CubとSRと

ただの日記

拘(こだわ)る (拘泥する)

2020年05月26日 | 心の持ち様
2017.07/20 (Thu)

 拘泥することと保守は違う。

 先日、食材買い出しのために、四時間ほど車に乗った。
 疲れた。こんなに疲れるとは思わなかった。「寄る年波には勝てない」なんて言うけれど、それを実体験したことになる。
 帽子もかぶって、半袖シャツだから陸上選手が使っているアームカバーもして、屋根を開け(勿論、エアコンは点けず)片道約二時間、ゆっくり走った。

 「軽自動車だから」、なんてのは大した理由ではない。
 とにかく炎天下、直射日光を受けながら、の往復で4時間。還暦を何年も過ぎた身には堪えた。
 帰って来て、3時頃から夕食にして、気が付いたら5時半。いつの間にか寝てしまっていた。

 で、考えた。
 「もう歳だから、夏場の真っ昼間オープンで走るのは、往復では二時間以内にした方が良い」
 辺りから始まって、
 「そうなると近年中に最後の『バイクで北海道二週間!』、なんてのは年齢、体力面から、とてもじゃないけど無理なんじゃないか」
 、なんて思いっきり後ろ向きなことを・・・。

 でも、実はそうやって分別臭くためらうことが一番の問題(障壁)なのであって、そんなこと言ってたら体力なんてものは落ちる一方だ。そして、そんな後ろばかり向いてたら、目新しい展開を見ることなどできるわけがない。人間に今更ターボチャージャーなんてつけられないのだ。

 ならば、途中で倒れても、それはそれ、じゃないか。そうなる可能性自体は今に始まったことではない。
 車やバイク、或いは自転車等と同じ道を、誰だって往き来しているのだ。
 そして、生まれた瞬間から「いずれこの世におさらば」、なんてことだけは約束されている。

 30半ばからバイクに乗り始め、30年近くずっとそうだったし。きっとこれからもそうだろう。
 ならば、やりもしないうちから一体何言ってんだ。だましだましやってこそ、「年の功」、だろう。

 ふと思い出した。もう十年近くになるんじゃないか。
 岐阜だったか、の男性が、「定年退職後は自転車で日本一周に挑戦しよう」、と計画を立てていた。
 そのために入念に準備をする。体力作りから始まって準備万端整った頃、定年退職、となった。
 綿密な計画と、十分な体力づくりをしていた男性は早速、旅に出る。
 目標を順調に達成していくうちにマスメディアに知られるところとなり、テレビや新聞にも何度も登場するようになる。
 そしてその健脚ぶりは高齢者の注目の的になり、期待の星のようになっていった。

 目標達成まであと少し、自宅に到着するまであと数日、となった時、この男性は交通事故に遭い、帰らぬ人となった。
 「さぞかし口惜しかったでしょうね」とか「何ともお気の毒」などと言うのは失礼ではないかと思う。
 少なくともこの男性は目標に向かって邁進し続けた。そして、前向きに倒れた。
 同じなら、満州の馬賊じゃないけれど
 「見てくれ!俺の背中に銃痕はない!(オレは逃げなかった)」
 と思っているんだ、と讃えるべきだろう。

 ・・・・・って別に私を讃えてほしい、わけじゃないですよ。
 まだ何もしてないし、やるとしても私はバイクに載せてもらってるだけだから。

 拘泥するだけでは保守ではない。
 目標を立てて目的に邁進することを諦めないことこそが、保守だろう。
コメント
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