ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

粋・生喬さんの「笠碁」~第489回・田辺寄席

2009-03-21 09:33:20 | 田辺寄席
・・・・・・・・・・・・・・・恒例の仲入りの庭での茶話会・・・・・・・・・・・・・

今日は生喬さんの江戸噺「笠碁」と三喬さんの上方味の「貧乏花見」
同じ松喬一門だが、味付けの違いを楽しみたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

穏やかな・・春らしい、お天気さんの一日。
中庭の桜は、つぼみが膨らみ、例年より早く開きそう。

会場は、笑いを求めての落語ファン190名の大入満員。

開口〇番・・・・・・・・・・「ム」・・・・「無人島」・・・桂文太

よくいわれる、無人島に一人で行くなら・・・・

まず、何を持って行く。と家族に聞くと。
上の娘は、鉄砲。下の娘は、槍。女房は、釣竿。

本を持って行くとしたら、女房は、電話帳。
ストーリーはシンプルだが、登場人物は多いと。
文太さんは、将棋が好きなので、過去の棋譜を書いた棋譜本を。

誰を連れて行くと言うと、
娘は共に、お母さん。・・文太さんは・・DJの高岡美樹さんとか。

私は、サバイバルナイフ、枝雀さんの速記本と、どらえもん、ですか


一、笑福亭瓶成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「いらちの愛参詣り」

師匠の鶴瓶さんが、最初にコンクールに出たときのうわさのネタ。
さすがに、あの時代錯誤も甚だしい、オートバイも出てくる熱演。

尋ね尋ねて愛宕山ヘ行き、その後ケン坊を連れて風呂屋ヘ。
主人公のキャラクターが浸透していく、散髪屋、風呂屋へと
段々おもしろくなっていく。

恥ずかしながら、私は最近まで
いらち俥といらちの愛宕詣りがごっちゃ・・。

子猫が最初に出会うたのを、親と思うのと同じように、
初めてそのネタに出会うのは、重要です。

今日初めて聴いた、この噺、おもしろかったのは、
瓶成さんの出来が良かった証ですな。


二、笑福亭由瓶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「秘伝書」

この本があれば、一生楽に幸せに暮らせると、
釜無くして、飯炊く方法。
ひと月、100円で食べる方法。
電車にただで乗る方法。
女の子にキャアキャア云われる方法など。

でも、もっと縁日での、胡散臭さと、如何わしさが欲しい。
客との駆け引きが、この話しのおもしろさ。

客も本物ではないと、騙されていると解っていながら、
その答えが知りたくて、又一つでもOKであればと金を出す。

「すぐに見るな、人に真似されるといけないので、
人前で見るな。一人でゆっくり見よ」と、注意の呼びかけは
必ず、欲しいですな。

由瓶さんの人柄の良さが、この噺では、デメリットですな。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「猫定」

猫の忠信、猫忠と勘違いしてました。
ネコタダとネコサダ、紛らわしいですな。

飼い主の主人が、女房とその愛人に殺される。
猫が、主人の敵討ちとばかりに、その二人を殺す。

こればかりは、狸、狐、犬でも無理。
やはり執念と怨念の猫で無ければ。

我家にも、犬も、猫もいますが、懐かない猫にも
大事にしとかないとあきまへんな。

でも、文太師匠は、どんな噺もパーフェクトに紹介してくれますな



四、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「笠碁」


良かったですな。
幼なじみで、町内の商家のご隠居まじかの二人。
碁で、「待った」、「待てない」で喧嘩。

昔の、金の貸し借りの際には、待ったのにと大昔の話まで。
二度とお前とは、碁はうたんと、絶交を誓うが。

四五日経ってからの、特に喧嘩別れしてからの、
うずうずする様子は、みていておもしろい。

目は口ほどに。ものを言い。
表情だけで、気心知れているだけに、意地の張合いをする
二人を演じる。

一方が、家の前をうろうろ、呼び止めたくても、声が出ず。
「大へぼ」、「大ザル」・・「どっちがヘボでザルか、一番やるか。」
「おお」、との声で碁をうち始めて、こちらまで、嬉しくなる。

生喬さんの、芸。・・・・・・・・・・・素晴らしい。
御自分も楽しみながらやっておられる。

でも、喧嘩するほど仲が良い。こんな友人関係羨ましいですな。



五、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「貧乏花見」


三喬さんの貧乏花見。

もっと貧乏くささがと期待したが、案外洗練された感じ。
まあ、「気で気を養う」と、金銭面では、貧乏だが、
心のリッチさが、前面に出て、悲壮感が無いだけ、
カラリとしているのか。

三喬さんの住んでおられる、阪神間の夙川あたりの花見にみえる

サゲは、香こを喉に詰らせ、
「我が身危なく、香この、玉子焼き」でしたか、
突然のサゲに、聞き漏らしましたが、・・・
次の機会はきっちり聞き逃し無く。
でも、季節噺、桜の散るまでと言うと
聴ける機会も限られていますが。


追加、最後の、抽選会で、昭和町・寺西家長屋食事券(2000円分)が
当りました。・・・・・・嬉しいですな。




第489回・田辺寄席
2009年3月21日(土)午後1:30開演
大阪市立阿倍野青年センター

一、笑福亭瓶成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「いらちの愛参詣り」
二、笑福亭由瓶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「秘伝書」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「猫定」
仲入り
四、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「笠碁」
五、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「貧乏花見」

09-20-84
コメント
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