読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

甲州道中・最終ラウンド(その4)

2007年06月06日 | 里歩き

◇あっけない完全踏破
  
4時前に宿に着いて、湯量も多いし湯温も高い上諏訪の温泉にゆっくり
  浸かって、夕食まで一眠りした。夕食には「地酒セット」という日本人らし
  い発想のメニューがあった。真澄、舞姫、麗人、横笛、本金など小さいグラ
  ス1杯ずつ楽しめる具合になっている。夕食は存分に呑みかつ食べ、明
  日に備えた。
   さて、6月4日(月)は今日も快晴。爽やかな湖岸の道を歩き、昨日の街
  道に復帰する。温泉地には温泉神社をよく見かけるが、ここは温泉寺。
  高島藩諏訪氏の菩提寺でもある。
   富ケ丘という、石を投げれば諏訪湖の湖面に届くかというほど湖水に接
  近した所を過ぎ、急角度に右折する道を上がると、あれ懐かしや「諏訪
  大社下社秋宮」の社殿が現れた。僅か10キロ足らずで今日の歩きは終わ
  り。無事に甲州道中を歩き通せたことを感謝しお参りした。
  このあと有名な「新鶴・塩羊羹」を買い、その先「綿の湯」にある「中山道
  ・甲州道中合流点」に立ち、妻と完全踏破を喜び合った。

           
          諏訪湖        諏訪大社下社秋宮    中山道・甲州道中合流点
 
            
     
     下諏訪宿本陣岩波家

     
今回の旅では、韮崎辺りで懐かしい甲斐駒ケ岳や鳳凰三山、富士山
   の大きな姿に出会えるのが楽しみであったが、残念ながら雲に隠れて
   見ることが出来なかった。
    帰路あずさの車窓からながら、何とか接しえたのが救いであった。

            
           甲斐駒ケ岳             富士山

   

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甲州道中・最終ラウンド(その3)

2007年06月06日 | 里歩き

◇上諏訪を目指して
 
 青柳を経て金沢宿に着く。ここの本陣跡は標識のみ。権現の森から
 ほぼ中央線の線路と宮川沿いに進む。時折「スーパーあずさ」など電車
 が通り過ぎる。今日は日曜日で、小学生などの釣り人がいるが、「釣れ
 ました?」と聞いてもただ首を振るだけ。余計なこと聞くなということは釣
 れてないんだナ、きっと。
  やがて茅野市に入り街らしくなってきた。お昼どきなので蕎麦でも食べ
 ようと駅前の店に入った。聞けば生ビールがあるという。これまで歩きの
 最中はアルコールはご法度と堅く決めていたのに、後10キロ足らずだし・・・
 と、とってつけたような屁理屈をこねて中生を1杯だけ飲んだ。軟弱者め。
 その美味たるや何ものにも代え難いものであった。蕎麦も、もちろん美
 味しかった。
  道は四賀で諏訪市域になり、やがて元町交差点にある酒蔵「真澄」が
 見えてくる。「真澄」は諏訪を代表する銘酒と言っていいいだろう。ここで
 も利き酒はやっているが有料だというのでパスした。金を出してまで試
 飲することはない。「真澄」はちょっと私の口には合わないのだ。この通
 りには真澄を初め麗人、舞姫、本金など酒蔵が並んでいる。
  諏訪駅の手前から湖岸に向かって進み、今夜の宿「湖山荘」に着く。
 宿の前に「間欠泉センター」なるものが立っている。昔は何十米も吹き上
 げたようだが、今は時間を置いて圧を高めてから噴出させても2~30㍍
 がやっとのようである。
    
         
    諏訪湖流域は御柱祭     信州は双体道祖神     時折スーパーあずさが
 
 

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甲州道中・最終ラウンド(その2)

2007年06月06日 | 里歩き

◇教来石を越えて蔦木へ
  教来石(きょうらいし)宿という妙な名の宿場を通る。
 そろそろ12時になろうとしているが、途中に食事が出来る店も食べ物
  を売る店もない。またも昨日の悪夢の再現かと心配していたら、やれ
 ありがたや、甲州と信州の国境に架かる「国界橋」の袂に新しいコン
 ビニがあった。「かつ重」などを買って、田圃道の草の上に腰をおろし
 昼食をとった。日差しは強かったが涼しい風が心地よかった。
  蔦木宿は珍しく東西の入口が枡形になっている。この先で釜無川
 を橋で渡ると今夜の宿「信甲・館」がある。隣は「フォッサマグナの湯」とい
 う保養施設であるが、甲信・館は露天風呂もあり、日帰り入浴客も受
 け入れている。予定より早く、3時のご到着である。早速風呂に入り冷
 たいビールを呑んで一休み。すぐ夕食の時間になる。
  今夜の同宿客は4組。お隣に若夫婦が座った。
 「帳場で甲州道中を歩いている方と伺ったのですが・・・」と若奥様。
 聞けば結婚3年目であるが、「夫婦で共通の趣味を見つけたいね」と
 いうことで、手近かの甲州道中を歩き始めたのだという。
  我輩から見たらばまだ若輩の身でありながら、早くも夫婦の紐帯に
 思いを致し、共通の趣味を持たんとするはなかなか立派である。また
 夫婦仲もいい(1杯の生ビールを仲良く分け合って呑んでいた。)。
 このような若者を社員にしている会社はきっと伸びるに違いない(と
 思う)。
 「次歩くのなら中山道がお薦め・・」とか言ってそそのかし、今後の情
 報交換を約した。

          
   花と思いきや葉っぱ   白州町は雷鳥と石楠花と甲斐駒ケ岳   道祖神団地

  
  瀬沢大橋を渡るといよいよ急坂を登り山道に入る。傍らの水路を清
  冽な水が走る。やがて重収の一里塚跡があり、標高950mとある。韮
    崎との標高差約450㍍である。随分登ったものだ。
   原の茶屋辺りでは961㍍となっていて、この辺りが富士見峠かもし
  れない。御射山神戸の一里塚は珍しくも左右の塚とケヤキの巨木が
  残っている。樹齢380年、樹高25米、樹周囲6.9米という威容で、枝葉
  が辺りを覆い、かっこうやキビタキ、鶯などの鳴き声が心地よい。

            
   赤米、黒米など古代米の里  一里塚のケヤキの巨木     思わず見とれた空木の花   
   
 

 

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