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この本はいわゆる読書論や、読書のすすめではありません。
いい本というのは、そのなかに「いい時間」があるような本です。
本を読むならば、深呼吸するように本は読みたい。そして本を読んで人生の深呼吸ができるような場所、いい椅子を見つければしめたものです。幸い、私はお気に入りの椅子があり、家での読書の90%はこの椅子の上でのことです。
「器量好し」とは良いことばです。人間というものの器、すなわち心という、心の大きさを表すものです、男ながら「器量好し」と言われたいものですな。
言葉には、他者を確かめる言葉と、自分を確かめる言葉があります。他人との言葉、そしてここに自分がいると感じることのできる言葉。
最後に、幕末の人、橘曙覧(たちばなのあけみ)の歌、三首。
たのしみは 人も訪ひこず 事もなく 心を入れて 書を見る時
たのしみは 世に解きがたく する書の 心をひとり さとり得し時
たのしみは そぞろ読みゆく 書の中に 我とひとしき 人を見し時
たのしみは 世に解きがたく する書の 心をひとり さとり得し時
たのしみは そぞろ読みゆく 書の中に 我とひとしき 人を見し時
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