子供の頃はよく見かけた麦畑も最近は減ってしまいました。麦の穂を見ても何の麦かもわかりません。そこで、筑波実験植物園は、小学生などの観察のために少量ですが、麦や豆など野菜・果物を栽培して展示しています。食の多様性展示区画です。麦は6月初旬には実って黄色くなります。これを秋に採れるコメの収穫に時期と比較するため、「麦秋」と表現することがあります。なんとも風情がある日本らしい良い表現ですね。
鮮やかな朱紅色のレンゲツツジも美しいですが写真のように淡いオレンジ色の花もまた、なんとも言えず美しいと思います。説明によれば、日本固有種で、全木に痙攣毒を含み、呼吸停止を引き起こすこともある有毒植物です。放牧地では、牛もこの植物は危険であることを知っており、食べませんので、レンゲツツジが群生地として残ったと言われています。しかしながら、牛肉などを輸入に頼るようになってから放牧されなくなり、牛がツツジの周りの草を食べなくなったため、ツツジも生育できずに荒れてしまっているのが実情だそうです。食物の連鎖がこのようなところにも影響しているんですね。自治体によってはツツジを守るためにコストをかけて放牧をしているところもあると記されていました。
多年草の高山植物で、北海道の知床半島や北アルプス燕岳などで生育が確認されているようです。秋田・福島県などではほとんど見かけられなくなって、絶滅寸前(絶滅危惧IA類)に指定して保護されているそうです。環境省は自然公園指定植物として最終を禁止して保護しているとか。花の形が馬の頭・顔に似ています。珍しい植物ですね。