我が家では家族全員に一斉に同じ内容が送信される家族ラインと、個人同士で連絡を取り合うラインの二つを利用している。
ラインは情報が漏れるので、重要なことは書かない方がよいと聞いたが、家族ラインも個人ラインも、書く内容は、どこの店の何という料理が美味しかったとか、いつ帰るコールとか、わりとどうでもよい内容のため、あまり心配せずに使っている。
そんな家族ラインに長男からメッセージがきた。
それは本の紹介で「中村天風さんの本を読んだけれど良かったから、読んでみて」とのことで、特に私と夫に向けてのメッセージだったみたいだ。
長男からのラインには「運命を拓く」という本の中から抜粋した中村天風氏の言葉が書かれていた。
自然の摂理として、本来人間は一生自己向上し続ける生き物であり、齢は関係ない。その摂理に反するのであれば急速に老衰を早める。
先日長男と会った時に、私が英語に夢中になっていることと、夫が友だちと旅行に行く計画を立てているということを話したことから、この言葉を送ろうと思ったようだ。
メッセージの最後に「英語をやったり、旅行に行ったりするのはいいことだよ」と書かれていた。
夫の方はどうかはわからないが、私は英語を始めて約二ヶ月近く、毎日時間を見つけては、せっせと学習に励む日々を送っていて、英語学習が楽しくて仕方がない。
学生時代にこの情熱があったなら、今頃もうちょっと英語がマシになっていただろうとさえ思う。
本来、凝り性なのと語学の勉強が嫌いじゃなかったので、齢(よわい)63歳にして英語にハマってしまった。
「今はスマホがあれば、言葉がわからない外国人とも会話できる」と聞いた時には、「えーー!じゃあ外国語の勉強しなくてもいいじゃないの」とがっくりしたが、いやいや、スマホを持っていないサウナの中で話しかけられた時は、やっぱり英語が話せた方がいいと気を取り直した。
(果たしてサウナで外国人に会うかはわからないが)
本当は少し習ったことがある中国語もまた始めたいのだけれど、これ以上語学の学習に時間を取ることは難しい。
英語ひとつでも、つい夢中になって時間を忘れ、気がつけば食事の支度をする時間が過ぎていて大慌てなのに、中国語も始めたら完全にご飯が作れないことになると思う。
読みたい本もあるし、観たい動画もあるしで、今はいくら時間があっても足りないなんて感じる。
でも、このように感じることができることはとてもありがたいことと思う。
ところで中村天風さんの御本は、一時期ずいぶん読んでいて勉強になることが多かった。
今は長男が読んでいると聞いて感慨深い。
感銘を受けた中村天風さんの言葉をもうひとつ。
生命の生存を確保する生き方は、第一に『心』の態度を終始一貫、いかなる場合があろうとも積極的であらしめることです。
およそこのことぐらい人生および生命に対して大事なことはないのであります。
人間が生きるということは、生命の存続を維持することだが、生命の存続というと、たいていの人は肉体が健康で生きられることを考えてしまう。
どんな食事がいいとか、どんな薬がいいとか、肉体本位にばかり考えて、それが健康になる唯一の手段だと思っている(健康オタクとして深く反省、、、)
しかし「それよりも大事なことは心だよ」と中村天風さんはおっしゃっる。
たとえ身体に病があろうと、心が満たされていれば幸せな人生が送れるということだろう。
歳を重ねるに従って、新しいことを始めるのが、どんどん億劫になってきたのだが、中村天風さんが言われるように積極的に何かをやってみることは、心の健康に大切なことであったと、今とても実感している。