田口ランディさんが、講演会で「私、兄が死んだ時の
ことなんか忘れちゃったのよ。
だから、書かなきゃいけない時に、以前書いた
自分の作品を読んで、こうだったって思いだすの」
と笑って言っていました。
今、ランディさんは「骨風」という芝居の稽古を
しているそうですが、家族の歴史が自分に
そっくりとだという
そのお芝居を通して、自分の過去と再び向き合う
ことになり、その苦しさをを真っ直ぐに書いている
ランディさんの文章を読んで、心の底に埋め込み
化石としてしまったことも、掘り起こさなければ
いけないんだ
生きるとは、この発掘作業をスルーしては
いけないということなんだと思いました。
その時、初女さんのこの言葉が思い出されました。
『人を癒していると思ったことは
ありません。
人の心はたいへん深いものだから
人に人は癒せないと思うのです。
癒しとは、自らの気づきによって心を解放
したとき、はじめて得られるもので
ないでしょうか
佐藤 初女』