初女さんに初めて出会った時に、私が思わず
「息子は私に、生きるとは1分先も
1分後もない、今この時しかないということを
教えてくれました。」と、言ったのです。
朝、元気に学校へ行った子が、走った後に心臓が
止まってしまうという、考えられないことが
現実に起きてしまったので…
初女さんは、「私も全く同じです」と、
深く頷いて聴いて下さいました。
初女さんが亡くなる1年前に出版された
『初女さんの心を結ぶ「分かち合い」』に
その思いが書いてありました。
『この時代、誰もが、大変先を急ぎます。
なぜ、そんなに急ぐのでしょうか。
急がないと送れるからでしょうか。
でも私は”いま”というこのときぐらい確実な
こともないと思いますから、全てこの”いま”を
主にし、先のことは考えていません。
3分後も10分後のこともわからない。
先のことを考えるというのは、わからないことを
考えるので、いまを考えずに先を考えてばかり
いると、ますます混乱してきますし、
やったこともそのとおりにならないから
悩むわけですよね。
でも”いま”という時を基準にやっていると、
そのまま明日になり、何も複雑なことは
ないように思います。』
このことは、初女さんが伝え続けて来た
「今を生きる」と、言うことだと思います。
”分かち合い”の場で、初女さんが「先を考えるから
不安になるの。今を生きて下さい。」と言われて
いたのを何度も聴きました
「今より確かなものはありません」と
初女さんは力強く語ってました。
いまを生きていると後悔が少なく、悩みに
追われることも、そんなになかったと
初女さんは言われてました。
初女さんは、本当に後悔がなかったようです。
ベルギーに行った時に、「後悔したことは
ありませんか」と聞かれた時に、90歳近い
初女さんが「フランス語を勉強していけば
よかった」と言われたのを
聞いて、私はたまげました。
初女さんは、スケールが違うと心底
思いました。