リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

教育改革

2006年12月09日 15時21分35秒 | 日々のこと
教育再生会議が合宿会議を開いたって新聞に出ていました。
都内某ホテルで泊まりがけで会議をしたそうです。安部政権になって、目玉(?)として登場したこの教育再生会議です。メンバーをみると教育の専門家は少ないみたいで、たぶんサロンみたいな感じになるんだろうなって思いました。

でも発足間もない頃から、いじめや自殺が相次ぎ、もっともタイムリーな会議になってますね。私は、こういう会議だからこそ現場経験の豊富な方とか研究者でかためないといけないと思うんですが、できないんでしょうかねぇ。

実は私、教員時代今では悪名高き「ゆとり教育」を推進する、現行の学習指導要領作成になぜか携わりました。その会議の中では、将来の日本の教育改革に燃えてたんですが、新指導要領に変わったとたん、なんか新教育課程がボロカスに言われて何か悪いことに荷担をしたみたいです。(笑)

教育再生会議では一日の授業を7時間することを提言するみたいですけど、なんで急にそっちの方に振れちゃうのかなぁ。また詰め込み教育が始まってただでさえ息苦しい学校がさらに息苦しくなって・・・もともとそうだったからこそ「ゆとり」という方向に移っていったんじゃなかったかな。

英語やら数学の授業数が減ったなんて言われてますが、(確かに減ってるんですけど)何が減った一番大きな理由かご存じですか。週5日制になって減った授業数って要するに1週間で4時間だけでしょ。それも新教育課程に移行期間中何年かは隔週で土曜休みだったから、そこから比べたら平均で1週間あたり約2時間減っただけです。

ではその理由をお教えしましょう、ってあくまで私の見解ですけどね。それはいわゆる総合学習の時間がどっと入ったからです。総合学習が入らなければ、大して今までの教科の時間は減らなかったんですよ。ということは教える内容もそんなに減らす必要もないわけです。

で、総合学習が現時点で成果をあげていればいいんですけど、私の知っている限りでは成果どころかマイナスの成果があがっている感じのところが多いみたいです。時間がたくさんある割には、先生方は何をやっていいのかわからず、本来は特別活動にはいるようなことを総合学習と称してやっているところもありました。ひどいところは、50分の授業を5等分して、毎日10分ずつ教室で読書、これを月から金までやり、それで総合学習1時間分です。うーん、こんなことありえるの?って感じでしょ。こういうのって少し前話題になっていた未履修の問題では出てきませんでしたが、出してもいいんじゃないかな。

総合学習の問題点って、なぜかあまり表に出てきませんが、なんででしょうね。総合学習をすぱっとなしにすれば、7時間授業をしなくても十分教科の時間が取れるんですけどね。それに現場の先生方の負担もずっと少なくなるし。でも一旦鳴り物入りで登場したものをさっと否定して引っ込めるということは文部科学省はやらないでしょうね。君子豹変す、って言ってやめちゃえばいいんですよ、はい。