リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

スイス「里帰り」記(8)

2007年06月20日 20時08分16秒 | 音楽系
ジブのコンサートは、バロック・リュートでした。プログラムは、ヴァイス(ハ短調「大」ソナタ)、バッハ(プレリュード、フーガ、アレグロ BWV998)、コハウト(コンチェルトヘ長調)という堂々たる正攻法のプログラムです。私がバーゼルにいた頃は、彼はずっとルネサンス・リュートを弾いていまして、私の帰国後にバロック・リュートに転向したそうです。というかもともと自分の国で(彼はイスラエル出身)すでにバロック・リュートも弾いていて、ホピーのレッスンをバロック・リュートで受け始めたのが2年前ということでしょう。

従って私にとって彼のバロック・リュート演奏を聴くのは今回が初めてでした。ルネサンス・リュートのときもそうでしたが大変音楽的ですばらしい演奏でした。これだけの大曲をじっくりと聴かせることができるとは大したもんです。若干の技術的な問題がなくはないですが、そんな程度はライブによくありがちなことという感じで、基本的には大変安定した技術を持っていました。ただ個人的な好みとしては、急速楽章でもう少しブリリアントな表現があってもよかったかなとは思いました。