CubとSRと

ただの日記

問題(の本質)を見詰めようとせず、解決しようとする。

2020年05月25日 | 日々の暮らし
2016.09/17 (Sat)


 (2015/02/09 (月))の「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より
  宮崎氏による書評

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 歴史は指導者と英雄が動かすのであり、大衆が歴史を作ることはあり得ない
  戦後の歴史家は不毛の解釈を持ち込んで英雄を全部抹殺した

 ♪
福田恒存『人間の生き方、ものの考え方』(文藝春秋)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 殆ど福田氏の作品は全集に収められ、漏れているものはないと考えられてきたが、講演の記憶が残っていた。
昭和37年から50年にかけて国民文化研究所が阿蘇で行った学生合宿に四回呼ばれた福田氏は、そこで学生達と真剣に対話している。本書はその四回の講演録である。編集した国民文化研究所に寄れば、いずれも事後に福田氏の朱筆が入っているという。
 「秩序を守るために当然冒さなければならない悪というものがある。それに耐えてゆく、それが思想というものだ」と福田氏の箴言に満ちあふれている本書は、はじめて日の目を見た講演録である。
 評者(宮崎)も学生時代に福田氏の講演は何回か直接聴いたばかりか、二回ほど講演に来ていただいた。辛辣なジョークや箴言に溢れていて、平明な言葉なのに、中味はつねに論争的で、いかに解釈してよいものか、迷ったことも往々にしてあった。
 たとえば福田氏はこういうものの言い方をされる。
 ものごとを『解決』したいと思わない方が良い、と。
「混乱の姿というものが本当に私たちの目に映っていたなら、解決はそれぞれの人に応じて当然起こって来るはずであって、混乱の自覚がないのにいきなり解決の道を説いたり、また解決のために一所懸命に努力したところで、ますます混乱を重ねるばかりだと考えます。だから大事なことは解決を急ぐことではなく、混乱している現実を誰でもがその人なりにはっきりと見極めることだ」
先に『解決』の道を示す社説を得意になって鼻を鳴らしながら偉そうに書く某大新聞の論説委員らに訊かせたい。政治家は耳の垢をほじり出して、澄ませ。

この言を援用して言えばウクライナ問題の解決を急ぐ必要はない。
ロシアとウクラナイナの当事者の力関係と指導者の力量で、ものごとは自然と流れが出来るのであり、オバマが口先で介入し、ロシアが欧米の言うことを訊かないとばかり制裁を強めるのは混乱に輪をかけているような醜態であり、メルケル独首相はそれが分かっているから、モスクワとワシントンをいったり来たりしているのだ。
道を説くのは止めにしたら如何かと福田氏が、もしいま生きておられたらそう言われるに違いない。

歴史論争についても、マルクスにかぶれた左翼史家ばかりか、ウルトラナショナリストヘの警告もなされる。
「歴史はすでに存在してしまったものです(中略)。ところが日本の歴史は既に存在しているということを、今の歴史家たちはどうやら忘れている。つまり歴史は親みたいなもので、私たちは日本の歴史の子供なのであります。その子供の立場から過去の歴史を裁いていこうというものの考え方は既に間違っている。歴史をして私たちに仕えしめてはならない」のである。
古代から中世にかけての歴史を、マルクス主義とか、階級闘争とか後智恵のプリズムでああだこうだと言っても始まらない。左翼の歴史家らは根本の間違いに気がついていないというわけだ。


