緊急事態宣言が解除となり、いつもの日常が
戻って来た途端に、時の進みが速く感じるのは
なぜでしょう…
気が付けば7月になっていました。
ステイホームの時は、時間をかけて
料理をしたり、ちくちくとマスクを縫ったり…
特別なことをしていたわけじゃなく、
家にいたのに、その時間を楽しんで過ごせて
いたのに、今は時間だけがどんどん進み
自分だけが置いて行かれているようです。
初女さんは、どんな時でも静かでした。
初女さんの傍にいるだけで、ばたばたしていた
心が落ち着き、静かになるのです。
今は、初女さんがいないから…
そうか、初女さんのおむすびを作ろう
おむすびを結んでいると、あの静かな
初女さんの時間が戻ってくるから…
『「忙しい」という言葉を、私はなるべく
使わないようにしています。
「忙」という漢字が、「心を亡ぼす」と
書くことからわかるように、「忙しい」と
思って口にすることは、決して望ましい
ことではないと思うからです。
今ここにいる限り、あくせくしても
ほかのことはできないのだから、
そこの雰囲気に浸っていたほうが
いいのです。
佐藤 初女』