妻女山の林下の草むらに赤いものが見えました。ホオズキでした。ホオズキは、ナス科ホオズキ属の多年草で、鬼灯、または酸漿と書きます。鬼灯は、お盆に、赤いガクに包まれたホオズキの果実を、精霊棚(盆棚)に飾り、死者の霊を導く提灯に見立てることから。酸漿(さんしょう)は、生薬名。鎮痛解熱薬、堕胎薬。和名は、ホオズキを鳴らして遊ぶ様から「頬突き」が転訛したものといわれています。
その「ホオズキの実を鳴らす」ですが、子供の頃庭にあったホオズキで遊んだ思い出があるのですが、詳細は覚えていません。確か種を出して空気を入れてギュイーッという音を出したような…。舌の運動にはなったかもしれませんね。中国名は、草莓ですが、赤いホオズキの実を少女に見立てて、紅姑娘などというそうです。
古名は、あかがち(赤加賀智)で、『古事記』にも出てきます。素戔嗚尊(スサノオノミコト)が退治したという八岐大蛇(ヤマタノオロチ・高志之八俣遠呂智)は、赤いホオズキのような目をしてと書かれています。「その目は赤加賀智のようで、身一つに八つの頭、八つの尾があります。また、その身には苔や檜、杉が生え、その長さは八つの谷、八つの峰に渡り、その腹を見れば、ことごとく常に血がにじんでいます」とあるのです。これはなんの比喩かということで諸説あるようですが、暴れ川という説や火砕流という説があれば、産鉄民族を滅ぼした大和民族などという説もあります。
「もののけ姫」の製鉄のシーンなどを見ると、溶けた鉄の赤い流れは八岐大蛇のようでもあるし、火砕流などはまさに八つの谷、八つの峰に渡る大怪物。退治して天叢雲剣を得るなどは、戦を物語るようにもみえます。やたら下世話で感情的、下ネタの多い『古事記』ですが、そのダイナミズムと壮大な比喩は、創世神話などという堅苦しいテーマを越えて、実に面白い物語といえます。
その後、 平安時代の『本草和名(ほんぞうわみょう)』では、保保都岐(ほほつき)、一名を奴加都ツ岐(ぬかつき)と記してあります。江戸時代の『大和本草』(貝原益軒著)では、臭虫(カメムシ)の古語(方言)であるホウ(ホホ・フ・フウ)に付く虫ということでホオズキと書かれています。フウムシとは風虫で、カメムシは風に乗ってやってくると考えられていたようです。ホオズキに付くカメムシは、ヘリカメムシ科のホオズキカメムシ(鬼灯亀虫)で、ナス科のナス、トマト、ピーマンにつく害虫です。
ちなみに鬼灯の花言葉は「偽り」。俳句では、秋の季語です。
「鬼灯に 染まる白肌 偽を隠し」 林風
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■さて、ガーナ戦。本田は切り込み隊長としてぜひ右で使って欲しい。バイタルエリアに切り込まない、ミドルを打たない中村俊輔はクロス要員で左で。稲本と、オランダ戦の前半は非常によかった長谷部のダブルボランチも期待したい。とにかく最後はシュートで終わること。打たないことには得点は生まれませんから。パルマでチームメイトだったMFアッピアが言うように、ガーナは予選直後で疲れていて100%のプレーは難しい、とのこと。前半が評価の全てでしょう。
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