悲しき北風

家に帰る度に、廊下に積み上げられる、段ボールの数が増えています。

引越しの日が確実に近づいているのですが、私には冷蔵庫の中の物が減っていくコトの方が、引越しがすぐだと云うことを実感させられます。

今日も帰って中を覗いてみると、普段の食材は減ったのに、どう云う訳か缶ビールだけが増えてました。

夏はともかく、この時期は週末しか家でビールを飲まないのに、山ノ神が平日飲んでもいいように、ビールを切らさないようにしてくれてました。

引越しの日まで出来るだけ、冷蔵庫の中はキレイにすると言っていたのに、私しか飲まないビールを、わざわざ入れておいてくれたのです。

仕事でも飲んだ席でも、自分中心の人ばかりをイヤと云うほど見ているので、こんな些細な配慮ですが、身近であることだけに、一層嬉しくなります。

時々、山ノ神が小説「日本婦道記」の、「松の花」のモデルに重なって見える時は、こんな時でございます。

珍しく女房を褒めてしましいました。

明日こそ、槍が降ると思います・・・

その女房が今週から、朝、ベランダで洗濯物を干す時に、北風が冷たいとよくこぼしております。

夏場はその風が心地良かったのですが、数日前から違う面を見せ始めました。

冬が近いから仕方ないのですが、ここに住んでベランダからの眺めや風は、数少ないお気に入りだっただけに、何か裏切られたような気になります。

風も人間と同じで、最後まで見て判断しないと、ダメと云うことなのでしょうか？