読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

ジョン・グリシャムの『告発者(上)』

2025年03月10日 | 読書

◇ 『告発者(上)』(原題:THE WHISTLER) 

    著者:ジョン・グリシャム

    訳者:白石 朗 2024.6.11新潮社 刊(新潮文庫)

 リーガルサスペンス。 レイシー・ストールツ36歳。間違いなく彼女が本書の主人公である。
レイシ―はフロリダ州司法審査委員会の調査員である。相棒は4人の子持ち男性のヒューゴ-・
ハッチ。
 アメリカの法制度として州ごとに地区裁判所判事に対する不正告発を審査する
(Judicial Qua
lifications commissionI=略称QCI)という司法機関がある。しかし著者はここでは司法審査委員
会とう架空の組織を設けた。機能はほとんど同じだが前者では韓進諸部については勧告にとどま
るのに対し、ここでは判事の懲戒処分を下し辞めさせるとができることになっている。

 フロリダ州ブランズウイック郡の地区裁判所は周囲の二つの郡をも管轄しており判事のクロ
ーディア・マウドーヴァーがにらみを利かせている。この判事が数多の不正を犯しているとの
告発があった。
    審査委
員会の委員長マイクル・ガイスナーはレイシーとヒューゴに担当を命じ、法定の2週
間以内に判事に告発状を送達するか否かを決めるよう指示した。
告発者はかつて連邦犯罪で服役したこともある男グレッグ・マイヤーズ。依頼人と仲介者は別
にいる。レイシーらは彼から告発の詳細を聞き、事実関係の傍証固めに動き出した。

 告発書によれば、判事は先住民居留地にカジノを設けその周辺一帯のホテル、ゴルフ場など
土地開発を手掛けるマフィアの一味に対し、関連道路
の整備など諸手続きの迅速かつ有利な決
定の便宜を図る見返りに判事に対し莫大な賄賂を提供したとする。カジノの上がりの一定額を
毎月供与し、ホテル5室を贈与、定期的にプライベートジェット機を利用した海外旅行の便宜
供与するなど贈収賄、財物強要、脅迫、訴訟不正操作等々の不正が10年以上続いているとい
う。
 関係者からの事情聴取を続けるうちに、判事がらみの不正について耳よりの情報を伝えたい
との電話を受け、胡散臭いとは思ったものの出かけたレイシーらは見事すっぽかさ
れ、挙句の
果て不審なトラックに正面衝突され、レイシーは瀕死の重傷、ヒューゴは命を落としてしまっ
た。シートベルトやエアバッグは細工されており利かなかった。明
らかに裏でマフィアの一味
が動いていると見たガイスナーは、もはや猶予ならずとレ
イシーの完全回復も待たず判事に対
し告発状送達を行い、30日以内に釈明回答を寄せるよう通告した。マクドーヴァー判事は強
力な顧問弁護士と共にレイシーらを待ち構えていた。
                               (以下<下巻>に続く)



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漸くお目見え、ふきのとう

2025年03月09日 | その他

◇ 待ちわびた春の徴

  例年2月下旬には顔を出していた我が家の庭のふきのとう、今年はやけ
 に遅く、今かいまかと待ちわびていたが一昨日ようやく10個ほど発見、
 安堵の胸をなで下ろした。不順な気候のせいだろうか。 
  何はともあれ今夜は春の香りを堪能しよう。 

 

 

 

                (以上この項終わり)

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季節の花・山茶花を描く(その2)

2025年02月13日 | 水彩画

 今一度山茶花に挑戦
 まるで台風のよう な冷たい突風が吹き荒れる中、改めて枝ぶりの良い
山茶花 を手折り新しい絵を描いてみた。違うのは構図と葉の色。
硬質の葉の色と質感が出しにくい。

   
    clester   F6 (細目)
                                                                                 (以上この項終わり)

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ヨルン・リーエル・ホルストの『警部ヴィスティング 鍵穴』

2025年02月10日 | 読書

◇『警部ヴィスティング 鍵穴』(原題:Det inerste rommet )
   著者:ヨルン・リーエル・ホルスト( Jorn Lier Horst )
           訳者:中谷 友紀子
              2021.3  小学館 刊  (小学館文庫)

  

 警部ヴィスティングシリーズ第13作目(邦訳第3作目)。現代ミステリーの警察小説
の原点とされるシュバール&ヴァールーの<マルティン・ベックシリーズ>の系譜に属
する正統派警察小説とされる。
 警部ヴィスティングはノルウエー国ラルヴィクという都市の警察署犯罪捜査部の警部。
元国会議員の屋クラウセンが亡くなりその別荘から8千万クローネの現金が発見された。
ヴィスティングは検事総長から極秘裡に捜査するよう命じられる。その夜別荘は火事に
なって全焼した(現金は火災前日にヴィスティングにより搬出されていた)。

 ヴィスティング警部はベテラン鑑識員であるモルテンセンと元新聞記者だった娘のリ
ーネ等を手足にして捜査を進める。捜査の結果同時期に起きたたいくつかの事件との関
連が疑われる。ひとつは2003年5月に起きた空港現金強殺事件、二つ目はクラウセンの
別荘があるイェルショ瑚畔で同じ日に起きた釣人の青年の行方不明事件、三つ目は2,00
3年9月のクラウセンの息子レナルトの交通事故死事故死である。

 この三つの事件の絡み合いと、日本ではありえない娘のリーネとの連携捜査(調査)
が興味深い。作者が警察官出身ということもあるが警察の緻密で地道な捜査の経過が
丁寧かつ克明に綴られる。登場人物も捜査手法、手順などもアメリカなどとは異なり
日本と似ている。珍しく死亡した政治家と政界の状況、高額な不明金の出所を巡る複
数事件の関連性を探る緻密な捜査の展開が実に興味深い。

                             (以上この項終わり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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季節の花山茶花を描く

2025年02月08日 | 水彩画

寒風の中咲き誇る山茶花

 節分を過ぎた今、日本国中が寒気に耐えている。そんな中で今こそ
とばかり咲き誇る我が家の山茶花。
 手折ってもなかなか活け難い花で、ようやく形を整えて絵になった。
硬質の濃い緑の葉 が特長である。椿と違って、花弁はハラハラと散る。

  
             cleser F6(細目)

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