筑波実験植物園で行われていた「つくばらん展」で見かけた野生のコチョウランです。フィリピン原産で薄い紅色の花が特徴です。現在園芸用に販売されている美しい胡蝶ランの交配親として知られています。かつては形の良い美しい色の胡蝶ランを交配によって作出していました。
つくば実験植物園で毎年開催されるらん展が今年は、「青い胡蝶ラン」の特別展示に合わせて植物園が保有する野生の胡蝶ランについても説明・展示されていました。それによれば、野生のファレノプシス(コチョウラン)は、東南アジアを中心に約50種が確認されているとのことでした。その多くは、小さくて地味な花が多いし、葉も小さいものは、インド~タイに分布する長さが10cm程度のヂリティス・パリシーというものから、大きいものではボルネオ島などに自生するファレノプシス・ギガンティアという種類があり、その葉は1m以上にもなり、現地では「象の耳」と呼ばれているようです。園芸用の胡蝶ランの交配元として多く使われるのは、フィリピン~オーストラリア北部にかけて分布する写真のファレノプシス・アマビリスという種であると説明されていました。初めて見る野生のコチョウランを少しご覧ください。