ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

初めての「動楽亭」~都丸一門会

2009-03-08 00:08:22 | 動楽亭
・・・・・・・・・・・・・・・・・・出来たての綺麗な「動楽亭」・・・・・・・・・・・・・

地下鉄動物園前、1号出口前と言うが、JRの新今宮から歩く。
初めてで、ウロウロするが、ノボリも出ていて、開場10分前に
着くと、既に30人程の列。
通り向こうの店で、一番安い290円のラーメンを食べる。

栄えある、第一回目の都丸一門会。
都丸師匠と三人の弟子。ゲストは、こごろうさん。

ほんとマンションの2階で、中は40畳程のフローリングの一室。
玄関に、消防署の許可書で、定員100名とあった。
本日は、90名の入りのゆとりのある満員。


一、桂とま都・・・・・・・・・・・・・・・・「米揚げ笊」

とま都くん、かわいい、でも話っぷりは都丸師匠と言うより、
兄弟子の都んぼさん仕込か。はっきりしていて、活舌も良く
さすが、米朝師匠のひ孫弟子。

話が、池田の猪買いとダブって十三の渡しヘ行ってしまうのでは
ないかと、心配してると、天満の源蔵町に着いて、ホットする。

「十兵衛さんとこはどこですか。」「手前だが」「拍子の悪い何軒手前」
そして、お留守ですかの台詞に、また猪買いがダブってまたまた心配。

兄弟子の、さん都兄さんに、負けぬよう頑張りますと、
挑戦状とも言える、意気込みを宣誓。

入門して間もないのに、すばらしい「米揚げ笊」でした。


二、桂さん都・・・・・・・・・・・・・・・・「強情灸」

出て来るなりすぐにボヤキ。
よい事は、すべてとま都で、悪い事はすべて私、さん都。

この都丸一門会のチラシも。一部手書きで書いてあるように。
都んぼ兄さんが俺がやるわと引き受けてくれて、1000枚作成。

出来上って、都丸師匠に私が届けると、
師匠、料金が書いてないのに気づかれて、

「木戸銭書いてないがな、何にも確認せんと持って来とんのか」
「おまえは、万事がこれや」と凄いお叱り。

何で、兄さんの失敗で、私が怒られんとアカンのか。
真ん中で、ほんま、損ですわ。

噺は、強情灸、江戸の噺家さんで聴く事はあるが、上方では初めて。
清やんが、最後にソフトクリームみたいな灸をすえるまでは
なかなか、おもしろい。

でも最後の、熱さに辛抱している様は見えるが
強がりで熱いという一言が言えない強情さが、物足りない。

内弟子時代の、辛抱の無さが、こんなところに現れているか。

まあ、会社でも、中間、間に挟まれるのは辛いですな。


三、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・「素人浄瑠璃」

今日の、都丸一門会のもうひちつもお目当て、こごろうさん。

さん都くん、よう遅刻してきて、師匠に「ほんとにすいません」と
言おうとして、「ほんません」と言い間違い。
まあ、何をやらしても、何回も失敗を繰り返す、
全く改善の余地が無いですな。よう怒られた弟子ですな。

こごろうさん、誰の「寝床」、「素人浄瑠璃」より、おもしろい。
旦那が、機嫌を損ねたあと、長屋の連中が出直ししてきて
是非浄瑠璃をお語りをと、おべんちゃらと解っていながら、
まんざらでも無く、唸ろうという気になる。
その時の、嬉しそうな顔。

二度と語りませんと言ってしまった後悔と、
懇願されて、顔が立つなら、浄瑠璃語りたいという気持の
揺れ動きが、表情に上手く現れる。

うまさだけでは無く、ストレートに笑いになって現れる。
枝雀師匠と、南光師匠の、いいとこ取りの「素人浄瑠璃」。

どんな、上方定番ネタも、噺の柱は大切に残しながら
今、最高の噺に創りかえる、「リフォームの匠」である。

こごろうさん、最高の40分でした。


四、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・・「雨宿り」(くまざわあかね作)

続いて、さん都さんのの失敗話。
まあ、師匠にもよう怒られていましたが、内弟子時代
物凄く怒られていたのが、師匠の奥さんに。

掃除すると、元ある場所に、戻す事ができない。
醤油とソースぐらいならまだ良いが、
一番のトラブルが、風呂場のシャンプーとリンス。
何度も奥さんが被害に遭われて、「アンタええ加減にしぃ」
それでも出来ずで、最後には、「あんた、病気」の一言。

掃除する時、携帯で写真撮っときと言われた、その日に失敗。
「撮ったんかいな」と聞かれて、「はい、撮りました」
よく聞いてみると、掃除後に写真を撮っている。
何の為の、写真か・・・いやはや・・・
奥さんほんまに怒ってはったんやろな。お察しします。

「雨やどり」くまざわあかねさん作。
舞台は、江戸。
喜六、清八と物売り、そして侍の四人が寺の山で雨やどり。

噺は、喜六、清八の旅ネタのようであり、
武士の噺は「宿屋仇」のようでもある。

めったに、昔に時代設定した新作を聞く機会がないので
今回の、都んぼさんの頑張りを見ていて、
新作を聴かせるには、かなりの実力が必要とあい分り申した。


五、桂都丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・「始末の極意」

都んぼさんの、内弟子時代の生真面目さをひとしきり。
三年間、一回の遅刻も無く、
それも9時56分か57分にきっちりに。
「そんなきっちりできるなら、噺家なんぞにならんと
役所勤めでも、したらどないや」と思いましたと。

2月22日に、ポリーフの手術をして、一週間一切喋る事禁止。
今はようやくで、リハリビ期間中。

いつもは、声を張上げるのが芸風ですが、今日はおとなしめに
まあ、そんな違った芸風の日も宜しいやろと。

噺は、「始末の極意」、先代の文我師匠で聴いた事のあるが、
セコイ話。・・・扇子、梅干、汁もの、最後は二銭で、お茶、お茶菓子
煙草、お茶漬け、最後に土産までもらう。

相手の気持のスキに入り込む
始末と言うより、詐欺の一歩手前ですな。

勉強会も兼ねて、実力派のゲストを招聘して頂き、
二回、三回と続きます様、弟子たちの協力も含めて
一門勢揃いに、これからが、楽しみですな



第一回・都丸一門会
2009年3月8日(日)開演2:00開演
動楽亭

一、桂とま都・・・・・・・・・・・・・・・・「米揚げ笊」
二、桂さん都・・・・・・・・・・・・・・・・「強情灸」
三、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・「素人浄瑠璃」
仲入り
四、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・・「雨宿り」(くまざわあかね作)
五、桂都丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・「始末の極意」

09-18-76
コメント
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