詩集のときはけっこう訪問者数多かったけれど、画集にはいったら急にがたんと落ちました。何回も描いたのをまた描いているからかもしれないけれど、要するに、あまり男の顔なんか見たくないんでしょうか。けど、今日も一応、男の人です。
什さん、スーツなど着せても似合うでしょうが、いつもの普段着姿で。
彼は、血統的には弥生系日本人の顔立ちをしておりまして、目は二重ですが、切れ長の細い目をしとります。色は白く髪が長い。そのせいか、最近、外国から彼に会いにたずねてきた出版社の人に、女性と間違われたそうです。彼は、什さんの住む国の言語を独学で学んだそうで、流暢な言葉で言ったそうです。
「いや、てっきり男性だとばかり思っていましたので、びっくりしました」
そのとき、出版社の応接室に流れた空気がおもしろかった。什さんと一緒にいた同国人の編集者が、顔を覆って笑いをこらえていました。本人は、目が点になっていました。
本人も知らなかったそうで、彼は同国人にも、顔と顔より下が合わないとよく言われていたそうです。顔だけなら、彼は美男というより美女なんだそうです。髪を伸ばしても誰も切れと言わなかったのは、そのせいなのだそうです。
東洋人は西洋人に比して、骨格も体格も細めで小さいことも影響していると思いますが、外国から来た編集者はしきりに恐縮して、失礼をわびていたそうです。
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10月16日、イラストがやはり気に入らなかったので、改めて切りなおして、差し替えました。