。
しかし、せっかく喜んだおばちゃんを奈落の底に突き落とすようで申し訳なかったが「七点目が入ったのは相手チーで・・・」と教えると、おばちゃんはがっくりと湯の中に沈んでいった。
「相手に七点も入ったって。やいやいや~、わやだわ」
おばちゃんの言った「やいやいや~、わやだ」というこの言葉、とてもなつかしい・・・
「やいやいや~」もしくは「やんやんや~」というのだが、これらの言葉は最近まで日本全国で使われている言葉だと思っていたのだが、そうではないということを知った。
「やんややんや」という言葉があるが、この意味とはすこし違っていて「やいやいやぁ」とか「やんやんやぁ」というのは「やれやれ」というような意味で、どちらかと言うとネガティブな時に使う。
それに続く「わやだ」は「ひどい」という意味なので、このおばちゃんは「やれやれ、ひどいものだ」と言ったのだった。
おばちゃんの懐かしい言葉を聞いて以来、注意して家族や周囲の人の言葉を聞いていると、けっこうな確率で「やいやいやぁ」を言っている事が分かった。
しかし「そういうお母さんもよく言うよ」と長女に指摘されてしまった。
「やいやいやぁ、そうだったかい?」
というわけで、銭湯通いはやっぱり楽しいです・・・
銭湯なので料金は大人440円ほどと安いのだが、石鹸やシャンプー、タオルなどは自前で持て行かなければいけない。
最初は面倒かなとも思ったが、今や銭湯用のかごにすべて詰め込んで、いつでも行けるようにスタンバイしている。
銭湯と言っても広々とした露天風呂はあるし、サウナもあるし、電気風呂やトルマリン?風呂など、付加価値をつけたお風呂が揃っている。
私は家族と行くので、長女と一緒に入ることが多いのだが、長女が一緒だと「熱い、のぼせる、もう出たい」と言うので、忙しくバタバタと上がらなければいけない。
そこで、ゆっくり入っていたいな~と思う時は、ひとりで銭湯に行くことにしている。
ゆっくり時間を気にせずに一人でお湯に浸かっていると、周囲の会話が聞くともなしに聞こえてくる。
私がよく行く銭湯は年代が高い層が多く来ているのだが、主婦なのだろうか・・・料理の話をしている女性二人がいた。
どうやらうどんの作り方を一人の女性がもう一人に教えているらしかった。
「わたし、うどんはいつも鍋焼きにするの。肉だとか野菜だとかさ、いろんなもの入れてね。おいしいよ~」
「なるほどいろいろと入れるのか。確かにおいしそうだわ・・・」
私も頭にタオルをのせてお湯に浸かりながら、彼女たちに向けた背中でうどんの作り方を聞いていた。
次にやってきた二人の女性たちは70代くらいなのだが、こちらはスポーツの話題でプロゴルフの話だった。
私はゴルフはやらないので、うどんの作り方に比べると、まったく興味はなかったが、やはり聞くとは無しに話が聞こえてくる。
「韓国の〇〇〇という女性選手、最近人気あるけど、ちょっとスカート短すぎないかい?」
「ホント、ホント、あれじゃ、おじさんたちのファンが多いのも分かるよ」
「な~んだ、プレーの話じゃないのか」と思っていたら、今度はやはり二人組の60代くらいの女性たちが入ってきた。
お湯に入りながら、株式投資の話をしていた。「あの会社は評価は低いけど分配率はいいんだよ」などと話している。
なんだか難しそうなので、しばらく浸かってから、私はまた別のお風呂へと移動することにした。
長女と二人で入っている時には分からなかったけど、銭湯っていうのは今も庶民の社交場なのかもしれない。身体を洗うだけではなく、こうしていろいろな話をして楽しんでいる。
さて、移動したお風呂には先客の女性が入っていて、湯船の中から見られるようになっているテレビを観ていた。
テレビではプロ野球の試合がやっていて、ちょうど日ハムの試合中だった。(というか、北海道では日ハムの試合以外はほとんどやっていない)
私は野球ファンではないけど、ルールのよくわからないゴルフより、まだ野球の方が見ていて飽きないかもしれない。
先に入っていた高齢のおばさんはいかにも日ハムファンと言った様子で、テレビから目が離せないようだった。
ちなみにこの時は日ハムの連敗が止まらない時で、「昨年は優勝したから、今年はもういいんでないの」な~んていうあきらめと負け惜しみムードが漂っていた。
私もお湯に浸かりながら、なんとなくテレビの野球中継を見ていたら、突然バッターが大きな当たりを打って、ランナーがホームベースに帰ってきた。
テレビからは興奮した野球中継の声と歓声が流れてきた。
「打った?打ったの?今、何点さ」と突然、お風呂の中でおばさんに聞かれた。
「私、目が悪くてテレビがよく見えないんだよ」と言うので、私が見てあげた。
テレビ画面を見て「あっ、七点目はいりましたよ」と言うと、おばちゃんはお湯から身を乗り出して「七点目が入ったって!すごいじゃない、日ハム!!」と喜んでしまった。
しかし、せっかく喜んだおばちゃんを奈落の底に突き落とすようで申し訳なかったが「七点目が入ったのは相手チーで・・・」と教えると、おばちゃんはがっくりと湯の中に沈んでいった。
「相手に七点も入ったって。やいやいや~、わやだわ」
おばちゃんの言った「やいやいや~、わやだ」というこの言葉、とてもなつかしい・・・
「やいやいや~」もしくは「やんやんや~」というのだが、これらの言葉は最近まで日本全国で使われている言葉だと思っていたのだが、そうではないということを知った。
「やんややんや」という言葉があるが、この意味とはすこし違っていて「やいやいやぁ」とか「やんやんやぁ」というのは「やれやれ」というような意味で、どちらかと言うとネガティブな時に使う。
それに続く「わやだ」は「ひどい」という意味なので、このおばちゃんは「やれやれ、ひどいものだ」と言ったのだった。
おばちゃんの懐かしい言葉を聞いて以来、注意して家族や周囲の人の言葉を聞いていると、けっこうな確率で「やいやいやぁ」を言っている事が分かった。
しかし「そういうお母さんもよく言うよ」と長女に指摘されてしまった。
「やいやいやぁ、そうだったかい?」
というわけで、銭湯通いはやっぱり楽しいです・・・