~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

今日という日

2013-03-11 22:38:17 | 日記
あの大震災から、今日で2年が経ちました。

遺族の方の3回忌という言葉に、関連死を含め2万人以上という

壮大な犠牲者の一人ひとりの死が、立ち上がって来るようです。

何の被害も受けていない私が、あの日を語ることははばかれる

けれど、2年前の3月11日が、私の中でも消えない記憶として

残っています。

あの日は金曜日でした。

作業所で障害者の人達と作業をしていました。

Y君は疲れやすいので、横になって休んでいました。

そのY君が、地震に一番先に気づいたのです。

地震だという、呟くような彼の声を聞いてまもなく、今まで

体験したことのない、あの大きな揺れが来たのです。

「机の下にもぐって」という私たちの声に、Mさんがパニックに

なり、椅子に座ったまま動いてくれない…

寝たきりのY君を動かすこともできない…

動揺と、混乱の中でY君の小さな声が聴こえて来たのです。

「逃げて下さい。逃げて下さい。」という声が…

貴方を置いてなんて逃げられない!と、言いながらどうすることも

出来ず、幸い地震は収まったのです。

私たちの作業所は、耐震など何もなく、強風でも家が揺れる

そんなところです。

だから、自分で体を動かせないYさんの言葉は、覚悟が

ないと言えない言葉なんです。

自分を助けてほしいと言わず、逃げて下さい!と言った

19歳の彼を思うと今でも、胸が熱くなります。

今、彼は2年前よりもっと動けなくなっています。

3月11日は、私にとっていのちを考える「いのちの日」です。

前に進みたいと言っている被災地の人に、私たちは何が

出来るだろうか…

  「遺体写真二百枚見て水を飲む、喉音立てずに

       ただゆっくりと 」



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