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2月26日(土) 晴
散歩の帰り道に、商店街にあるタイキ商店に立ち寄った。
昔なじみの何でも屋さんで、取り揃えた日用品は、食品が多く、ほかにも洗剤やキッチン用品、軽い婦人物のアウターやソックス、マフラーなど、多岐に及ぶ。
28年前、抗がん闘病中に突然夫に逝かれた私は、生きる希望も張り合いも無くし、このお店まで歩くことが毎日の日課で、緩やかな坂道を途中で立ち止まって腰を伸ばし大きく息を吸って、吐いて、またゆるゆると歩き出すという、今にも倒れそうな抗がん患者であった。
体力にはもとより自信はなく、足は鉛の錘を付けたように重く、すぐに息切れがし、自分の死ぬ日を数えては、歩きながらほろほろと泣いた。
そんな頼りない心身を自覚しつつ、夫の仏事・法事に没頭し、般若心経を毎朝3巻ずつ唱えて、辛うじて生きていた。
あの頃からすでにタイキ商店はこの地に在って、とりわけ子どもたちが学校から帰って、お小遣いを持って集うお店でもあった。
徒歩10分の近くにメガドンキが出来て、買い物の利便性は増したけれど、私たちはなぜか日配品をこのお店に買いに来る。
「この間、『おばちゃん、ボクのことを覚えてませんか?』と若いお父さんに聞かれて判らなかったのが、お子さんの顔を見てすぐに思い出したの」。
父親に叱られて、母鳥の胸に飛び込む子鳥のように、お店のおばちゃんを頼った子供さんが、今年になって父子二代で買い物に来てくれた嬉しさを、タイキさんは体中で話してくださった。
「そうそう、子どもさんたちに1個ずつ挙げてるの。 黒糖飴、体によろしいから、どうぞ貰ってね」
よろよろと、まことに覚束ない足取りで歩いていた28年前は、いま私の人生に影も無い。
生きなくては!
生きて行かなくては!!
タイキさん、皆さま。 ほんとうにありがとうございます。
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入り口には、電動式の消毒器が置かれ両手を出せばセンサー感知で、シュッと消毒液が噴射される。
「子どもたちの集う店内だから、ひとしお気を配ってコロナを出さないようにしているの」。小柄なタイキさんが、大きく見えた。
昔はあちこちに人情溢れるこういう店がありましたね。
今は利便性や効率が優先されるのは致し方ない面もありますが少し寂しくもありますね。
地元に密着したタイキ商店のような店は貴重な存在ですし、子供たちの心にも思い出と共に人情をも育てるような気がしますので長く存続してほしいものですね。
何気ない日常のようですが、ほのぼのとする思いで読ませていただきました。
さくらさん、今日も私の記事へのコメントをいただき、ありがとうございました。
夫婦で感謝しております。
ご賢察のとおり、地域の子どもたちのあるべき情緒を育て、語近所さんとの絆づくりにも寄与しておられる「なんでも屋さん」。本当に何でも扱っておられるジモティ・コンビニとも言えましょう。