世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

とんぼ飛ぶ

2012-10-22 06:45:01 | 歌集・恋のゆくへ

とんぼ飛ぶ 風のゆくへに ささやきの 鈴を投げては ことたよりせむ


うすあをき しじまにとぢる 鈴なれば 耳にとけゆく 間に秋はゆく


盃に 汲む酒にとる 青空を 一息にのめ 天つ日は降る


ひとときを ふたごの兄と 並びゐて ともに言編む 夢を見る空


天つ風 あをくたなびく ためいきの 主はたれぞと はねる若魚


しづかにも 君のかたへに ひそみゐて 玻璃の絹織る 我は野菫



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びい玉

2012-10-21 07:27:08 | 薔薇のオルゴール

森の木の根元に
半分埋もれた
青いビー玉を見つけた
土をかいて かいて
爪で掘り起こして
やっと手にいれた ビー玉
ああ 早速お日様に差し上げよう
光を吸い込むとそれはきれいだから
ああ 幸せを分け合うことほど
幸せなことはないから

お日様 お日様
あなたが こんな小さな
ガラスの玉に入るなんて
ご存知でしたか
お日様 お日様
あなたのひかりを浴びると
ビー玉はまるで
生きている星のようです

だれがあんなところに
ビー玉を埋めただろう
どこからか流れてきて
亀が運んできたのかな
それともカモメが
種と間違えて 運んできたのかな

ああ 幸せを分け合うことほど
幸せなことはないから
分けてあげる
ビー玉を持っていたら
お日様にかざしてごらん
光が星になって
君に秘密の歌を歌うよ
あいしているよと
何もかもが 君を愛するために
見えない魔法の糸で
君の小さな指を 編んでいるんだよ


(オリヴィエ・ダンジェリク詩集『空の独り言』より)



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什さん

2012-10-20 07:04:42 | デッサン・下描き

篠崎什さん。やりなおしたものの下書きです。確かに、なんか女性っぽいですね。
細い目の、きれいな人っての、最近あまり見ませんね。みんな、目が丸くって、二重で、卵型の顔で、大体似たようなタイプの美人が多いです。

美と形について、いろいろ最近考えるのですけれど、目が細くてきれいな人というのは、知的に見えますね。そして、これは何となく黒木瞳さんを思い浮かべながらいうのですけど、小さめの目できれいな人っていうのは、かわいらしいですね。宮沢りえちゃんは、外国人の血をひいてるせいか、とてもスタイルがいいし、すらっとしているけれど、どこか日本人の血を感じる静けさというか、やさしさを感じます。普通モデルさんみたいにスタイルのいい、背の高い人は、どこか、強いものを感じるものですけど。これは、形より心の問題かな。

画像大きすぎたので、やり直そうかと思ったんだけど、雰囲気わかりやすいと思って、このままにしときます。



白髪金眼の下絵です。描くたびに杖の形が少々違いますが、聖者の杖は、魔法によってたびたび形が緩やかに変わると思ってください。瑠璃の玉がはめ込んであるのは、段階の象徴です。相当に難しい仕事をやらねばならない人の印です。



フェイスブックの方に発表した竪琴弾きの下絵。なんだかとても悲しそうな顔になりました。彼は、それほどの美男ではない、普通っぽい感じの青年ということになっているんですけど、やはり美しさを感じてしまうのは、彼が美しいことをしているからです。わかる人にはわかる。美しくないと、「美」の編に出て来た女性なんかは、すぐに馬鹿にするのですけどね。「琴」の編に出て来た老人の姿をした罪びとなどは、勉強が進んでいるので、わかるのです。



最後はミモザです。下書きのほうがかわいいかな。手がきれいだ。

これで一応、下絵の紹介は一旦終わりです。また機会があれば、やります。なんせ下絵は山ほどあるもので。捨てるに捨てられなくて、書斎にしている部屋の隅に山積みになっています。またおもしろいのを発掘したら、紹介してみたいと思います。


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白髪金眼の上部人

2012-10-19 07:26:50 | デッサン・下描き

おなじみの白髪金眼です。これは、昨日の「少年」を描いたあと、すぐに描きました。気分的に何かがとても怒っていて、だだだっと描いて、2枚描くのに、10分もかからなかったと思います。まあ自分独特の絵を描くに関しては、手が速いわたしです。