 ▼革命を一般大衆や人民蜂起で成立したという解釈は戯言である

またこうも言われる。
(革命とか維新とかが)「本当に民衆が目覚めて立ち上がったなどという馬鹿なことは今まで一度も行われたためしがない。(中略)時代の先覚者、指導者によって歴史は動いていく。ところが、戦後は指導者によって歴史が動くことを全部否定して、大衆が歴史を動かしたという風に無理に解釈しようとした。従って、一時いわれたように、人間不在の歴史、英雄を全部抹殺した歴史が教えられました」
いや、戦後のことではなく近代の日本がそうだったのだ、と福田氏は続けてこう述べられている。
「日本は明治以来近代化というものを非常に大きな価値に祭りあげるという過ちを犯し続けて来ました。これも私たち後進国の歴史的必然性であり、宿命的なことがらであると思います。先進、後進だけでものを考えることが殆ど日本人の価値観になってしまったと思われる(中略)、戦後はそれが極端になり、殊に唯物史観に彩られた」
近代化信仰について辛口の揶揄でもある。
そして、そうした近代史絶対史観ともいえる考え方は、近年の「人命尊重」イズムという軽薄な、馬鹿げた風潮になり、日本人の脳幹を冒した。病膏肓に入る、とはこのことで「人命は地球より重い」とダッカ人質事件がおこり、また今回も『イスラム国』によって執られた人質に巨額の身代金を支払う愚考があった。
諸外国が日本を侮蔑するのは、このような非現実的な態度への反発が含まれているのではないのか。
人質犯罪は殺人以上に凶悪な犯罪であり、「もし彼らの要求を入れて人質の命を助けるために、明らかに犯罪者として逮捕している人間を釈放するということになれば、国家、政府の権力が彼らよりも弱いということを立証する」
しかし福田赳夫とちがって政治家の資質に優れた安倍首相は「イスラム国」のテロリストに屈しなかった。

     (転載了)
 
  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 《ものごとを『解決』したいと思わない方が良い》
 「混乱の自覚がないのにいきなり解決の道を説いたり、また解決のために一所懸命に努力したところで、ますます混乱を重ねるばかりだと考えます。」
「大事なことは解決を急ぐことではなく、混乱している現実をその人なりに見極めることだ。」

 これ、昔学校で聞いた「疑いを持て」ということの間違い、本当は「疑問を持て」であることを示しているのだと思います。
 疑いを持ったら、それは疑心暗鬼に陥るしかない。でも、「疑問」ならば、それは「問題を理解しよう、そのために問い掛けることをしよう」、という肯定的な姿勢と積極的な実行動を生み出します。
 疑問も持っていないのに、いきなり解決策を講じたって、聞く耳を持てないでしょう。何より、「己の能力の範囲内でしか理解(把握)できない」のです、 そこへ向けて「問題はこうだ、その解決法はこうでなければならない」というのは有難迷惑、大きなお世話でしかありません。
 井上陽水に「小さな手」という歌があります。その中にこんな歌詞があります。
「~不幸はこの手でかかえられないし 幸せはこの手ではこぼれてしまう 小さな手~」
理解能力そのものの話、と言えるでしょう。でも、歌詞にある「小さな手」は大きくならないけれど、「理解能力」は当人のやせ我慢、それなりの努力などによって大きく深くすることができる。
 それを福田恒存氏は
「大事なことは解決を急ぐことではなく、混乱している現実をその人なりに見極めることだ」
と説明されています。
 「その人なり」の「見極め」ようとする努力が大切なのであって、「混乱の自覚がないのにいきなり解決の道を説いたり、また解決のために一所懸命に努力したところで、ますます混乱を重ねるばかりだ」と。

 《日本の歴史は既に存在しているということを、今の歴史家たちはどうやら忘れている。つまり歴史は親みたいなもので、私たちは日本の歴史の子供なのであります。その子供の立場から過去の歴史を裁いていこうというものの考え方は既に間違っている。歴史をして私たちに仕えしめてはならない」のである。》

「歴史は既に存在している」のに、その事実を見ようともせず、理想論を振りかざす。「日本はテロルの対象だ」と言われたならば「だからあの時総理がもっと慎重な物言いをすれば」と言い、間抜けなことに「彼らに九条の説明をしよう」と画策することが事態の好転を生むのか?です。
 今の時点で、今の物差しで、過去の歴史を裁定することにどれだけの意味があるのか、「駄目なものはダメ」、で未来を切り拓けるのか。子供が親の裁定をすることで、その子供は親を超えることができるのか。

