リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

寺コン

2010年02月07日 14時44分41秒 | 音楽系
今日の午前中は、市内の祐泉寺で寺コンでした。私から見ると寺コンですが、実際は和讃講に替わる行事の中でリュートを演奏するということです。和讃講というのはは長男(跡継ぎ)が40歳ごろまで参加する伝統ある行事でした。地域の中心になって活躍いただく方々がお念仏の教えを学ぼうという尊い願いがあったのではないかということのようですが、いろいろ事情があり、昨年度その伝統を閉じたそうです。



今回、少し形を変えて行いこの行事が軌道に乗ったら「和讃講」としてまた行っていきたいと住職はおっしゃっていました。

この行事は、前半30分くらいが私のコンサート、後半30分くらいが、祐泉寺の住職、市内の西方寺、そして私による鼎談でした。10時にはお寺に着いていなくてはならないので、今朝は6時に起き、準備をしました。こんな朝早くから演奏するのは初めて?、あ、以前どっかで、10時から始まるコンサートをしたことがありました。その時は、遠くだったので、まだ暗いうちに家を出発しましたが、今回は20分もあれば行けるところなので余裕はありました。

「講」に参加された方は、檀家の方ばかり小さな子供から、おじいちゃん、おばあちゃんまで、多彩です。こういうときはバロックリュートよりルネサンスリュートの方がいろいろ融通がききますので、ルネサンスのレパートリーを中心に自作も少し交えてプログラムを組んでみました。楽器も、音量では抜群のルルデスのアーチリュートを使いました。お寺のお堂のように比較的デッドな場所では、ルルデスのアーチリュートは抜群です。



この講は年に1回とのことですが、新たに定着するといいですね。それにしても、檀家とお寺が密接につながっている地域社会に、古き良き日本の伝統を見た思いがしました。自分の地域では、とっくにそういうものがなくなっているだけに、とてもうらやましく思いました。(このコンサートは檀家さんのためのものですので、HPでの案内はしてありません)