これは上部にいるときの姿ですから、少々髪が長くなってます。なんか怒ってますね、やっぱり。迫力あるので、切り絵にすると、その迫力が薄くなるような気がして、昨日の「少年」と同じく、そのままにしておくことにしました。



古道の魔法使いです。彼女を描くのは楽しいです。彼女のおかげで、いろいろとおもしろいこともできましたし。ジュディス・エリルの詩集なんかで、言いたいこともいろいろ言わせてもらったし。女性の方々、「蟹」の編で、いやな男性が、一気に腐乱地獄に落とされるとこ見て、溜飲を下げませんでしたか。いや、わたしは、書いていて楽しかったです。今も時々、「蟹」を読んではおもしろがっております。
男性の方々、ごめんなさい。



これは最近発表しましたね。準聖者です。黒髪の長い女性役人だった人が、上部に上がった後の姿です。手に持っているのは、青水晶の小杖。準聖者の魔法の道具ですが、底の方に、金属製の飾りがついています。勉強が進んだせいらしいです。

もう少し男っぽく描きたかったのですが、やっぱり女性だったときの面影を引きずってしまいますね。

では今日はここまで。




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少年・他

2012-10-18 07:25:52 | デッサン・下描き

今日は切り絵の下書きや鉛筆で描いた素描など紹介します。
冒頭の少年の素描は、わたしが何だか気分的に怒っていたときに、殴り描きのように描いてしまったもので、そのときの気持ちが乗り移ったかのように、この少年、なんだかものすごく怒っているように見えます。

もう少し手を入れて、切り絵の下書きにしてもよかったのですが、なんだかその必要はないような気がして、要するに、これだけで十分に作品になるような気がして、そのままにしておくことにしました。



これはもちろん、ドラゴン・スナイダーの下書き。カメラのレンズに汚れがあったので、目のあたりが少しかすんでますが。

切り絵の制作手順としては、まずスケッチブックにラフを描き、それをもとに線を整理します。つまりは、「少年」のような感じの絵の、荒い線を切り絵にしやすいように、太さを調整していくのです。それでそれに、トレーシングペーパーをかけて、シャープペンシルで原画から線を写し、そのトレーシングペーパーにうっすらとスプレーのりをかけて、黒や青や紺の紙に直接貼り付けて、四五度のデザインカッターで、丁寧に切っていきます。



什さんです。絵を差し替える前の、没にした切り絵の原画です。原画は結構きれいなのですが、切り絵に切るときに少し細部を失敗したので、やはりそこが気になって、新しく原画を描き、切りなおしました。

こうしてみると、鉛筆で描いた下書きにも、味があります。切り絵のシャープな美しさもよいですが、鉛筆で描くやわらなか線もなかなかによいです。


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準聖者

2012-10-17 07:21:30 | 画集・ウェヌスたちよ

元女性の準聖者です。今は男性です。読んでくださった方はご存じのとおり、段階を上がって準聖者の資格を得ると、女性はだんだん男性に変わっていきます。上部に上がる頃はすっかり男性になります。よって、準聖者や聖者はみな、男性です。

まあ、物語の中ではそうなっています。

この人も昔は、黒髪の長い美女だったんです。でも描いてみると、なんだか宝塚の男役みたいになってしまった。なんか女性っぽいな。まだ女性だった頃の何かが残っているんでしょうか。

上部にいるときは、彼は青髪の長い男性の姿になります。上部から下るときは、髪の色を変えて短くし、常人の服に着替えておりてきます。昔の面影はもう、ほとんどありませんね。師に影響されると、顔も師に似て来るんです。

今はまだ、準聖者(上部人)としては、入門者の段階です。とても難しい勉強をしている。師について学びながら、いろいろと仕事もしているらしいです。

なお、これはフェイスブックにも昨日書いたんですが、10月13日の什さんの絵がやはり気に入らなかったので、新しく下絵から描きなおした作品と差し替えておきました。

一応、今日で切り絵のシリーズは終わりです。明日からしばらく、下書きなど紹介します。下書きもなかなかにきれいで、少し手を入れると、立派な作品になりそうなものがたくさんあります。切り絵の完成作品と見比べてみるのも、面白いかもしれません。