 脱線しますが、産経新聞に連載中の「ひなちゃんの日常」というマンガで、幼稚園児のひなちゃんがバレンタインデーのチョコレートを作っている。
ひなちゃん「いちばんよくできたのはパパのです。しっぱいしちゃったのはひなのです」
パパ「(どれが一番よく出来たチョコ?)」
目の前にはいびつなチョコばかりが並んでいます。
善意のかたまりみたいな話ですが、ひなちゃんの言う「いちばんよくできたチョコ」は、ひなちゃんの裁定でしかありません。裏返したら「駄目なものはダメ」と同じです。

 善意からの行動というのは何よりもの救いです。
 けれど新しい社会づくりのために、それまでの社会を否定する気満々、ならどうなるでしょうか。
 歴史を我々の召使いにしてはならない。我々は歴史から何かを学ぶのだ。何故なら我々日本人は日本の歴史の子供(日本の歴史の中に生まれた、歴史を織りなす者)なのだから。

 《「本当に民衆が目覚めて立ち上がったなどという馬鹿なことは今まで一度も行われたためしがない。》
 《時代の先覚者、指導者によって歴史は動いていく。ところが、戦後は指導者によって歴史が動くことを全部否定して、大衆が歴史を動かしたという風に無理に解釈しようとした。従って、一時いわれたように、人間不在の歴史、英雄を全部抹殺した歴史が教えられました》

 何だか厳しい言葉のように見えますが、これも至極当然のことでしょう。「民衆」というぐらいです、一人ではない。
 多くの人々が目覚めて立ち上がる。誰が纏める?「船頭多くして、~」になることは自明の理。
 でも、それなら「先覚者」「指導者」はどこから出てくるのか。間違いなく同じ国民から出てくるんです。決して他国から稀人(まれびと)がやってきて日本国民を導くわけではない。
 だから指導者の存在を否定する、というのは事実を見る限り不可能だし、ナンセンスです。 でも、我々は戦後教育で確かに偉人も英雄も居なかった、と教えられてきました。で、そこから何が生まれるだろうか。

 福田氏は、
 「近代化を重視するあまりに、それ以前を考えることなく、結果、必然的に軽視してしまっていた」
 、と説きますが、それは仕方のない事だ歴史的必然性なのだ、とも言います。
 けれど、「戦後はそれが極端になり、殊に唯物史観に彩られた」がために日本人は脳幹まで侵されたのだ、と。

 では、我々はどうしたらよいのか。
 そこから先は自分で考えるべきである、と福田氏は最初に言っています。

 「大事なことは解決を急ぐことではなく、混乱している現実をその人なりに見極めることだ。」

 選挙前だけ候補者の情報を集め、重大事件が起こった時だけ、マスメディア、或いはネットの情報を参考に自分の考え(だと思っているもの)を口にする。
 これでは「その人なりに見極めること」にはならないでしょう。

 例によって自責の念に駆られるしかない、のですが。


         ( 2015年2月14日の日記より)

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「二重国籍、法的には問題ない」
 「豊洲市場移転問題、訴追されるべきは誰か」
 等々。

 選挙前だけ候補者の情報を集め、重大事件が起こった時だけ、マスメディア、或いはネットの情報を参考に自分の考え(だと思っているもの)を口にする。
 これでは「その人なりに見極めること」にはならないでしょう。
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東京新聞が何故変なのか。やっと腑に落ちた。

2020年05月25日 | 日々の暮らし
2017.07/09 (Sun)

 宮崎正弘氏による書評です。
 ( 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成29年(2017)7月8日(土曜日) 通算第5345号から)

長谷川幸洋 vs ケント・ギルバート『大放言!』(ビジネス社)

 テレビで評判をとった番組の発言当事者が左翼偏向マスコミの本質をばっさりと斬り合う趣向が凝らされ、激論、激辛なトーンでフェイクニュースの本質に潜む左翼の陰謀を俎上に載せる。
 快刀乱麻だ。
 発端はある番組で「正論」を述べたところ、長谷川氏が東京新聞で降格人事となり、社会問題化した。このような事件を見ていると「日本にはたして言論の自由はあるのか?」と誰もが疑うだろう。
 評者(宮崎)はテレビを見る習慣がないので、この事件を本書を読むまで、まったく知らなかった。

