MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『福家警部補』シリーズ

2013年10月04日 | BOOKS
 1.『福家警部補の挨拶』(単行本版)(2006)
      (文庫版)(2008)
 2.『福家警部補の再訪』(単行本版)(2009)
      (文庫版)(2013)
 3.『福家警部補の報告』(2013)

 犯人が犯行を犯すところの描写から始まるミステリー。
 「古畑任三郎」シリーズや「刑事コロンボ」シリーズでもおなじみの「倒叙形式」ですが、こちらのシリーズは謎を解く主人公がまったく異色。
 小柄な若い(若く見える)女性なのです。

 相手が油断してしまうほどの見た目と、水も漏らさぬ推理力、何事にも動じない落ち着きと、忘れ物・探し物ばかりしているウッカリ具合、徹夜が続いても眼力が衰えない体力と、ウォッカを一気にあおっても尋問できちゃうお酒の強さ、映像・造形・漫画などへの深い愛情と知識。
 本当にとらえどころのない、不思議なギャップにあふれた女性なんです。
 一人の女性の中に、いろいろとキャラクターを詰め込み過ぎたんじゃないかと思うぐらい。


 冒頭で犯行シーンが描かれるにもかかわらず、警部補がどう解決していくかは読まないと分からないというのが、なんとも面白いのです。徐々に犯人に迫っていく、その過程を読みながら「えぇ?これって?」と犯行シーンを読み直すことも度々。

 1冊に3~4編収められているので、一つの事件はあまり長い時間をかけずに読むことができるのも魅力的です。

<関連ページ>
「福家警部補は今日も徹夜で捜査する。 大倉崇裕『福家警部補の挨拶』」 - 東京創元社
 作者のメッセージがあります。
コメント
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