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カメリア

2012-10-16 07:14:37 | 画集・ウェヌスたちよ

カメリアです。ちょっと大人びてきたかな。
彼女は今、地獄で罪を償いつつ、勉強をしています。

「私」編にでてきた少女が、彼女であるかどうかは、私ははっきりとは言いません。でも可能性は高いです。カメリアは、聖者によって人間に戻してもらった。本当は、怪が人間に戻るには、もっと段階を踏まなければならず、時間がかかるらしい。

聖者や、もっと高い方々には、怪を元の人間に戻す魔法など、とっくに知っているのだ。だがその魔法は滅多に使わない。簡単にやってしまったら、そのもののためにはならないからだ。でも、カメリアは、運命の導きなのか、高い段階の聖者に出会い、事故を起こして、聖者の魔法によって、人間に戻ってしまった。

だから、高い使命を背負わなければならなくなった。

地獄の責め苦にあっているとき、彼女はいつも、母や、博士のことを思い出す。愛してくれた人たちのことを。あの愛を裏切ってはならないと思う。だから耐える。愛は、耐えることを教えてくれる。ゆえに、彼女は神の前に呼ばれ、あの人が、来たのかもしれない。

でも、あの少女が、カメリアであるかどうかは、わからない。


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古道の魔法使い

2012-10-15 07:10:15 | 画集・ウェヌスたちよ

お待たせいたしました。古道の魔法使いです。黒髪の美女バージョンです。
本性の姿の方は切り絵にしにくいもので、こちらの方の姿で描きました。

右手の親指が、怖いですね。
どういう意味でしょうね。

あんた 落とすわよ

と言ってるような感じがします。あっという間ですから、もう。

男性の方、気をつけましょうね。こわい女性はほんとにいますから。
いや、もう、昨日のミモザからすると、ずいぶん違うな。

この人も美しい女性だけど(ほんとの姿も、仮の姿も)、ちょっと言葉を間違えただけでも、ただではすまない人ですから。

男性がたからの反応は、なんだか、「ふうん」という感じですが、女性たちからは、絶大な支持を得ております。ははは。

女性のみなさん、地獄に落としたい男性はいますか? いたら、おまかせください。
古道の魔法使いに頼めば、一発で、ごとーん、と落としてくれます。

でも、できたら、腐乱地獄は勘弁してやってください。
あの罪びとは、あれでいっぺんに改心したそうですけど。


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ミモザ

2012-10-14 07:27:42 | 画集・ウェヌスたちよ

ひさしぶりに女性の絵を切りました。「ミモザ」に出て来る、十四歳の娼婦、ミモザです。

普通、わたしは、人物を描くとき、バックはあまり描きません。よくいうことですけど、人物が強すぎて、バックがあると、うるさいと感じるのです。

だけど、ミモザだけは、なんだか何か描いてあげたくて、小さな星をいくつか、描いてみました。みなみじゅうじ座のミモザの星が、翼を生やしてミモザのところに飛んできてくれている。服には、宝石のビーズを縫い付けてある。少女には、悲しみを埋めるための魔法がたくさん必要なのだ。