 ケントさんとは四半世紀を超える付き合いだが、長谷川氏のことはまるで知らない。東京新聞の論説副主幹だったことを初めて知ったほど。あの朝日より左のバカ新聞に、こういう真面目な人がいるんだというのが評者の初印象である。

 東京新聞は評者が学生時代はまともな新聞だった。文化欄は充実していたし、梅原一雄、漆原成美らの論客、「こちら特報部」には上之郷某ら花形記者がいた。
 それがおかしくなったのは中日新聞が買収し、名古屋から進駐軍がやってきたあたり。ならば中日新聞が左傾したのは、革命勢力が強いからかと言えば、そうではなく、伝統的に尾張徳川家の中央への怨念から来る反権力の宿痾的な体質である。
 尾張徳川は戊辰戦争のおり真っ先に裏切って薩長軍に投降した経緯を思い出すのである。

 さて「事件」とは1月2日放送の「ニュース女子」という番組の討論の中味にあった。

 「日本の公安調査庁がまとめた『内外情勢の回顧と展望』と題する2017年の年次報告書を井上和彦さんが持ってこられました。その報告書には『反対運動には中国の影が感じられる』というような既述がありました」(長谷川)
 「翁長知事が沖縄のリーダーになって以来、辺野古への基地移転反対闘争は一気にヒートアップしています。移設反対を訴える急進的左翼や暴力的過激派による、基地容認派への脅迫や、米兵とその家族への攻撃も行われています」(ケント)
 
 このような実態がすこしも報じられないのは沖縄世論を牛耳る二つの新聞が、正論を吐かず、でたらめな反米記事を書いて煽るからである。
 問題は沖縄に於ける反米運動の報道にある。
 反対するデモ隊には日当が支払われ、その資金は中国から迂回経由。動員されたなかには外国人がいるということは昔から知られたことで、二月にも或るシンポジウムでケントさんと隣り合ったときも、ケントさんは堂々と公衆の面前でそう語っている。つまり証拠があるのだ。

 ところが、そのことをテレビで喋ると猛烈な抗議が組織的になされ、左翼ジャーナリズムが一斉に共闘して批判するという、左翼メディアの、というより「フェイクニュース業界」の体質である。
 この人たちは日本を破壊しようとして動いているのであって、説得しても分かるわけがないし、不都合な事実を提示されても「忙しい、わたしは読んでいない」という。完全に頭がおかしい人たちだが、左翼メディアは、こういうバカ言論人を多用するのである。

 本書では実名があがって、その「罪状」が縷々述べられているが、青木理、辛某女史、山口二郎ほか。評者にとっては初めて聞く名前の人ばかりだった。
 また朝日新聞OBが朝日を批判するのだが、現役記者がなぜ朝日を批判しないかといえば「ローンを抱えている」「首になる」などと言い訳がある。
 つまり左翼主流の執行部体制に刃向かえば何が待っているかという官僚主義、その悪弊が朝日以下の新聞社にも蔓延っているわけである。

 ともかく本書では、治癒の見込みのない沖縄左翼の実態、メディアのフェイクの作り方、その許し難い陰謀を暴いている。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 今回の書評には大きく分けて二つのこと(「東京新聞が変」と「ジャーナリズムが変な理由」)が書いてあるように見えるけれど、結局は一つのことしか書かれていないんじゃないか。
 というよりも、東京新聞が変になった経緯と、ジャーナリズムの変なのは同じ仕組みである、と。
 
 ・「東京新聞は評者が学生時代はまともな新聞だった。」
 ・「それがおかしくなったのは中日新聞が買収し、名古屋から進駐軍がやってきたあたり。」
 ・「中日新聞が左傾したのは、~伝統的に尾張徳川家の中央への怨念から来る反権力の宿痾的な体質である。」
 (尾張徳川は戊辰戦争のおり真っ先に裏切って薩長軍に投降した)

