リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

イーオンのCM

2015年03月30日 22時09分17秒 | 日々のこと
最近石原さとみが出ているイーオンのCMが気になります。ってイーオンに行きたくなったとか、石原さとみのファンだというのではありません。(笑)

気になるのは石原さとみのしゃべっている英語です。

英会話イーオン「エアポート編」You Tube

しゃべっているのはつぎの台詞です。

- Traveling abroad is way more fun since I started at AEON.
 (イーオンで(英語を)始めてから、海外旅行がすっごく楽しいわ)

 I can talk with people on my own. It's great. Don't you think?
 (自分の力で人と話すことができるのよ。すごいと思わない?) 
         
- Excuse me, where can I get a taxi?
 (すみません。タクシーはどこですか?)

Woman: See those doors. Go out. OK?
 (そこのドアが見えるでしょ。そこから出て。いい?)

- OK. Thanks. It's this way.
 (オーケーありがとう。こっちだって)

Taxi driver: Well, what's in it?
      (中に何がはいってるんだい?)

- Um, this and that.
 (えーっと、いろいろよ)

Taxi driver: This and that!
(いろいろねぇ)


みなさん聞き取れます?私個人的には最も苦手なタイプの英語発音です。ネイティブの早口英語よりずっと苦手です。日本語なまりがあって不正確な音のリンキングで早口な英語です。日本人にありがちな発音の問題点は、子音(特に[t][d]なんかの破裂する子音、日本語とはかなり違います)の発音が弱くなりがち(=日本語的)でいくつかの母音が不明瞭なりがちなところです。で、その割には音の抑揚が激しい。ウチの近所の某スーパーの宣伝アナウンス(女性)がなぜか英語混じりなのですが、その英語もその様な感じの英語です。

石原さとみの発音はひとつひとつの発音をきちんとマスターせずに、いきなり音のリンキング(音の連結)をしてスピードをあげた感じです。例えば冒頭のTraveling の語尾がちょっと変な感じだし、on my own の own の[ou]がどうきいても[a:]にしか聞こえないし。とは言うもののリズム感・スピード感はあるし、全く問題なく通じると思います。

でもちょっとくずれた発音の割には文章自体はきちんとしているのが少しアンバランスに感じます。あの発音なら文法もくずれなきゃ。(笑)

日本人の英語コンプレックスを刺激するような内容ですが、CMとしてはもちろん成功していると思います。完璧な英語だったら逆に反発をくらいますから。

でもああいったちょっと軽薄に聞こえる英語より、もっとゆっくりでもいいので正確な発音、丁寧ないいまわしを学習の目標においた方がいいのではないでしょうか。そういう英語をしゃべる日本人はきっとネイティブからもノン・ネイティブからも尊敬されると思います。