読んでくださった方は知ってるだろうけれど、ミモザはとても苦しい。さみしい。わたしには、とても言えない、書けない経験をたくさんしている。

そういう女性たちのために、一筋でも光があたりますようにと、小さなお話を書いたのですが。昨日目次もつくりましたし、できればたくさんの人に読んでほしいです。

ミモザは十四歳。本名はクランペルパピータ(パピ)。白い肌、水色の瞳、色の薄い金髪。男の人に、愛を売る仕事をしています。


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物語集・もくじ

2012-10-13 18:42:22 | もくじ

てんこの物語集です。それぞれに★マークをクリックしていただくと、目的の物語の一番初めのお話に飛びます。よろしければ、ごゆっくり、ご覧下さいませ。


月の世の物語

☾月の世の物語   ………  

☾月の世の物語・別章 ……  
※別章は間にイラストが入りますので、それも見ながらお楽しみください。

☾月の世の物語・上部編 …  

☾月の世の物語・余編 
       第一幕……  
       第二幕……  
       第三幕……  

☾月の世の物語・天人楽 … 

☾月の世の物語・後の歌

  紅   ……………………  

  雷   ……………………  

  種   ……………………  


薔薇のオルゴール
 誰も知らない王様のお話。てんこオリジナルメルヘンです。

☀ガラスのバイオリン ……  

☀銀のミシン ………………  

☀薔薇のオルゴール ………  

☀エメラルドの涙  ………  

☀空の独り言 ………………  

☀真珠の薔薇 ………………  

☀金の鍵  …………………  


昔話の再話、パロディなど

✾ゆきしろばらべに …………  
 ※グリム童話の再話です。

☆太陽と北風と猫 ……………  
 ※イソップ寓話のパロディです。


小さなファンタジー童話集

☆うさぎ竜  …………………  
 ※うさぎ竜というオリジナルの幻獣をもとに書いてみました。

☆天使クリエルの話 …………  

☆天使ホミエルの話 …………  

☆天使タティエルの話 ………  

☆ミモザ  ……………………  

☆マウリツィオ・パスカーレ・チコリーニの証言
      ……………………  

☆ジョヴァンニ・カルリの災難
      …………………… 


☆イエス様 ……………………  


月夜の考古学

☆小さな小さな神さま …………… 

☆桜月夜 ………………………  

☆ばらの”み”

  1 冬のはじまり …………… 
  2 名前集め ………………… 
  3 サンタクロース探偵団 …… 
  4 友だち …………………… 
  5 冬に来る人 ……………… 
  6 鳥の影 …………………… 
  7 ハマナスの夢 …………… 
  8 魔法の呪文 ……………… 
  9 クリスマス・プレゼント …… 
  10 木枯らしの駐車場 ………… 
  11 サンタが来た夜 …………… 
  12 冬の終わり ………………… 

☆しっぽが始まりの物語 ………… 

☆嘘をついた神様 ……………… 

☆これは わたし ……………… 

☆壺ばあさん …………………… 

☆星屑ポケット
   神さまの家・他 …………… 
   マント・他 ………………… 
   眠れぬ子供たち …………… 
   博士の研究 ………………… 

☆魂を売る店 …………………… 

☆少年(フィングリシア物語より)
         …………………… 

☆ちいさなたまご ………………… 

☆窓辺の向日葵 …………………… 

☆薔薇を切る人 …………………… 

☆がちゃぽんと海 ………………… 

☆ゆきやなぎ ……………………… 

☆ママとユキ ……………………… 

☆たんぽぽ野原で ………………… 

☆ピケタ先生とステラサウルス … 

☆ガラスのピエタ ………………… 

☆幸いのうさぎドラゴン ………… 

☆水底より ………………………… 

☆影の物語 ………………………… 

☆死の河の森 ……………………… 

☆生まれる前の話 ………………… 

☆ファンゴーの猿 ……………… 

☆海 ……………………………… 


お話のかけら

☆花モチーフの亀 ………… 

☆月の世の物語・精霊編 ……… 

☆醜女の君 ……………… 

☆月の世の物語・幻の炎獄編 ……… 

☆再び、少年 ……………… 

☆ジュディス・エリル …………… 

☆ティルチェレ物語 ……………… 


瑠璃の小部屋

☆ガラスのたまご ………………… 




夢幻詩語  スピカ・他


☆エデンより ……………………… 

☆雪の女王の物語 ………………… 
(アンデルセン童話より)

☆人魚姫のお話 …………………… 
(アンデルセン童話より)

☆絵本・天使ホミエルの話 ……… 

☆かえるの王さま ………………… 
(グリム童話より)

☆ブルー・ムーン ・・・・・・・・・・・・ 

☆長い髪のシリク ・・・・・・・・・・・・ 

☆ウルトラマン・キオ ・・・・・・・・・ 

☆お釈迦様 ・・・・・・・・・・・・ 

☆時の香炉 ・・・・・・・・・・・・ 

☆つきのしろあめ ・・・・・・・・・・・・ 

☆月のかえる ・・・・・・・・・・・・・・・ 

☆うさぎ竜 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


☆天使がひとり ・・・・・・・・・・・・・・・ 

☆風の断旗 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

☆燕の子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 



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