 「元々、東京新聞はまともだったけれど、中日新聞に買収されてからおかしくなってしまった。しかし中日新聞も左傾新聞ではなかった。それが東京に進出したことによって、左傾化したのであって、それに合わせるように東京新聞も左傾化した。その理由は、中日新聞が中央への怨念を持つ反権力の体質を持っていたからである」
 まとめれば、こういうことですよね。
 つまり、「左傾」はただの道具であり、元々の体質自体が「東京憎し(=中央憎し)」なんだ、と。

 これを見て、つい噴き出して、「何言ってんの。子供のケンカじゃあるまいし」と思ったんですが、すぐに「いや、そうじゃない。これが本当だ。情念、というものだ」と気が付きました。表には出さないけれど、心の底流に常にあるもの。
 情を澄ませなければ理は見えてこない。見えないくらいだから「理(ことわり。事を分ける)解」できない。けど、普段は表に出さないから、理解できてなくても生活はできる。
 身近な例でいえば、未だに残っていると言われる会津と長州の軋轢。或いはチャイナに向けるべき恨みを、どうしても日本に向けようとする半島国の異常さ。
 変なことを書きますが、例えばNHKはいつから反日になったのか。民放は?
 NHKは「シルクロードの旅」の頃から、チャイナの批判はしなくなり、すぐに北京放送局の支局を、渋谷の本局内に置いた。チャイナだけというわけにはいかないから、韓国の局も置く。
 交流という形でこれが進めば、同じ建物の中で仕事をしている者同士、「思い遣り」ではなく「忖度」が発生する。
 真心から発する思い遣りではなく、利害、損得から発する忖度からの発言は、「最悪の場合はとにかく自身を守る」という保険の上に成り立っているから、「分かり合う」気などはさらさらない。
 (左傾思想というのは「最悪の場合はとにかく自身を守る」という保険の上に成り立つ最たるものだから、早い話が人の言うことなんか聞くわけもない。「まずは破壊」、を旨としてますからね、それが「革命」、なんですから。)

 さて、そうやって見ていくと、
 「左翼ジャーナリズム、左翼メディアは何故こんなに反日、反政権で論陣を張ろうとするのか」
 、ということも「左傾思想」が主になっているのではなく、そこに何らかの情念、或いはやむに已まれぬ日常的な理由があるからではないか、と考えることもできます。
 それで出てきたのは、「ローンを抱えている」「首になる」などの言い訳。または、「支払われる日当」。「動員がかかったから」。

 人は高邁な理想を立ててそれに近づこうとすることを尊ぶけれど、現実にはなかなかできませんよ。それを窺わせる言葉が聖書にもあります。「人はパンのみにて生くるにあらず」、って。
 これ、とにかくはパンを求めなければ死んじゃう、という現実を直視して「・・・それでも、その先を」、という教えでしょう?
 白隠禅師の下に集まった弟子は、大悟することを求めて食うや食わずの荒行を続け、多くが栄養失調と病気で死んでしまったと言います。そこまでではなくとも、「人並みの生活はしたい」と理想より現実の楽を求める・・・・。

 情念。
 それを曖昧にしておく上で都合の良い左傾思想。
 そして「とにかく生きなければ」という弁解。
 (本当は「とにかく物質的に『豊かに』生きなければ」、なんですよね。「清貧」なんて、きれいごとだ、と。)

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褒めて伸ばす?冗談じゃない。

2020年05月25日 | 心の持ち様
2017.07/07 (Fri)

 いや、「褒められて伸びる」のは良いんですよ、「当人のやる気にスイッチが入った」、「意気に感じて行動を始めた」んだから。

 我々人間というのは、期待されることで喜び、時には命さえ投げ出してその期待に応えようとする。とにかく全身全霊で期待に応えようとする。上手くいく、いかないは二の次だ。

 けれど、とにかくそうやって必死になって取り組むことで応えようとするんだけれど、そうすることで、いつの間にか少しずつではあるけれど、期待に応えるべく自身が並行して実力をつけていくんです。
 だから「褒められて~」というより「認められて~」という方が、より現実的でしょう。伸びるのは、その主体は、褒められる方。決して褒める方じゃない。そうでなければ意味がない。

