リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バロック音楽の旅9第3回講座【コンサート】

2015年10月10日 13時08分31秒 | 音楽系
バロック音楽の旅9第3回講座無事終了致しました。今回から最終回の第6回まではコンサートが続きます。コンサート・シリーズの第1弾は古楽アンサンブル「ムジカ・レセルヴァータ」です。



ムジカ・レセルヴァータはチェンバロの岡田龍之介さんの呼びかけで設立されたアンサンブルで、今のメンバーでは2011年から活動を行っている、日本を代表する古楽アンサンブルです。

バロック音楽の旅講座では初めての登場になりますが、プログラムは18世紀のフランス音楽で、ルクレール、シェロン、モンドンヴィル、バリエールの作品を演奏していただきました。いずれの作曲家もバッハよりあとの世代で、いわゆるロココスタイル(ドイツではシュトゥム・ウント・ドラング「疾風怒濤」)の作品です。これらの時代の作品は、その前の時代に比べると華やかさが際立つ音楽が多く、今回の作品も大変華麗かつ「耳」あたりのいい音楽が会場一杯に広がっていました。



今年のシリーズ第3回になって初めて気がついたんですが、会場が静かになるとなんか低いファンか電気ノイズのような音が聞こえます。探ってみると、会場奥の窓際にあるコンソールの機器の冷却ファンの音でした。昨年度はそのような音がなく完全に無音であっただけにとても残念です。担当の方に聞くと今年の3月に機材を更新したそうです。冷却ファンの音が大きい機材=低価格ですから、更新の際に経費節減で低価格のものを導入したのではと思われます。

会場のくわなメディアラヴ「時のホール」はいわゆる多目的ホールながらコンサートホールとしての必須用件である「防音」「無音の空調」「高い天井=豊かな音響」を満たしている希有な存在だっただけに残念でなりません。本会場を「音楽ホール」としてスーパーヴァイズしている方が存在しておらず、ただ機械的になにも考えずケイヒサクゲーン!で行ってしまったということでしょう。名古屋市内にある100席前後のコンサート専用ホールよりずっといいのに、もったいない話です。

ただこの「騒音」は演奏者の方に聞いてみたら全く気にならないとのことでしたし、受講生の皆さんからの苦情も一切ありませんでしたから、いわれてみれば「ああそういや」というレベルのものですのでコンサートの運営に大きく障害になるというものではなさそうです。ただ音量の小さい楽器ですと少し目立つ可能性もあります。次回からはコンソールに毛布をかけるなどの工夫をしてみたいと思います。