リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

BWV1006a(12)

2024年07月25日 15時23分24秒 | 音楽系

33小節目~36小節目です。

29小節目~32小節目のヘ長調パターンが下属調に向かうと見せかけてDメジャーの和音に入ります。でもここはニ長調になった訳ではなく、方向はト短調に向かいます。

冒頭の和音はgマイナーですが、2拍目にすぐ6度♮の音が入るのでそこからニ短調の属和音を経て38小節目からニ短調に入ります。この巧みなスムーズな転調技はさすがバッハです。

29小節目に始めて出てくる音型が和音のポジションや和音そのものも変えていろんな形で出て来ますが、アーティキュレーションとしては同じである必要があります。しかしポジションや和音そのものが変わって行くにつれ表情も少しずつ変化してく必要があります。そういう意味ではなかなか難しいところではあります。弦の扱い方やスラーの位置はちょっとずつ異なっていますが、上記の事柄が実現しやすいように配慮したつもりです。あとは練習あるのみ!この音型はこのあともまだ出て来ます。