 ところが、戦後は「褒めて伸ばす」、一色だ。或いは「十褒めて、一叱る」。伸びる方の主体性は無視され、逆に、伸びる側ではなく、伸ばす側の心積もり、心得ばかりがクローズアップされる。
 冗談じゃない。伸びなきゃいけないのは我々だ。我々が自分の力で伸びるのだ。伸ばす方は単に手助けをしているのだ。

 大事なのは、実力のない我々が伸びること、であって、その手助け(伸ばす)をする方は、逆に全身全霊で以て伸ばそうとしなけりゃならない。
 ということは、とてもじゃないけど「褒めて伸ばす」、なんて余裕かましたことなんか言ってられない、ということになるんじゃないか。

 力のない者に対しては、手助けする方は正心誠意、自分の信ずる「在り方」を、説明しようと努力する。
 力のある者に対しては、彼が今も精進を続けているか否かについて、自分(手助けする方)の感想だけを述べる。伸びる伸びないは、そこからは彼自身の決めることだ。

 何も「褒めるな」とか「ひたすら叱れ」とか言ってるんじゃない。
 要は「伸ばす」のではなく、当人が「伸びよう」とすることに対しての援助をすべきではないか、ということなのだ。
 そして、その「援助、手助け」とは、「ひたすら見詰」め、「精確に把握」し、「認めよう」とすること。

 何で今頃こんなことを書いたのか。
 実は「褒めて伸ばす」というのはおかしいけれど、「非難して抑えつける」ことは、もっと意味がない、と。
 政治ばかりじゃない。
 現代社会自体、今こんな風ではないか、と思ったもので。
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冷静に見ると、・・・・ね?

2020年05月25日 | 重箱の隅
2017.07/03 (Mon)

 今日の宮崎正弘氏のメールマガジンに、また加藤清隆氏の投稿がありました。
 これと、先日来のメディア報道を見比べると、・・・・です。
・・・・・・・・・・・・・・
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)7月4日(火曜日)
        通算第5339号  <前日発行>

▼読者の声
 (読者の声2)都議選は予想以上の自民大敗となりました。この半年間、前半は森友問題、後半は加計問題に終始し、いかにも安倍首相に責任があるかのような印象操作が野党とマスメディアによって行われ、まんまと成功しました。
 最後に決め手となったのは豊田真由子と稲田朋美の暴言・失言でしょう。あれだけしつこく放送されれば影響しない訳がありません。

 さて国政への影響は、こう言っては身も蓋もありませんが、所詮は地方議会選であり、直接の影響はないでしょう。民主党政権が誕生した2009年とは違い、直後に衆院選は予定されていません。
 もし影響が出るとすれば、憲法改正日程です。安倍首相は来年の通常国会での改正案の発議と年末の国民投票と衆院選のダブル選を検討していますが、これに反対する声が自民党内外で強まることが予想されます。
 朝日をはじめとする左派系メディアは社の存続を賭けた大反対キャンペーンを張るでしょう。来年9月には自民党総裁選がありますが、安倍首相がすんなり3選されるか、否かは現状では不透明です。
 首相としては景気対策と外交に全力を尽くす一方、憲法改正は粛々と進める以外に道はないと思います。
(加藤清隆)


(宮崎正弘のコメント)
その昔、信長の旭日の勢いをみつつ、安国寺恵瓊は予言した。
「あの者、高転びに転ぶ」と。
 都議会第1党。なにか、同じことを連想した人も多いのでは? 
小生自身は、小池さんの野心にとって都知事はステップにすぎず、彼女の次の目標は当然ながら衆議院選挙、そこで多数の議席を獲得できれば、細川「日本新党」型の多数派連立による首相ポストにあると睨んでいます。
そもそもの彼女の政治的スタート地点は細川新党でした。
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百聞は一見に如かず

2020年05月25日 | 心の持ち様
2017.07/02 (Sun)

 首相演説に「辞めろ」「帰れ」の声 都議選で初の街頭に  

 安倍晋三首相(自民党総裁)は1日夕、東京都千代田区のJR秋葉原駅前で、都議選(2日投開票)の応援演説を、初めて街頭で行った。学校法人「加計学園」の獣医学部新設などをめぐり政権への批判が高まっており、聴衆の一部から「安倍辞めろ」「安倍帰れ」コールが巻き起こった。

 同駅前には、自民党の支援者が集まり、日の丸の小旗を振る姿などが見られた。一方で、「安倍政治を許さない」「国民をなめるな」「臨時国会をいますぐ開け」などの横断幕やプラカードを掲げる一団も。党関係者が「自民党青年局」と書かれた旗を林立させて、プラカードなどを見えなくしようとした。
 首相の演説が始まっても「辞めろ」「帰れ」コールはやまない。これに対し、首相が「人の演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない」「憎悪からは何も生まれない。こういう人たちに負けるわけにはいかない」と反論する一幕もあった。
 首相はこれまで、ヤジが飛ぶ可能性が高い街頭で演説は行わず、党支援者が多い小学校の体育館に限っていた。都議選での街頭演説は、この日が最初で最後となった。

 http://www.asahi.com/articles/ASK715Q1DK71UTFK00C.html?ir...


 朝日新聞のデジタル版に出ていた記事です。
 やはり上手ですね、印象操作が。

 ・学校法人「加計学園」の獣医学部新設などをめぐり政権への批判が高まっており、聴衆の一部から「安倍辞めろ」「安倍帰れ」コールが巻き起こった。

 →「政権批判が高まっている」から「安倍辞めろ」「安倍帰れ」コールが巻き起こった。
 政権批判が高まっていることと、帰れコールの直接のつながりはないんですよ?しかしこの文章からは、自民党の支持勢力の中に批判的な者がいて、そのグループが帰れコールをやっていたようにしかとれません。

 ・同駅前には、自民党の支援者が集まり、日の丸の小旗を振る姿などが見られた。一方で、「安倍政治を許さない」「国民をなめるな」「臨時国会をいますぐ開け」などの横断幕やプラカードを掲げる一団も。

 →「同駅前には、自民党の支援者が集まり~」「一方で、~を掲げる一団も。」
 「自民党支持者と妨害者の集団」、と捉えず、飽く迄も「安倍政権支持者」と「批判者グループ」という形で、「ここにいる者は基本的には自民党支持者」としています。

 ・首相はこれまで、ヤジが飛ぶ可能性が高い街頭で演説は行わず、党支援者が多い小学校の体育館に限っていた。
 →この文章はアサヒの面目躍如、といった趣があります。この文章、何の意味があるんでしょうか。
 本来なら、
 「首相はこれまで、街頭で演説は行わず、小学校の体育館で行っていた」
 、で終わる文章につけられた説明が、
 「ヤジが飛ぶ可能性が高い街頭で」は行わない。
 「党支援者が多い」小学校の体育館に「限っていた」。

 全体をまとめると、
 「安倍政権への批判が高まり、自民党支持者の中にも反対者が増えてきた。結果、「安倍辞めろ」「安倍帰れ」コールが巻き起こることになり、これまで支持者の集会でのみ行われてきた首相の演説は、演説が始まってもやまない「辞めろ」「帰れ」コールのために、この日が最初で最後となった」
 、ということになりますか。
 
 そういうわけで「百聞は一見に如かず」。
 保守速報さんのところにあった写真を持ってきました。
 演説が始まるよりもだいぶ早く、取材陣の確保している場所の隣に陣取る。(勿論、大きく映るためですよ)そうやって、用意していた大きな幕を広げる。
 幕には「安倍辞めろ」と書いてある。
 どう見たって、これはよそから来た単なる妨害者集団でしょ?

 朝日新聞、この写真を挙げてこの記事、ということなら、「能くやった!」とほめたいけど、それはできないでしょうね。
 「お前、どこ見て記事書いてんだ!」と突っ込まれるだろうから。
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